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探偵の異世界生活  作者: わふ
第一部 学校生活編
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二十八話 探索

 

「ね、ねぇ、エリカ。一応聞くけど、この場所には来たことあるの?」

「ううん、無いよ。それにこんな場所村に無いし……」


 一体何処なんだここは……。普通に考えてみれば、俺達はあの裂け目に吸い込まれてここに来た、つまりここはあの裂け目の中ということになる。


「ま、こんな禍々しい色をしてる場所なわけねぇよな」


 落ち着いた様子の でアッシュが辺りを見渡す。


「ず、随分落ち着いてるね。アッシュは怖くないの?」


 こちらは打って変わってたどたどしい様子のクロウがそう聞いた。


「慌てても仕方ねぇだろ。それより早いとこ出口探そうぜ」

「で、出口?」


 アリッサも落ち着かない様子でそう聞く。


「ああ。ここは何処なのか知らねぇが、見た限りやべぇ所に違いねぇからな。そうだよな、エリー?」

「そうだね。アッシュの言う通り出口か、脱出方法を探した方がいいよ」

「だよな。じゃ、早速行こうぜ」


 アッシュは真っ直ぐと伸びた石畳の道を歩いて行く。

 俺もアッシュに続き、後をついて行く。


「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」


 まだ落ち着かない様子のアリッサとクロウも、慌ててついて来る。

 それから数十分程長い道を歩き続けたが、同じ景色が続き、道の終わり見えてこない。


「はぁ、どんだけ長いんだよ、この道」

「ほんとに出口なんてあるのかしら?」

「えぇ……不吉なこと言わないでよ。ただでさえ不気味な場所なのに……」


 さっきから三人の無駄口を聞かされながら果ての見えない道を歩いていた。

 本当にこの調子で出口を見つけられるんだろうか……。

 そう思っていた時、前方に何かの影が見えた気がした。


「わっ……急に立ち止まってどうしたの?」


 俺の後ろを歩いていたクロウが、立ち止まった俺にぶつかる。

 それに釣られ、アッシュとアリッサも歩みを止める。


「おい、一体どうしたんだ?」


 俺はアッシュに返事を返さず、その影をじっと見る。

 影は段々と姿を顕にする。


「前方に何かいる」


 俺の言葉に三人もそれに視線を集める。

 影の正体は紫色の毛をした狼だった。


「魔獣!?」

「どうやらそうらしいな。しかも三体もお出ましだ」


 俺達はそれぞれ武器を取り出す。


「お前ら、魔獣との戦闘経験は?」

「残念だけど、一回も無いわ」

「僕は二、三回だけ……」

「私は無いよ」

「そうか……ならいつも通り……」


 アッシュがそう言いかけた時、それを俺は慌てて止める。


「待って、今回は私に前衛をやらせて」

「は? お前何言って……」

「お願い、前線での戦いを経験しておきたいの」


 俺はこの魔獣との戦いで、少しでも前衛慣れしておきたかった。

 この先、あの時のような戦いに遭遇するかもしれない。

 そう思った俺は、そう申し出た。


「……ったく、わっーたよ。中間試験の時みたいに足引っ張られちゃ困るしな、少しでも慣れとけ。それにいつも作戦を決めてるのはエリーだ。お前さんの指示に従うぜ」

「ありがとう……それじゃあ行くよ!」


 三人が頷いたのを確認して、鞘から刀を引き抜く。

 すると俺達を敵と認識したのか、狼型の魔獣が勢いよく飛びかかってくる。

 それを軽々と右に躱し、首元から尻尾にかけて、胴体を斬る。

 魔獣は悲鳴を上げて、ばたりと地面に倒れ落ちる。

 間をおくことなく、二体、三体目と次々に飛びかかってくる。

 それらも危なげなく左に右へと躱し、魔獣の胴に刀身を走らせる。


「へぇ、やるじゃねぇーか」


 俺が敵を撃破したのを確認してから、アッシュが近付いてくる。


「待って! まだだよ!」


 俺が刀を鞘に仕舞おうとした時、後方にいるクロウが声を上げる。

 クロウの方を見ると、後ろから先程と同じ種類の魔獣が来ていた。


「くそっ、逃げるぞ!」


 俺はアッシュの提案に頷き、先を急ぐ。

 俺達は魔獣に追いかけられながら、走って道を駆け抜ける。

 だが前にも魔獣の群れが現れ、道を塞ぐ。


「ちっ、前からもかよ! どうするよ!?」

「このまま倒して、駆け抜けよう!」

「あいよ!」


 俺とアッシュが先陣をきり、魔獣へと突っ込む。


 先程と同じく特に苦労もせず魔獣を撃破して、再び走り出す。

 それからも魔獣を撃破しながら道を進む。


「ねぇ、あそこ、何か見えるわよ!」


 アリッサが走り進んでいた方向の先を指さす。そこには何か塔のようなものが見えた。


「どうする? 入ってみる?」

「うん、入ってみよう。他に行ける所も無さそうだし」


 俺達は塔らしき建物へと入って行く。その建物の中は、少し開けた空間があり、天井が見えない程高い吹き抜けのような場所だった。


「行き止まりだな……」


 その建物は入ってきた所以外に出入口は無かった。


「うーん、何か仕掛けがあるの――皆、下がって!」

「え!?」


 俺は危険を感知し、皆を後ろへ下がらせる。

 すると地面に魔法陣が現れ、そこから首が三つある、高さ五メートル程の犬の魔獣が現れる。さしずめ、ケルベロスと言ったところか。


「また新手かよ……!」

「気を付けて、こいつは他のとは違うよ!」


 俺達は武器を構え直し、ケルベロスと対峙する。


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