表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チェイン  作者: 旅人
13/37

友達の作り方

「どうかした?」


サリアが少し呆けていたので質問する。


彼女は首を振ると


「昔の事を思い出してただけよ」


昔の事か、そういえば彼女と出会った時は色々大変だったな。


まぁでも全部どうでも良かったからスルーしたけど。彼女にも興味無かったし。


それにしても、思い出すな。初めてサリアに負けた時のこと。


彼女は今もあの時の目をしていた。


==========================================


俺は何度も家に来ては勝負を挑んでくる少女に利用価値を見出していた。


カードゲームをする時、最も大変な事…それは対戦相手探しである。


前世の世界でも対面でカードをする時一番苦労したのが対戦相手探しだ。


そして俺はこちらの世界でも対面で対戦してくれる相手を探していた。


そんな時に現れたのがこいつだ。最初は手下を連れて俺に喧嘩を仕掛けてきたがフルボッコにした。そして嫌がらせをしていたらしいが大した事なかった。


俺はカードゲームの事以外、割とどうでもいい。靴が無くなろうが裸の写真を撮られようがチェインをするのに支障は無い。


最悪、腕の一本位許容範囲内だ。


しかし、彼女はそんな些細な事で俺に罪悪感を抱いたらしく家に謝罪に来た。


その後、俺に負けたのがそんなに悔しかったのか何日もチェインを挑んでくる様になった。


これを利用し、俺の都合のいい対戦相手に仕立て上げてしまおうと考えた。自分の道徳心と葛藤しようとしたが天使も悪魔も現れなかった。


俺のデッキを渡して都合の良い知識だけ教えて俺の為の都合の良い対戦相手を作り上げる事が出来た。


しかし、ある時想定外の出来事が起きた。


彼女も人間だ。人間は成長する生き物。


それを体現する様に彼女は俺に勝った。


最初は信じられなかった。しかし、現に俺は負けている。別に手を抜いていた訳では無い。気を抜いていたと言えばそうかもしれないが、それでも負けるとは思わなかった。


彼女はやり切った顔で自慢気に笑みを浮かべていた。


何が彼女を変えたのか分からないが、俺は彼女に対する認識を改めた。彼女は都合の良い対戦相手マシーンでは無く列記とした強者であり…カードゲーマーだ。


俺はこの世界に来て初めて人に興味を持った。


「君、名前は?」


「サリア・コンティノールよ。あんたは?」


「リアン・ミーサーク」


俺に友達が出来た瞬間である。


==========================================


さて…始めようか、この世界で初めて認めた、唯一の()()よ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ