ネジ花の芯
シャープペンシルの芯を針のように伸ばし
また今日という白紙のページの一点から流れるものが
わたしの中へと流れてゆく
雲となって、風となって
それだけのリアリティーに刺されるように生きて
いる
この芯がノートに摩擦し、削れた熱
風に吹かれて乾いても 流れたものがあること
それだけが あなたに伝わって溶けたなら
そんな壁のないイメージの翼をもっていいのなら
もっていたい 種子から広がるイメージを
朴の木の葉が揺れるように
ヤマボウシの白い風車のように
どこまでも広がっては別れてゆく藻のように
芝刈りを終えた 公園の広場には
小さなネジ花が土からスッと伸びた芯に沿って
螺旋を描くように空へ空へと咲いている
小さな桃色の鈴の花達がリンリンリンと
夏空に向かって歌っている
耳をくすぐるような音とその芯が
この胸の何処かを刺して流れてゆくものがある