091_前提となる環境が違うのよその舞台。
吾輩は悪役令嬢である、名前は、硝子の仮面が横にひび割れたので、今日もない。
あてくしの能力についての覚書よ、能力というか前提?常識?かしら?
この世界に転生してきて驚いたのは、
誰も精神的な障壁を常時展開していないことよ、無意識の脆弱性?
好きなように干渉できるフィールドなのよ、無防備なのよここ。
そもそも悪役を気取るのであるならば、
洗脳催眠記憶操作思考誘導の技術くらい、前提条件、常識案件、基本性能で、
なくってよ?
そこが全くの無警戒で成り立つ環境なんて、緩いというかなんというか、無謀よ?
相互の自我領域やら、人格領域が、
共通思考領域やら、集合的無意識やらの概念は存在するものの、
そこからのアクセスやら信号を無条件に受け入れてしまうような、
ざるな回路はどうしたというのでしょう?
はっきり言って、うちの国の乳幼児以下よ?
新生児でも本能的に障壁を張っているわよ?
よく自我が成り立っているわね、この状態で、
それともここでは混ざり合っているこれを自我と呼ぶのかしら?
赤子の手をひねる方が簡単ね、
どうにでもできるのよ、心?みたいなものを自由に操れるのよ、
かろうじて、術に催眠やら洗脳やら思考誘導やらの技があるけど、
なぜに、遠回りするのよ、脳みそに物理的に干渉してどうするのよ?
情報そのものを操る方が、簡単でしょうに、
必要な位置に必要なものを必要な力で放てば、
大体、思い通りになるわよね、
というか、どうして、情報層に直接干渉しないのよ?
と疑問に思ったのだけれども、すぐにわかったわ、
ここは歪なのよ、確率的に混沌を規定しない、観測しないことで、
莫大なエネルギーやら資源を得ている、物理的に超越している一方で、
情報に関する基本的なあれこれが、見出されていないか忘れられているかしてるのよね。
逆にそこを忘れさせることによって、
リソースを節約している可能性はあるのよね、
情報系の障壁とそのせめぎ合いが常道化する環境では、
確かにかなりの資源を消費せざるを得ないわけではあるから。
そこを大胆に切り捨てることによって、社会的な、
環境的なリソースを確保しようとした、のかもしれないわね、
かなりのばくち打ちよ、というか、そこを利用する環境適応生物、存在?
が、いきなりは出現しない、封じ込めているという、流れもあったのかもしれないわね。
ところがどっこい、そこにあてくしが来たのよね、
情報を、息をするように、集合的無意識的な領域を、泳ぎ回り、
絶対的な強者として食い荒らして君臨できるような存在である、
そしてそれに対して精神的なためらいを持たない、悪役令嬢である、あてくしが。
まあ、勝負にならないわね、この環境に現出した時点で、終わっているのよ。
今日はここまでね。




