藤原道長登場するも…
今は、一条帝の世。
一条帝は、兼家様の二の姫、藤原詮子様のお子様だ。
昨年、突然出家された花山天皇に代わり、皇位につかれた。兼家様は、外祖父で、まだ幼い一条帝の摂政となられた。たいそうな権力をお持ちだが、唯一兼家様に対抗できるのが、左大臣である雅信さま。
藤原の一族は、代々政敵を追い落としてきている。菅原道真公、源高明様など、大宰府に追いやられてしまわれた。
雅信さまは、大丈夫であろうか。
そんな心配をしている折、藤原詮子様より、お文が届いた。
詮子様の弟の道長様と大君の縁談をほのめかしていらっしゃる。
彩乃に聞いてみると、詮子様は弟の道長様をたいそうひいきにしていらっしゃり、よい姫と縁をつないで後ろ盾になる家の婿にしたいと思っておいでだそうだ。
藤原道長!!小学校の教科書でおなじみの貴族ではないか。中学校で摂関政治がどうの、満月のようにかけることがないとか、娘が三人后になったとか習った記憶がある。この名前の人物なら、間違いない。
雅信さまにも打診があったようだ。
ところが、雅信さまは、この縁談が全く気に入らない様子だ。
兼家の後を継ぐのは、長子の道隆だ。有力な兄が3人もいる道長なぞ、たいして出世できそうもない。まだ従四位上になったばかり。だめだ、だめだ。という。
私は、道長様が超上流貴族になることを知っている。知っているのは内緒だが、せっかくの道長様とのご縁、なんとしてでもつながねばならない。