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探偵の異世界生活  作者: わふ
第二部 創世始動編
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七十七話 思わぬ遭遇

 

 中央通りに到着し、特に何も無い場所で二人が立ち止まる。


「怪盗アルセーヌは三日前の夜、中央通りの建物の屋根の上を駆けているところを目撃されたらしい」


 ネハルムはそう言って屋根の上を見る。


「何故だ?」

「ううん、そこまでは。でも、目撃した人が言うには、この街の南東の方に向かってたって!」

「この街の南東か……そっちは確か何も無かった筈だが」


 あるのは、人気の無い裏路地だけだ。それに加え、殆ど通路と化している。


「……ふむ、一度行ってみるか」


 自分は二人にそう提案する。

 もしかしたら、怪盗アルセーヌはその何の変哲もない裏路地に何か意味を見出しているのかもしれない。


「そうだな、ここで突っ立ていても埒が明かない。行ってみよう」

「だね! 行ってみたら何か分かるかもしれないし!」


 という訳で、自分達は王都の南東へと移動した。

 南東の路地裏はさっきも言った通り人気が無く、静かな場所だ。

 何かないかと探しながら、裏路地を進み、少し開けた場所に出る。


「ひえー、やっぱり不気味な場所だね」

「周りの建物で陽の光が遮られているから尚更だな……この壁は何だ?」


 ネハルムが近くに聳え立つ壁に手を着く。


「それは防御壁だ。この街の境目に沿って、囲むように建てられている」

「つまりここは、王都エルドラドの最南東という訳か」

「そうだ。いつの間にか、街の端に来てしまったな」


 だが困った。ここに来るまで、本当に何も無かった。

 つまり無駄足、あるいはもう1度、この裏路地を調べ直しと言う事だ。


「結局、何も無かったね……これからどうするの?」


 もう1度調べ直すか、今日は一旦切り上げるか………。


「――驚きデスネ、貴方方がここに来るトハ」


 自分達が話し合っている時、背後から声が聞こえ、咄嗟に振り返る。

 この声、この喋り方……。

 近くの建物の屋根の上に、そいつは、サリルは居た。


「っ、ラグナロクの使徒!」


 ネハルムは銃を引き抜き、銃口をサリルに向ける。

 それに対し、そんな事はお構い無しと言ったように、全く動じずにサリルは屋根から飛び降り、自分達の前に降り立つ。


「昨日の今日で、また現れるとは結構な事だな。死神」

「エエ、まぁ、貴方を殺すのが目的デスカラ」


 そう言って、サリルは持っていた大鎌を構える。


「早速やる気か……ノーラ、お前は下がってろ」

「うんっ!」


 いつも通りにノーラを背後に下がらせ、太刀を引き抜く。リゼから受け取った、ヒイイロカネの太刀を。

 そして、刀身に炎を纏わせる。


「ナルホド……前回よりは楽しめそう、デス……!」


 サリルはそう言うと同時に一歩踏み出し、高速で距離を詰めて大鎌を振る。

 速いが、目で追えない程じゃない。それを太刀で受け止める。


「甘いデス」

「っ!」


 サリルに太刀を弾かれ、構えを乱す。その隙に背後を取られ、鎌を振り下ろそうとする。


「させるかっ!」


 ネハルムが腰からバトンを引き抜き、サリルに向かって攻撃する。

 サリルはそれを軽々と回避し、一旦距離を置く。


「悪い、助かった。お前はそのまま、自分の援護に回ってくれ」

「了解だ!」

「よし、行くぞっ!」


 自分はサリルへと駆けて行く。


「疾影大太刀流一の型、閃電!」


 高速で太刀を振る。だが、当たり前のようにサリルは上に飛び上がって躱し、自分の頭上で大鎌を振り下ろす。


「三の型、飛翔影!」


 自分も飛び上がり、鎌を受け止める。


「二の型、重撃影!」


 そして、鎌に刀身を掛け、サリルごと地に押し落とす。

 サリルは鎌から手を離し、受身を取り、再び距離を置く。


「……イイ調子デス」


 サリルが右手を伸ばすと、鎌が吸い付く様に奴の手元へと戻っていった。


「……お前、手を抜いているな?」

「ハイ」


 あの魔法を使っていないから、まさかとは思ったが……。

 ふざけた事をしやがる。


「何故だ?」

「直ぐに貴方を殺してしまっては、意味が無いからデス」


 完璧に舐められてるな。


「全力で来い。そんなんじゃ、自分を殺せないぞ」

「ソノ様デスネ、ワカリマシタ。ココからは全力で。ソノ代わり、貴方も全力で来てクダサイ。デなければ……」

「直ぐに殺してしまう、だろう?」

「ハイ」

「分かった。自分も全力で行こう」

「フフ、それで良いデス」


 太刀に纏わしていた炎を消し、目を閉じて神経を集中させる。

 そろそろ使える筈だ。あれを。

 魔力を腕に、足に、体全体に……。

 ……行ける。使える。纏える……!


「はぁぁぁぁ!」

「コレハ……」


 魔力が集まってくるのが分かる。

 よし、行くぞっ!


「はぁ! 魔力武装!」


 成功だ。


「マサカ、こんなものを持っていたトハ……コレハ期待出来そうデス……!」

「な、何だ、この威圧感は……」


 ネハルムが驚きの声を上げる。


「……来い、死神。ここでケリをつけてやる」

「フフ、良いでショウ。何処までついて来れマス、カ……?」


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