正しい攻略1
お姉さんから連絡があった。
『候補者見つかったから次来る日教えて』
『いつも通り、週末伺います』
若干業務的だけど、必要以上の連絡は禁止されてるから仕方がない。
当日、ウサギ小屋にやって来た。
「こんにちわ」
「あ、もうすぐ頼んでた人くるよー」
少し取り止めのない話をしていたら、ドアがガラッと開いた。
「どうもー依頼されたゴブゴブですー」
「あ!ゴブゴブさんだ!」
有名チューバーのゴブゴブさんだ!
チューバーってのは配信者のことね。
最初の動画、『ゴブリンをネームドにしてみた』でネームドモンスターにした“ゴブ男”と1人と1匹で配信している。
そんなゴブ男もランク5のゴブリンリーダーになり、レベルもカンストし、やる事もマンネリ化してきて最近視聴数が落ちて来ていた。
「いやー最近は企画もなかなか良いのが出来なくて、困っていたから本当にありがたいよ!
ここでうまくいけば、試練の洞窟に挑戦してみたまで考えているんだよね!」
確かに、バズりそうだし、今回にピッタリの人かもしれない。
早速サファリダンジョンに向かった。
「あーにきー…わ!ゴブゴブさんだ!俺ファンなんです!握手してもらって良いですか!」
たかしは今日も通常営業だ。
「こ、こ、こんにちわ、えっと、あの、兎月遥香って言います!よろしくお願いしまシュ!」
遥香ちゃんがめっちゃ緊張している。
「今日は同じパーティで行動するんだから、もっとフレンドリーで居てもらうと助かるな!」
さすが爽やか系チューバーのゴブゴブさんだ。
歯がキラって光った気がした。
ダンジョンに入るろうとすると、ゴブゴブさんがここでオープニングを撮るって言い出した。
しかも、俺たちも出演するらしい。
その時重要な事に気がついた。
「あ!俺たちパーティ名無い!」
「本当です!ウサギと愉快な仲間たちとかどうですか?」
あ、遥香ちゃんの中ではウサギがメインなんだね、知ってたけどなんか寂しい、うん、大丈夫、僕は強く生きるよ。
「え、なんかダサく無いっすか?ブレイクボンバーとかどうです?」
ウチの何処にブレイク要素があって、何処にボンバー要素があるんだ?
「とりあえず、『ラッキーフット』幸運の足って名前にしよう」
「あ、良いですね!」
お、はるかに好感触だ!
「さすがあにきっす」
お前なんも考えて無いだろ。
「お、準備出来たかな、じゃあオープニング撮ろうか」
「は、はいぃ」
「はい!始まりましたゴブゴブチャンネル!今日はいつもとちょっと趣向が違います!
スペシャルなゲストをお迎えしております!
はい!自己紹介どうぞ!」
「は、はひぃ!ご紹介に預かりました!バニーじゃなくてハニーじゃなくてラビッ…えっと幸運の足でラッキーフットの俊輔でひゅ!ふぉめんなさい!噛んでしまいますた」
「これ生配信じゃ無いから後で編集するから、気楽に行きましょう!」
ゴブゴブさん優しい。
「はい、ご紹介にあ、あ、あずかりました!ラッキーフットの俊輔です!」
「はいオッケー、じゃあ他のメンバー紹介もしましょうか」
「あ、ポーターの遥香です」
「舎弟のたかしです!」
ちょっ、おい、待てよ!
「テイマーなのに人数多いね、経験値とかは大丈夫なのかな?」
「あ、私はポーターなので、時々レベル上げさせて貰えれば充分ですので」
え?めっちゃレベル上げ気を使ってるはずだけど
「へーちなみにレベルは?」
「あっ、すいません撮り直して貰って良いですか?」
「はい、良いですよ、ではどうぞ」
「俊輔さんがすごい気を使ってくれていて、うまく調整してくれているので大丈夫です!」
「へーちなみにレベルは?」
「48レベルです」
「ん、特別高いってわけじゃ無いけど、確かにテイマーと一緒だとレベル上げ難しいもんね。
どんな職業かも聞いても良い?」
「はい、アルケミストマイスターです」
「えええ!上級職じゃない!一般クラスはなかなかオーブ回って来ないから滅多に上級職にならないのに、君凄いね!」
「あ、俊輔さんが私にって、使ってくれました」
「うわぁぁ、凄いな!オークションに出せば億の金額行くのをパーティメンバーだからって一般職に使うなんて、なかなか出来ないよ!」
「あ、いや、その、金額知らないで使っちゃっただけで」
「あーストップストップ、そこカットね、そういうのは言わなくて良いよ、お金より仲間優先する良い奴って方向の方が炎上しないから、そのつもりでお願いね」
「あ、はい」
「じゃあ、再開するね。
ん、でも、上級職にするなら戦闘職の方が一般的なんだけど、君はレベルいくつなの?」
「あ、自分っすか、57っす」
「おー結構高いじゃない!転職のオーブ欲しくなかったの?」
「欲しかったっすけど、自分舎弟ですから、あ!でもスキルオーブもらったっす!それで全体強化のスキル出たんで、めっちゃありがたいっす!」
「へーちなみにクラスは?」
「魔法戦士っす」
「おークラスチェンジできない特殊職じゃないか!確かに魔法戦士は晩成型だから、100レベル超えてからのスキルに有効なのあるから、200レベルくらいまでは上級職に就かない方がいいね」
「そうなんっすか!さすがアニキっす!ちゃんとわかってるっす!」
いや、自分で使えなかっただけだけど。
「しかも全身強化のスキルでしょ、凄い将来有望じゃない!」
「これも全部アニキのおかげっす!この刀もアニキがくれたっす!」
借りを作りたくなかっただけなんだけど。
カットされるから言わないけど、なんか俺の知らない俺が作られていく気分。




