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探偵の異世界生活  作者: わふ
第二部 創世始動編
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九十七話 エレナとの通信

 

「……それで、俺達をここへ連れてきたのは何故だ?」


 あれから暫く経った後、ゼノが口を開く。


「ふむ、そう言えば、まだその理由を聞いていなかった。答えて貰おうか」

「ああ、そうだったな。アグレ、お前昨日、あの裏路地で白髪の奴と殺り合ってただろ?」


 見ていたのか……。


「サリルか。そいつの話か? だったら、お前の言う通り一戦交えた。自分達があの場所へ来たら、あいつが待ってて……」


 ……そうか、ルカが自分達をここへ連れてきた理由が分かった気がする。


「もしかして、自分達をここへ連れてきた理由は……」

「そうだ。あの十二番が俺達の居場所を嗅ぎつけ、あの場所を見張っている。その可能性を確かめたかったからだ。まさか、そいつと戦っていた奴がアグレ、お前とは思っていなかったがな」

「そうか……お前のそれは杞憂だ。何故かは分からんが、今頃になって自分は、あいつらに命を狙われている。あのサリルって奴は、その為の刺客だ。お前らの居場所を知っている訳では無いだろう」

「命を……じゃああいつがあの場所で見張っていたのは、お前がそこへ来ると予想しての事だったのか?」

「そうだろうな……」


 だが、何かが引っ掛かる……はっきりとはしないが……。


「アリス、アグレが創世の騎士団に狙われている理由は分かるか?」


 ルカがアリスに訊く。


「すみません、私は今の騎士団の状況を良く知らないので……想像ですけど、騎士団の情報を漏らさない為の口封じ、かと……」

「自分もそれを考えたが、可能性は低い。第1、自分を殺しただけで、口封じにはならない。騎士団の情報は今や、パンドラの箱全体に知れ渡っている。その事は当然、相手も知っているだろう」

「あんた1人を狙うのは不自然……と言う訳か……」


 ゼノの言う通りだ。

 創世の騎士団の存在は、パンドラの箱じゃなくても、知っている者は居る。

 この中で言えば、スリーナイトであるステラが例に挙がる。


「……少し、席を外す」


 自分はそう言って、席を立つ。


「何処に行くのだ?」

「エレナに連絡してくる。これで」


 そう言って、携帯型通信機を見せる。


「オリバー・アークライト博士が作った携帯型通信機……でしたら、1度この領域から出てくださいなのです。ここからじゃ繋がらないので。これを持っていくのです」


 アリスから魔術師の腕輪を受け取る。


「予備なのです。アグレさんは今、魔法を使えない状態だと思うので。使い方は腕輪を掲げて、使いたい呪文を唱えるだけなのです。ただし、使える回数は限りがあるのです。10回程使用すると、また魔力を貯め直さないと使えないので、注意してくださいなのです」

「分かった。それじゃあ、直ぐに戻る」


 自分は家を出て、あの魔法陣の場所へと向かう。


「……しかし、この場所があそこだとは、到底思えないな……」


 ここの景色を眺めながら1人呟き、魔法陣の場所へとやって来た。


「……あの地へ導け、メタスタシス」


 魔術師の腕輪を掲げ、そう唱えると、足元から魔法陣が浮かび上がり、元のあの裏路地へと転移した。


「……無事に転移出来たみたいだな……外はもう夜か……」


 空を見ると、日が落ちていた。

 自分は携帯型通信機で、エレナに通信する。


「……アグレだ、今の状況を伝える」

『ほう、アグレか。リゼから聞いたぞ、そっちは何やら大変な事になっているようじゃな』

「ああ、大変と言う一言では済ませないくらいにな……」


 自分は今までにあった事を伝えた。


『……そうか、アリスを見つけたか……行方不明だった、お主の友人二人も……』

「……自分はアリス・ガルシアをどうすればいい?」

『それはお主が決めるんじゃ、アグレ・サリヴァン。例え、アリスの話が本当だとしても、生かすも、殺すもお主次第。判断は委ねる』

「……何故だ。何故自分に委ねる?」

『お主が当事者だからじゃ。他に意味は無い。彼奴の行いを許せるのなら生かす、許せないのなら殺す。お主はこれだけ考えて決めれば良い。後の責任は全てわしが持つ。クラリネットとか言う小娘も、わしが絶対に治してやる。分かったな?』

「……じゃあ――」


 自分がそれを告げると、エレナは驚いていたが、直ぐに普通の声色へと戻る。


『……お主がそれを悔いが無いと思うのなら選べ。ただ、わしがそこにおったら間違いなく止めるじゃろうな』

「何故だ?」

『お主はわしの友人だからじゃ』

「……」

『わしはお主らを部下だとは思った事は1度もない。だから、その選択肢は成る可く選ばないで欲しいとわしは思う』


 ……参ったな。


『それでも、選ぶんじゃったら、もう何も言わん。だが、これだけは覚えていてくれ。お主の居場所はここにある……それだけじゃ』

「……分かった、覚えておこう」


 ……悪いな、エレナ。それでも自分は……。


『……それはそうと、雷帝の奴と無事に合流出来たみたいじゃな』

「無事とは言い難いがな……あいつを寄越したって事は……」

『うむ、彼奴の姿が王国で目撃されたとの報告が入った。注意するんじゃ。奴が帝国にいると言う事は、きっとお主を追って、王国に来たに違いない。それにお主は今、王国全域に指名手配されておる』


 指名手配……まあ当然と言えば当然だ。


「分かった、慎重に動く。騎士団の目もある暫くは聖堂に戻れないと、リゼに伝えてくれ」

『了解じゃ。くれぐれも気を付けるんじゃぞ?』

「ああ、分かっている」


 エレナとの通信を切り、再び魔法を唱えて、あの場所へと戻った。


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