嘆く
俺はたいして面白くもないTVをソファーにだらしなく座りながら見てた。
暇だ、もうかれこれ1週間くらいここに監禁されている。
もうとっくに2学期が始まってる筈なんだが、知らないうちに自主退学になってるらしい。
しかも、ネットへのアクセスも完全に禁止されてる。
一体俺たちが何をしたというんだ。
いやしたけど。
こっぴどく怒られたけども。
何故こうしなければいけないかの事情も説明されたけど。
暇だ。
「暇だぁぁぁ!」
「うるせぇ!」
「うおおおい!」
いきなり後ろから怒鳴り声が聞こえた。
ビックリしてソファーからずり落ちたよ。
後ろを振り向くと筋骨隆々でタンクトップと短パン姿の女の人がいた。
若干茶色がかった髪を後ろで縛っている。
ポニーテールって感じじゃ無く、邪魔だから後ろに纏めてるって感じだ。
印象的には、漫画に出てくるアマゾネスとかそんな感じ。
「お前らはアホな事したから、こんな事になってるんだろうがぁ!」
怖い。
「はい!すいませんでした!弛んでました!」
「まぁまぁまぁ、そんな頭ごなし怒ったら彼も可哀想ですよ」
同じ体格、同じ顔、髪型だけボブカットで違う女性が、アマゾネスの後ろから入ってきた。
「えっと、どちら様で?」
「何だお前、俺たちの事知らないのか?」
あー自分の事俺って呼んじゃう系女子なんだ。
ボクっ子は知ってたけど、オレっ子っているんだなぁ。
「すいません」
とりあえず謝る。
俺は典型的日本人だ。
よく分からない時はとりあえず謝る。
「私たちこれでもA級探索者だから、割と知名度高い方なんだけど」
「勉強不足ですいません」
他の探索者とか全然興味ないから、全く知らなかった。
「チーム戦乙女のケイとレイって言ったら分からねぇか?」
「え、アマゾネスじゃ無くて?」
「てめぇ、言っちゃならねぇ事言ったな!誰が蛮族だ!」
「うわぁぁ、ふぉめんあはい」
いきなり顔掴んで頬っぺたつねられた。
もう1人に助け求めようと見つめるが、ニコニコ笑って一向に止める気配がない。
地味にこっちも怒ってるなこれ。
「イッテェ」
容赦なくつねられた頬っぺたがジンジンする。
「お前らの護衛頼まれた。
しばらく面倒見てやるから、よろしくな」
「え?あ、はい、よろしくお願いしますって、イマイチ事情が分からないんですが」
「あ、私たちは貴女を呼びにきたの」
ショートボブアマゾネスがそう話しかけてきた。
「おっと、そうだったな、須賀さんが呼んでるから、挨拶がてら俺らが呼びに来てやった」
オレっ子アマゾネスがそう補足する。
「ありがとうございます」
とりあえず、お礼言ってそそくさと、須賀さんの所に向かう。
なんだ、付いてくるんだ。
「失礼します」
「おお、だいぶ暇してるみたいだね」
「はい、せめてネット使えればまだ何とかなったんですけど」
「君たちにネット使わせると危険だからね、落ち着くまでは禁止させてもらうよ」
今回の件で完全に信用されなくなった。
「それで、ご用件は?」
「あ、そうそう、やっと君たちが試練の洞窟行く段取りがついてね。
いやぁ、大変だったよ、君たちを護衛してくれる高ランクパーティを急遽探さなければならなくなったからね!」
あ、なんか語気が強くなった。
「なんか、すいません」
「紹介しよう、チーム戦乙女のケイ君とレイ君だ。
双子の姉妹で2人ともバーバリアンという珍しいクラスだ」
「え、やっぱりアマ「あ?」…いえ何でもありません。
よろしくお願いします」
こえーよ。
バーバリアンもクラスチェンジ出来ない特殊職だ。
確か戦闘特化でもの凄い攻撃力とペラペラな防御力っていう、すごい尖ったクラスだったはず。
護衛って大丈夫なんだろうか?
「あのーバーバリアンって護衛向きじゃないクラスじゃなかったでしたっけ?」
「仕方がねぇだろ!俺たち以外他に空いてる奴いなかっただからよ!
それとも何か?俺らじゃ不満だっつーのか?」
「いえ!滅相もありません!光栄でございます!よろしくお願いしまっす!」
なんかよく分からないうちに試練の洞窟攻略の目処がついたらしい。




