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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

【ヤンデレ】のキャラクターを【ヤンデレ】ではなく【キチガイ】にしてしまう例文

2つの例文がありますが、どちらもヒロインは【ヤンデレ】ではなく【キチガイ】です。

例文を読んだ後で、【キチガイ】である理由を見るとヒロインが【キチガイ】である理由に納得すると思います。

 人がいない小さな公園に龍崎久留美と馬鹿の虎川は来た。龍崎久留美は馬鹿の虎川の正面に立って、持っていたバッグから7枚の写真を取り出し、こう言った。


「大輝くん。こいつら……誰?」


 声に少し怒りを感じた馬鹿の虎川は7枚の写真を見た。


 1枚目の写真には喫茶店で馬鹿の虎川の隣に座っているギャルっぽい女の子。


 2枚目の写真にはアニメショップで馬鹿の虎川と一緒にライトノベルを見ている眼鏡をかけた女の子。


 3枚目の写真には神社で馬鹿の虎川と一緒に参拝をしている身長の高い女の子。


 4枚目の写真にはラーメン屋で馬鹿の虎川の隣に座っている大人の女性。


 5枚目の写真には電車内で馬鹿の虎川と一緒に景色を見ているポニーテールの女の子。


 6枚目の写真には◯◯高校の運動場で馬鹿の虎川の頭を叩いている女の子。


 7枚目の写真には馬鹿の虎川の部屋を窓から見ている女の子。


 以上の7枚が龍崎久留美が出した写真である。馬鹿の虎川は笑顔だけど怒りが混じった笑顔をしている龍崎久留美に一切ぶれずに説明を始めた。


「俺と喫茶店にいる女の子は春香ちゃん。俺とアニメショップにいる女の子は佳奈ちゃん。俺と神社にいる女の子は美結ちゃん。俺と電車にいる女の子は志歩ちゃん。俺の高校で俺を叩いてる女の子は綾乃ちゃん。ラーメン屋の女と俺の部屋を見ている女は知らない。あと、春香ちゃんと佳奈ちゃんと美結ちゃんと志歩ちゃんは久留美さんとは別の俺の彼女だ」


 だが、突然、龍崎久留美から笑顔が消えた。怒りの混じった真顔になっていた。そんな龍崎久留美に馬鹿の虎川は一切ぶれずに「ん~? どうしたぁ?」と言った。すると、龍崎久留美はなんとか冷静さを保ちながら聞いた。


「私以外にも……彼女が……いるの?」

「うん」

「なん……でなんで私以外の女を彼女にしたの?」

「可愛かったから」

「そんなの……私の方が」

「まあね。俺の彼女で一番可愛いのは久留美さんだ。だが、それはこの世界でだけの事だ」

「え? ……それってどういう事?」

「俺の彼女で一番可愛いのはなぁ」


 馬鹿の虎川はそう言うと、スマートフォンを取り出した。そして「この俺の妹だぜ!!」と言った。その妹は恋愛ゲームのヒロインである。馬鹿の虎川が部屋の中で相手していた女の子だ。


 そんな事を聞かされた龍崎久留美は馬鹿の虎川に「ちょっとそのスマホ……貸して」と言った。馬鹿の虎川は「それは出来ない。この中には俺の妹であり、将来の嫁がいるのだからな!!」と言って渡さなかった。すると、龍崎久留美は「そっ……か」と言って、バッグから包丁、ではなく、小刀を取り出した。そして、馬鹿の虎川に言う。


「そのスマホ。今から斬るから……貸して」

「嫌だね! 俺の将来の嫁を殺す気だな! させん!!」


 馬鹿の虎川は逃げた。しかし、龍崎久留美は小刀をナイフのように投げ、馬鹿の虎川のスマートフォンを貫通した。馬鹿の虎川のスマートフォンは壊れた。馬鹿の虎川は自身のスマートフォンが壊れた事に気づくと、振り替えって龍崎久留美の方を見た。


「おのれぇぇぇ!! 龍崎久留美ぃぃぃ!! ゆるさんぞぉぉぉ!!」


 馬鹿の虎川はぶちギレた。しかし、龍崎久留美は落ち着いた表情で言う。


「私は大輝くんを傷つけたりはしないよ。だけど、私以外の大輝くんの彼女はみんな殺さないとね。……大輝くん。少し待ってて」


 龍崎久留美は公園を出て行こうとするが、馬鹿の虎川は龍崎久留美を止めた。そして、馬鹿の虎川は言う。


「行かせはせんぞ! どうしても行きたければ! 俺を倒してからにしろぉぉぉ!!」


 突然きた、王道なのか邪道なのかわからない展開。しかし、龍崎久留美は「ダメ……大輝くんが傷ついちゃう」と言い、馬鹿の虎川から離れようとする。だが、馬鹿の虎川は「なにぃ!? 俺が負ける前提で話しを進めているな! そうはいかん! 俺が勝つからなあ!!」と言って、龍崎久留美に立ち向かった。


 夜の公園で龍崎久留美と馬鹿の虎川の戦いが始まった。








 それから9秒後。馬鹿の虎川はうつ伏せになっていた。


「くっそぉぉぉ!! 俺の負けだぁ!! 龍崎久留美!! お前よくも俺の股間こかんを蹴けったな!」

「だ……だって、その方が終わらせやすかったし…」


 龍崎久留美は馬鹿の虎川に言った。


「大輝くん。私以外の大輝くんの彼女は殺すからね。俺を倒してからにしろってさっき言ったけど、倒したから……ね。だから」

「……構わん。行いけ」

「……うん。わかった」


 馬鹿の虎川の発言で、龍崎久留美は龍崎久留美以外の馬鹿の虎川の彼女を殺しに行った。







 しかし、龍崎久留美による殺人事件が起きる事は無かった。なぜなら、警察を来た。ということではなく、龍崎久留美が最初に向かったのが馬鹿の虎川の彼女ではない綾乃の所だったのだが、やたら身体能力の高い綾乃にコテンパンにされたからである。


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 上記の文。主人公は馬鹿の虎川でヒロインが龍崎久留美である。


 龍崎久留美を【ヤンデレ】ではなく【キチガイ】にしている点。

 馬鹿の虎川が龍崎久留美の異常な行動に対して全く恐れていない。(主人公がヤンデレヒロインに対して恐れをいだく事でヒロインの引き立てる)

 馬鹿の虎川が浮気したことをこれっぽっちも悪いと思っていない。(主人公はヤンデレヒロインを怒らせる事をした時は謝らなければならない)

 龍崎久留美がどこぞの馬の骨に敗北している。(ヤンデレヒロインは主人公にもそれ以外の輩にも勝利するべきである)

 敗北した馬鹿の虎川がどこぞの馬の骨が殺されそうになっているのをなんとも思っていない。(主人公がキチガイだとヤンデレヒロインも巻き添えでキチガイになってしまう)


 はっきり言うと、魅力的な【ヤンデレ】を求めて上記の文を読んだら、読んだ全員ががっかりするでしょう。魅力のかけらも無いのですから。


 馬鹿の虎川がストーリーを台無しにしたのです。


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「あれ? まだ8時だよ?」


 金曜日の朝。

 自分の彼女の美姫(みき)が家を出ようとする自分を止めた。


「朝礼の前に準備があるんだ」


 自分の職場の朝礼は8時半。自分の家から職場までは10分程度でつくので、いつもは8時15分に家を出ている。だが、今日は担当の場所で準備があるためいつもより早く家を出るのだ。


「そんな! あと10分だけいてよ! お願い!」

「なんでだよ?」

(あきら)くんと少しでも長くいたいの。ダメ?」

「ダメ。いってきます」

「待って晃く――」


 美姫の発言を聞き終わる前に自分は扉を閉めた。自転車に乗り、職場に向かった。ちなみに自分の職場は金属を扱う工事である。




 仕事は17時半で終わるのだが、そこから残業、後始末、掃除などをしているうちに気づけば19時である。タイムカードを押した後、自転車を置いている駐車場に来た。そこにいた職場の先輩としばらくおしゃべりしてから自転車に乗って帰った。

 家についたら19時半過ぎだった。


「ただいま」


 美姫の返事は無い。家の中は真っ暗である。


「美姫ぃ。いないのかぁ?」


 美姫の返事は無い。


「……出掛けてんのか。……カップ麺でも食べよ」


 自分は台所にある大きめのカップ麺を取った。麺多めの豚骨味である。

 その時、階段から降りる音が聞こえた。その後、「待って!」という声が聞こえた。美姫の声だ。


「いたのか。もうふた開けちゃったよ」

「っ……! 部屋にくらい来てくれてもいいじゃん……」

「えぇ……。暗かったから出掛けてると思ったんだよ。仕方ないだろ」

「……待ってたのに……」

「え?」

「6時前には帰ってくると思ってずっと待ってたのに! なのに帰って来たのは7時半過ぎってどういうことなの!?」

「残業だよ」

「……は? ざ、残業って……。そ、そんなに仕事が大事なの?」

「そんなの当たり前じゃないか。仕事はきっちり済まさないとな」

「…………」


 涙目になる美姫。自分は美姫がなぜそんな表情するのか分からなかった。とりあえず、カップ麺の中の小さな袋を取り出して、かやくと粉末スープを入れてお湯を注いだ。


「美姫。どのカップ麺にするんだ?」


 自分は美姫のぶんのカップ麺も選ぶことにした。


「……デートして」

「ん? デート? カップ麺は?」

「明日1日中私とデートして!」

「それは無理だ。明日も出勤だからな」

「えっ!!? ちょ、ちょっと待ってよ! 明日は土曜日だよ!?」

「うん。上司に頼まれてな。明日も仕事になった。人手が足りないそうだ」

「…………」


 うつむく美姫。自分は様子がおかしい美姫に対して、「美姫。カップ麺どれにするんだ?」と聞いた。

 すると美姫は自分の目の前に来て、


「晃くんはさ! 私と仕事どっちが大事なの!?」


 王道なセリフをはいた美姫。それに対して自分は、


「そんな事言われても……。仕事は生活の一部だからなくてはならないものなんだ」

「なら私は? 私は晃くんにとってなくてはならないもの? そうだよね!? ね!?」

「美姫はちょっとした癒し的な存在だ」


 ちょっと恥ずかしい事言っちゃった自分。とりあえず美姫のカップ麺を選ぼうとした。すると、美姫は近くにあったトンカチを手に持って自分に近づいてきた。


「ちょっとした……なんて……私はその程度の存在だなんて嫌だ!!」

「ん? はっ!!」


 美姫は自分の右手をトンカチで強く叩いた。


「痛い! 何をする!」


 しかし、美姫は自分の右手、右腕、左手、左腕を何度も叩いた。




 自分は両手、両腕を骨折してしまった。つまり、仕事ができなくなってしまった。


「美姫! 仕事に行けない! どうしてくれる!」

「それで良いんだよ……。これで私と晃くんは一緒にいられるんだから……」


 自分に抱きついてくる美姫。抵抗しようにも両手、両腕が使えないため、抵抗できなかった。


 次の日の土曜日。それどころか来週の月曜日以降も仕事に行けなかった。


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 上記の文。主人公は晃でヒロインが美姫である。


 美姫を【ヤンデレ】ではなく【キチガイ】にしている点。

 美姫の行動が晃の両手、両腕を骨折させるだけでとてもしょうもない。(ヤンデレヒロインならもっと大胆にいくべきである)

 晃がカップ麺というワードを頻繁に出すなど、空気を読めていないところがある。(ヤンデレヒロイン相手に空気を読めないのはヤンデレヒロインの魅力を減らす)

 「仕事と私どっちが大事なの!?」という美姫の発言に対しての晃の発言が地味過ぎる。(ヤンデレヒロインがそのような発言をした時は王道のセリフで返すべきである)


 上記の文では誰も満足しないでしょう。不満だらけで後味が悪くなるだけです。

ありがとうございました。

あらすじに貼っておいたエッセイもよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] …これだと、作者さんの好みのヤンデレ小説のあり方を説明してるだけでヒロインがヤンデレでないとは言えない気がする。 “好み”に関しては自分も同意出来る所が多々あったが、ただそれだけではあ…
2021/08/17 23:45 通りすがりの古代からはいないヤンデレ好き
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