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探偵の異世界生活  作者: わふ
第二部 創世始動編
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六十七話 爪の魔獣戦

 

 魔獣の右手の爪攻撃を太刀で防ぎ、弾く。すぐさま振り下ろされる左手の攻撃も弾き、攻撃に転じる。


「疾影大太刀流、一の型閃雷!」


 太刀で魔獣の胴を攻撃し、背後へと回り込む。


「二の型、重撃影」


 続けて飛び上がり、脳天から斬り下げる。

 だが、魔獣は少し怯むだけだった。

 魔獣は体を反転させ、再び爪で攻撃する。それを先程と同様に弾く。


「っ……」


 次の瞬間、魔獣の姿が目の前から消えていた。いや、いつの間にか背後に回り込まれていた。

 魔獣は自分の顔目掛けて、爪を振り下ろす。


「っ……ちっ」


 全力で躱すが、頬に擦り傷を負う。間を置かずに、もう片方の爪の攻撃が迫る。

 今度は完璧に反応し、難なく攻撃を弾く。すると、また魔獣の姿が消え、今度は左から姿を現す。

 またまた、太刀で攻撃を弾く。

 そしてまた姿を消し、別の方向から攻撃を仕掛けられる。

 それからも背後、左、右、背後、右、左、上……と連続で移動して、力任せに爪の攻撃を。

 それ等を全てをなんとか、弾き続ける。

 これは……空間属性の魔法『ワープムーブ』か。

 移動出来る距離はたかが一メートル程だが、あたかも消えた様に、範囲内なら何処でも瞬時に移動出来る魔法だ。

 まさか魔獣が使ってくるとは……なるほど、これが軍が手に負えなかった理由か。

 この巨体で、こうも素早く動かれたら厄介だ。

 だが、この程度なら感じ取れる。魔獣の気配が。

 ワープムーブは完全に気配を消せない。気配を感じ取って、移動した瞬間を一気に叩く。

 攻撃を弾きながら、魔獣の気配に集中する。

 ――――後ろだ。

 魔獣が背後に移動した瞬間、太刀の柄で思いっきり、魔獣の顔面を地面に叩き付ける。


「疾影大太刀流、三の型、飛翔影!」


 太刀で魔獣の体を空中に斬り上げ、自分も空中に飛ぶ。


「二の型、重撃影!」


 そこから、一気に魔獣を地面に叩き落とす。


「終わりだ」


 魔獣が体勢を崩して、地面に這いつくばっているところで、太刀の鋒を魔獣の首に力いっぱい突き刺す。

 魔獣は断末魔を上げ、体から力が抜ける。やがて、魔獣の体は灰のようになって、消え去った。

 それを確認して、太刀を鞘に仕舞う。


「アグレさん、やったね!」


 離れていたノーラが、こちらに駆け寄って来る。


「途中、見ててハラハラしたよー。でもやっぱり流石だね、アグレさんは」

「これぐらい普通だ。だが、少し手こずってしまった。失態だ」

「んー、いっつも思うけど、アグレさんはもっと喜んでもいいと思うけどなー」


 いや、この程度の魔獣を倒して、一々喜んでいられない。

 自分はこれぐらい、いとも簡単に倒せなければいけない。


「慢心はしていられない。いつも、死と隣り合わせだからな」

「アグレさんってほんと肩苦しいよね……まぁ、それがアグレさんらしいって言うか……」

「つべこべ言ってないで、報告に戻るぞ」


 ぶつぶつと言っているノーラにそう言って、村の方向へと歩く。


「あ、待ってよ!」


 それからは何事も無く、村に辿り着き、陸軍支部へと報告に行った。


「……まさかこんなに早く、あの魔獣を討伐するとは……」


 アーチーは魔獣討伐の報告を受けて、驚く。


「……仕事は以上か?」

「あ、ああ……それで、君達はこれからどうするんだ?」

「今すぐに村を出発す――」

「アグレさんっ! や・く・そ・く!」


 ノーラが食い気味でそう言い放つ。

 ああ、そうだった。ノーラと約束していた。この件が終わったら、この村で一息つこうと。


「この村で一泊する予定だ。ここのところ、戦い続きでな」

「それなら、こちらで村の宿の部屋を取ろう」

「いいのか?」

「ああ。依頼の報酬は既に報酬を受け取っていると聞いているから、我々にはこれぐらいの事しか出来ないが」

「いや、充分だ。頼む」

「分かった……アグレ・サリヴァン、本当に感謝する」

「気にするな、これが仕事だ」

「そうか……」


 それから自分達は、アーチー達に取ってもらった村の宿で一泊する事にした。


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