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探偵の異世界生活  作者: わふ
第二部 創世始動編
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八十一話 ギムレー魔法学校

 

「じゃあ師匠達はここ三年、帝国に居たって事?」


 歩きながら二人に、三年間何をしていたかと聞かれたので、帝国に戻っていたと言った。


「だから、あれから師匠が村に来なかったんだな」

「直ぐにまた立ち寄ると言っていたが、約束を守れなくて悪かったな。急な用事が出来て、帝国に戻らないといけなかったんだ」

「確か師匠の出身って、帝国だったよな。用事って家の事か?」

「そんなところだ」

「それだったら仕方ないよ。家族は皆大事だからね」

「まぁ、師匠だったら、他の理由でも俺達は全然許すけどな」

「それもそうだねー」


 ふ、こいつらも全く変わらないな。

 今日は懐かしい奴らに会うが、全員が全員、身体的な変化以外、良い意味で変化が無い。昔のままだ。


「お前達、今は学校の寮で寝泊まりしているんだろう?」

「そうだよ」

「村に居た頃、都会に住みたいと言っていたが、ここでの暮らしはどうだ?」

「うーん、それがなぁ……」


 レオは浮かない表情で答えようとする。


「何か、王都の暮らしに不満があるのか?」

「ううん、そこに関しては不満は無いんだよ。欲しい物も大体は中古通りで買えるし。建物なんかも綺麗だし。特に初めて来た時は驚いたわ。駅前からでも見えるでっかい、綺麗な城があったからね」


 レティが言っているのは、王都の中央にある、アウルム城の事だ。

 アウルム城はこの国の王、テオドール・ド・アルパベーラ、そしてその王妃、エリザベス・ド・アルパベーラが居住する城だ。

 アウルム城は帝都のラバンディエ宮に目劣りしないくらいには立派で、正にこの国の核となる、王を護る砦として相応しい。

 駅前から中央通りを北に進めば、アウルム城へと辿り着く。


「じゃあ、他に不満があるのか?」

「……もしかして、学校での人間関係、とか?」

「ノーラにしては鋭いわね。師匠、モルガン家って知ってる?」

「モルガン家……公爵家のか?」

「そうそう。そのモルガン家の息子のデーヴィッド・モルガンが同じ学年、同じクラスに居てさー」


 ……なるほど、そういう事か。


「そのデーヴィッドって奴が、お前達のクラスで好き勝手やっているのか?」

「あ、気付いた? モルガン家って、学校側に資金援助してるんだよなー。だから、デーヴィッドは『僕に逆らったら父さんに頼んで、この学校への援助を断ち切ってやる!』とか言って、学校側を脅してやりたい放題なんだよ」


 やはりな。

 モルガン家は平民からの評判は最悪だ。安易に予想がつく。


「具体的にはどういう事されてるの?」

「色々ね。一番多いのは、平民いびり。金が無い貧乏人だとか、負け犬だとか。毎日そんな事ばっかり言われたわ。まぁ、今は夏季休暇中だから、あいつとは会わないけどね」

「酷いね……」


 王国の身分制度は、どの国よりも影響が大きい。

 二人が村に居た頃、見返してやろうとした相手も貴族だった。

 理由は、今回と同じ様な事だ。


「あーあ、どうせなら、共和国の学校に通いたかったなー。あの国だったら身分制度が無いし」

「俺達、大人になったら絶対王国を出て、共和国に行ってやる!」

「そうね、冒険者になってね! その為にも、師匠に剣の稽古をつけて貰わないと!」

「おう! だから師匠、早く行こうぜ!」


 二人は歩くペースを上げる。


「アグレさん! 二人に剣の稽古、しっかりつけてあげてね!」

「あ、ああ……」


 何故、ノーラもやる気になっているんだ……。

 ……何はともあれ、他にも二人と話をしながら、魔法学校へと向かった。


「相変わらず、大きいねー」


 魔法学校に到着し、校門前で立ち止まる。

 先程、レティが言った通り、今は夏季休暇中らしい。

 午後三時過ぎにしては生徒の数が少ない。


「二人共! 何処に行っていたの!?」


 ……一人の女子生徒が、そう声を上げながらこちらに近付いてくる。

 透き通った白い肌に、整った顔立ち。金色の髪をカチューシャ編みにした女子生徒が。

 スタイルも抜群、この学校のマドンナ的存在だろう。


「げっ、エフィ……」

「こ、これは……ははは……」


 二人は落ち着かない様子で、女子生徒と話す。


「今日は私の部屋で、勉強を教わる約束してたわよね? それなのに、何時まで経っても来ないから、もしかしたらと思って、見に来たら、また約束放ったらかして街に行って……」

「いやぁ……ちょっと忘れちまってて……」

「そうそう! 今行く所だったのよ!」

「……はぁ、全く……」


 女子生徒は溜息をつきながら、自分とノーラの方を見る。


「それで、そちらの方は?」

「自分はアグレ・サリヴァン、こっちがノーラ・ルイス。こいつらとの関係は、知り合いと言ったところだ」

「……そうですか。私はこの学校の1年生、エフィ・パウエル、二人とは同じクラスで友人です。以後、お見知り置きを」


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