プロローグ
あの日、俺は気が付くと、白い天井を見ていた。病院と気付くのに、大して時間はかからなかった。白衣を着た男性やら、看護師やらが居たからだ。
「目が覚めたかい?灯堂君。僕は君の担当医の浜田って言うんだ。体の調子はどうかな?」
白衣を着た男性―――浜田さんは、俺に名乗ってから体調を聞いてきた。
「はい、なんか変な感じです。自分の体じゃないような感じで、違和感があるっていうか…」
俺がこう言うと、浜田さんは何か言いづらそうな顔をした。なんなんだろうか。もしかして、俺は難病にでもなったのだろうか。不安になった俺は、浜田さんに聞いてみた。
「あの……俺、変な病気にでもなったんですか?」
「いや…そうじゃないんだけど…病気といえば病気…かな」
「(病気といえば病気?どういう事だ?)」
浜田さんの言葉に、俺は混乱した。
「…灯堂君、今から言う事を落ち着いて聞いて欲しい。いいね?」
浜田さんが突然、真剣な眼をして聞いてきた。だから俺も真剣に頷いた。
「灯堂薫君、信じられないかもしれかいが、君は……………女の子になったんだ」
「―――え?」
浜田さんの言った事は、俺の予想を遥かに上回る事だった。