表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/20

プロポーズのお手紙殺到

うーん。この歌、ぱっとしないわね。官位も低いし、出世はできそうにないわ。

父が、村上天皇の大嘗会だいじょうえで和歌を披露して以来、沢山の殿方から文が届くようになった。

よりどりみどり…と言いたいが、どれもこれも心に響くようなものがない。


村上天皇の父である醍醐天皇の母君は、我が家から出仕された。血筋から言っても、和歌の才能から言っても、現在の私は、売り手市場。この機に、よいご縁をつかみたい。


乳母や乳兄弟の彩乃あやのを通じて、よい情報を流し、殿方の情報もつかむ。

和歌を頂いた殿方から、有望な貴公子を三人に絞り込み、お返事をしたためる。

まずは、「そんなことをおっしゃても、わたくしのことなどすぐに飽きてしまわれるのでしょう?」と、気のない素振りのお歌を添える。

相手の使った言葉を取り入れ、縁語や掛詞を使って、知的な女性アピールをする。


さあ、どのように、さらに良い歌にしてお返しになる?

この駆け引きは、なかなか面白かったが、満足できるお相手は、なかなか見つからない。はじめの三人は、あえなく撃沈。


そんなことを何度か繰り返した。


ねえ、彩乃。最近お文があまり来なくなったわね。

「ひめ様があまり技巧に走ったお歌を送られるからですよ。とても自分ではお相手が務まらない、と引いてしまわれるのですわ。」

そうなの?

「もう少し、お手柔らかになさっては?」


うーん。難しいものだ。


そうこうしているうちに、難攻不落のうわさを聞き付け、『腕に覚えあり』の貴公子からのお文が届いた。よし、今度こそ勝負を掛けよう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ