洞窟
「洞窟だね」
「洞窟ですね」
遥香ちゃんが巨大化したドンから降りる気配がない。
頭にノバを乗せ、周りに無理矢理、リッツ、パル、ルナをはべらせて現在進行形でウサギ満喫中だ。
ここまで一切戦闘してない。
元々2階のモンスターは少ないのもあるけど、いても迂回するようにして最短で山の奥までやってきた。
それで探索してたら、いかにもな洞窟を見つけたわけなんだけど、デカくて広いから遥香ちゃん乗ったままでも探索できるけど、絶対降りないなコレ
とりあえず『モンスターサーチ』
この魔法モンスターがいるかどうかを調べる魔法なんだけど、効果範囲が思っているより狭い。
こういった洞窟なんかだと有効なんだけど、野外に近い広い場所だとほとんど使い道はないんだよね。
モンスターもいないみたいだしこのまま中に移動しよう。
「ウラ!」
特に分岐も無い一本道だったので、真っ直ぐ奥に向かって歩いていた。
リッツが急になんか声出したら、そのまま前方に飛び出した。
キョロキョロと見渡すと、何やら指を差している。
洞窟が通路とすると、そこは通路からホールに繋がる出入り口に当たる場所だ。
そこから一歩出れば、広いホールみたいな場所になる。
うーん、見ても何があるかわからないけど、いかにもボスキャラが出そうな雰囲気だ。
ホールの中央には巨大な円形のステージみたいな盛り上がった場所がある。
絶対あそこからボスモンスター出てくるだろうな。
リッツがわざわざ教えてくれるって事は多分そうなんだろうな。
ドンの巨大化を解除して、臨戦体制に入る。
あと、存在を忘れていたけど、たかしにも一応戦闘体制をとってもらう。
うちの子が強すぎて完全に空気だ。
「よし、行こうか」
そう言って一歩前に出ると、何か透明な膜でもあったのかという感じの独特な感触がした。
そしてステージの上に案の定モンスターがあらわれる。
『モンスタースキャン』
ノーネーム レベル10
ガーディアンオーク ランク3
強さ 50 物理的攻撃力
器用 50 命中率
素早さ19 回避率、移動速度
知性 19 魔法的攻撃力
耐久力50 HP基準値
賢さ 19 MP基準値
HP 50
MP 19
スキル 豪剣術
レベルアップ上昇値 各1、固定上昇値 強3 器用3 耐久力3、ボス補正 各1
ボス補正なんてパラメータあるんだ、知らなかった。
スキルもなんか物騒な名前だな。
こう言う時は瞬殺に限る
遥香ちゃんとたかしの攻撃が当たったのを確認して、一斉攻撃だ!
ステータス差と数の暴力で一気に終わらせる。
正面の壁に魔法陣っぽいものを半分に割ったようなものが浮かび上がる。
「あぁ、コレは猪のボスもいるなぁ、多分両方倒せって事だろうな」
「ドロップ品は魔石とガーディアンオークの剣ですね」
「とりあえず、今日はこのまま帰って、次はボス攻略していこうか?」
「攻略って?」
「コレ、多分何かのギミックだと思うんだよね、じゃないとコイツらがいる意味ないし」
倒さなくて構わないボスって、何か理由なければ存在価値ないしね。
「確かにそうですね」
「各階に居そうじゃない?」
「あ、確かに!」
「それ探していこうと思う」
「はい!わかりました!」
今日は半端な時間だけど切り上げて帰る事にした。
お金の管理とか正直面倒になって来たので、遥香ちゃんに一任する事を提案した。
あっさり断られた。
ガーディアンオークの剣は10万円だった。
思ったより高かった。
半分遥香ちゃんの口座に入れて魔石を2000円で換金する。
随分高いなぁ。
本日は解散!
そのまま家路に着く。
うちは両親が離婚して、親権持ってた母親は彼氏作って蒸発した。
父親に一緒に暮らそう言われたけど、向こうも新しい家庭作ってたから、養育費だけ振り込んで貰って1人暮らししてる。
なので、誰にも気を使わず気楽な生活している。
晩飯は主にカップラーメンなのは仕方がない。
学校も友達もいないし、だからと言っていじめられているわけでもない。
あ、そういえばもう少しで夏休みだなぁ。
それまでに新しいダンジョン行きたいなぁ。
そんなこんなでダンジョン探索の日が来た!
「おはよう」
「おはようございます!」
遥香ちゃんの持ってくるキャリーケースが日に日に大きくなっていく。
今のサイズって遥香ちゃんがキャリーケース引いてるのか、キャリーケースに遥香ちゃんがくっついているのか分からんサイズだな。
「そういえば、遥香ちゃんってレベル上がってなんかスキル覚えてないの?」
「幾つか覚えたんですけど、全部ポーションを作るスキルなんですが、ここじゃ必要なさそうで」
「どんなポーション?」
「回復と解毒と麻痺解除、対麻痺と対毒です」
「あー確かにウチじゃ今の所需要無さそうだね」
「はいー」
「よし、気を取り直してダンジョン行こうか?」
「はい!」
そう言ってゲートに向かうと、後ろから声がした。
「待ってー置いてかないでー」
あ、たかし忘れてた




