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この訓練所は非常に優秀だ。
どんな素早い攻撃でも反応するし、この一撃で終わるというダメージ量も瞬時に判断できる。
毒などのスリップダメージでもちゃんと対応してくれる。
しかし、唯一対応出来ないのが即死である。
これだけは、死のタイミングで割り込めない。
その為出来たのが、優先権ルールだ。
アクティブなら即死攻撃をやめる、パッシブならその者を戦闘に参加させない代わりに、戦闘の優先権を与えると言うルールである。
お互いの人数差かける5秒、反撃をせずにいなければならない。
このルールを利用したのがテイマー対人術だ。
テイムモンスターに即死攻撃のモンスターを置く、優先権を使わせる。
優先権を使わないんじゃないかって話も出たが、実際に戦う時に絶対死なないとわずかでも即死するで即死を選べる人は少ない。
偶然当たったダメージにもならない攻撃がスキル発動したら死ぬのである。
仮にそれが0.1%くらいの確率でも、100発当たれば10%になる、1000発当たればほぼ100%になる。
余程じゃない限り優先権を発動する。
この時テイムモンスターは人数として数えられない。
所詮テイマーという認識があるし、個人の能力が低いテイマーを守ろうという意識も働いて、テイマーのモンスターを数えないルールはこのまま正式に認められた。
と、ネットに書いてあった。
今回だと、20秒俺は一方的に攻撃できる。
まさかボーパルバニーが戦闘力が1番低いなんて思ってないだろうな。
ノバ レベル1
デスティニーラビット ランク5
強さ 98 物理的攻撃力
器用 99 命中率
素早さ104 回避率、移動速度
知性 98 魔法的攻撃力
耐久力98 HP基準値
賢さ 98 MP基準値
HP 98
MP 98
スキル ラビットダッシュ
体当たり
身を守る
ウィークポイント
パラライズ
ピンポイント
ハッピーバレル①
アンハッピーバレル①
積み上げる不幸①
積み上げる幸運①
運命の扉
リッツ レベル1
スマイルプリティラビット ランク3
強さ 55 物理的攻撃力
器用 51 命中率
素早さ56 回避率、移動速度
知性 53 魔法的攻撃力
耐久力57 HP基準値
賢さ 53 MP基準値
HP 57
MP 53
スキル ラビットダッシュ
体当たり
身を守る
膨む
スマイル
鳴く
パル レベル1
ボーパルバニー ランク4
強さ 15 物理的攻撃力
器用 1 命中率
素早さ15 回避率、移動速度
知性 1 魔法的攻撃力
耐久力 1 HP基準値
賢さ 1 MP基準値
HP 1
MP 1
スキル ラビットダッシュ
即死の一撃
身を潜ませる
俺はキャリーケースからノバ達を出す。
「ギャハハハハ!なんだあのウサギ!ボーパルバニー以外雑魚じゃねぇか!」
見た目ならそうなるよな。
ノバは相変わらずサイズ変わらずだし、リッツに至っては角もなくなってむしろ小さくなっている。
どちらも手乗りサイズの角無しウサギにしか見えない。
笑い声を聞きながら、俺はノバ達に意識を向けていた。
スキルの効果確認したいな。
そうだ、ピンポイントって単純に弱点に攻撃してクリティカルしやすくするだけじゃなく、足だけとか部位破壊的な事出来るのかな?
ノバ出来る?
思念を送ってみると、出来るって感じの意思が伝わって来た。
リッツは鳴くってのやってみて。
あとはすぐに倒すの面白くないから、腕と足潰してジワジワ攻めよう。
戦闘力だけ無くして痛い目にあってもらう。
相手は俺と同じくらいなレベル帯のはず、ならどんなにステータスが大きくても俺の倍くらいなはず。
こいつら2匹が20秒好き勝手に暴れたら、持たないだろうな。
作戦内容的には、『全力で痛ぶろう!』で。
まぁ、正直かなりムカついてるし、今後のためにも見せしめになってもらおうと思う。
戦闘が始まった。
最初の行動は意外にもリッツだった。
「ヤァァァハァァァ!」
鳴き声のスキルらしい。
なんか想像してた鳴き声と違った。
あ、これバフだ!
えーっと30%くらいステータス上がった!
次は行動を遅らせていたノバが一瞬で距離を詰め1人目の足の骨を砕く。
折るじゃない砕く。
とんでもない音がして関節のない部分があっても曲げられない方向に曲がっている。
俺も出来る事しないと!
「テイムリンク!」
これはテイマーも持っているスキル。
って言うか、この系統のスキルがあるのでテイマーはモンスターの数を自重出来ないまである。
テイムリンクはバフスキルで、戦闘参加中のテイムモンスターの数×その時のランクの総和%ステータス上昇を行う。
これを活用する為、戦闘に参加させないのにわざわざボーパルバニーも出して、戦闘参加扱いにしたんだし。
これで3匹×12で36%のステータス上昇、さっきのリッツのと合わせれば6割以上のステータス向上がある。
ノバがよく分からないスピードで相手を制圧してしまった。
あと、9秒もあるのに。
2秒で両足砕いていった感じかな。
あ、リッツが膨らんだ!
へー初めてみた!
そのままジャンプして、相手にぶつかるんだー。
膨らんだ方が威力上がるんだろうな。
あ、よく見たら全員麻痺してるじゃん。
ピンポイントにパラライズ乗せれるんだなぁ。
でも、どうしよう?
パラライズ中相手は負けを認められないや。
ノバ!パラライズは使わないように!
思念を送ったら、分かってって意思が帰ってきた。
あーでも困ったなぁー、これ相手ギブアップするまで暇だな。
「すいません、これってルール今から変えられないですかね?」
近くのギャラリーに聞いてみる。
「お互いの合意を得ないと無理だな」
「そっかー」
戦闘が終われば完治するらしいけど、戦闘中は折れたり取れたりしても直さないらしい。
出血でさえ、致死量近くまでは止まらないらしい。
「まいったなーこれどうやって相手の負けを認めさせればいいんだ?」
とりあえず2匹には戻って来てもらって…うおおお!ノバとリッツで手首から先引きちぎった!
「ストップ!もういい!戻ってこい!」
うわ、手は持ってこなくて良いって!
戦闘力無くすには手をちぎるのが1番って意思が伝わってきた。
あー、戦闘力無くせって言った俺が悪いのかぁ。