トロッコダンジョン 2
突然閲覧数が3倍くらい増えたんですが、何か理由の分かる方います?
俺たちは離れたところで、ドワーフの戦闘を見守る事にした。
「ん?たかし、何してんの?」
「いや、ドワーフの戦闘って珍しいって聞いたんで、録画しておこうかなって思って。
バズりそうだし」
「勝手にあげて良いの?」
「後で彼らに出演許可とれば大丈夫だよ」
俺の質問にゴブゴブさんが答えてくれる。
「取れなかったら?」
「顔にボカシ入れれば大丈夫…僕も撮っておこうかな」
「え?どうしたんですか?」
「なんか不穏な動きに見えるから、後々動画あった方が僕達を守るかもしれない。
ま、保険だね」
そういうとドローンを用意し出した。
不穏な動きって、なんだろう?
ヒカルちゃんがたかしに何かボソボソと話しかけてる。
「あにきー、あの後ろに居る奴勇者らしいっすー、あと前で戦ってるのヒカルに声かけてきた奴らしいっすー」
「言われてみれば、いつもと格好が違うけど勇者君だね」
ゴブゴブさんも勇者だと気づいたらしい。
「あれ?ヒカルちゃんに声かけた人って勇者って揉めてなかった?
仲直りしたのかな?」
「仲良いって雰囲気じゃなさそうだね」
遥香ちゃんの疑問にゴブゴブさんが応える。
よく見ると後ろの3人が全然戦闘に参加しておらず、前の5人だけで戦っていた。
「勇者パーティは3人って聞いてるからね、おそらく後ろの3人が彼のパーティだろうね。
どうも、他のパーティをけしかけているような雰囲気だね。
大きな事故になりそうなら、介入したいんだけど良いかい?」
俺はコクンと頷いて、ウチの子達に警戒させる。
ドワーフは凄まじい勢いで攻撃しており、どう見ても5人組は不利な状況だ。
後ろの3人は何もせずに見ているだけだ。
探索者には戦闘時のルールがあって、基本的には介入はしてはいけない。
探索者は自己責任を重視しており、それには死亡まで含まれている。
それと戦闘後の様々なトラブルが起きる可能性と全滅の二次被害防止などもあり、介入非推奨になってる。
とはいえ、見殺しにするのも人道的に批判が出るので、協会不干渉の上での介入は黙認とされている。
「おそらく後ろ3人と別パーティなんだろうね、それならこのまま、あの5人が死んでも問題にならないからね。
非介入のルールを利用したリンチだね」
ゴブゴブさんの顔が険しい。
無理矢理ここまで連れてきてドワーフに攻撃させて、自分達は協会のルールに従ったので助けませんでしたって言うのか…クズだな。
しかもひと目で勇者って分からないように扮装まで変えて。
「あいつら笑ってるっす、ヒカルが入らなくてよかったっす」
たかしはずっと動画撮ってる。
「遥香ちゃん、千景ちゃん、ヒカルちゃんはドンの後ろに隠れてて」
そう言いながら、健二とたかしに目配せする。
「ゴブゴブさん、介入のタイミング任せて良いですか?」
「分かった」
ゆっくりと近づいていく。
「介入するよ!良いね!」
ゴブゴブさんが一気に近づいて、大声で相手に伝える。
5人組の1人が頷くのを確認してから、テイムしているモンスターを突入させた。
それに続くように俺たちも戦闘に参加する。
「てめぇら、戦闘介入は禁止だろうが!ルール無視してんじゃねぇよ!」
勇者が吠えている。
「非推奨であって、禁止ではない、むしろ瀕死の探索者の救出は人道的には推奨されている!」
ゴブゴブさんも負けてない。
「テイマー風情が反論してくるんじゃねぇよ!」
「君はそれでも勇者かね?バレないようにコソコソと装備変えて、恥ずかしいと思わないかね?」
「うるせぇよ、どいつもこいつも勇者らしくって、俺はクラスが勇者なだけなんだよ!
勇者なんて、好きに生きるのに便利なクラスなだけなんよ!
配信でしか稼げないゴミクラスのテイマーが俺に口出しすんなや!」
「その配信だがね、今のこの現場も録画しているからね、これを証拠にして協会に訴える事もできるんだよ!」
「はっ!生き残れたらの話だろう?」
こちらを馬鹿にしたようにニヤつく。
「ダンジョン内でも探索者を殺害したら、IDに記録残るのは知っているかね?」
こいつのならやりかね無いせいで、ゴブゴブさんもちょっと焦ってる。
「は?お前らだけでドワーフ倒せるのか?やれるもんならやってみろや」
勇者は完全に見下した態度でこちらに言ってきた。
そしてそのままワープゲートから外に出ていった。
気づけば周りにいる探索者は最初に戦っていた5人だけだった。
ダンジョンは戦闘に参加していないパーティはフロアから逃れるが、戦闘に参加してしまうとワープゲートから出られなくなり、階層移動のゲートしか使えなくなる。
しかも、逃げてもモンスターは階層関係なく追ってくる。
このフロアはボス直後のフロアのため上に行けずワープできないので、下に降りるしか無い。
トロッコに乗るのには時間がある程度かかる。
戦闘しながら逃げるのはほぼ不可能である。
なんて言うか、気に入らないパーティを殺すのにこんなに適した場所無いな。
あいつら知ってて、利用したのか?
くっそー、絶対生き残ってやる!




