表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
探偵の異世界生活  作者: わふ
第二部 創世始動編
101/127

百話 罪

 

 地下へ向かうと、相変わらずアリス・ガルシアは機会を弄っていた。


「おい」


 そこに背後から声を掛ける。


「あ……来てくれたのですか……」

「お前が呼び出したんだろう」

「あ、そうでしたね……まさか、来てくれるなんて思って無かったので……」


 ……そうだな、自分でも信じられない程、素直に来たと思う。


「それで、話と言うのは――」

「自分の体について……もっと言えば魔力武装について、そうなんだろう?」

「……その通りなのです。アグレさん、あの時こう言ってましたよね? 魔力武装状態を維持出来るのは数分って」

「ああ、確かに言った」

「実は通常、魔力武装はもっと長い時間、約数時間は維持出来るのです」


 なるほど。だからあの時、こいつは妙な反応を示したのか。


「そうか……ずっと疑問だった。数分しか使えない力で創世の騎士団は納得するのか、と。だが、お前の話でやっと合点がいった。本来は、数時間維持出来る力だったんだな」

「そうなのです。アグレさんは何らかの原因で、その力を数分しか維持出来ない状態なのです。なので、アグレさんの体を調べさせて欲しいのです。もしかしたら、本来の力を引き出せるかも……上手くいけば、力自体を無くす事も……」


 この力をか……もう無意味だが……。


「どうしますか?」

「……やってくれ」

「分かったのです。では、そちらのベッドに服を脱いで、横になってください。あ、上半身だけで大丈夫ですので……あっち向いてますね……」


 アリス・ガルシアは背を向ける。

 自分は武器と上着、上の服を脱ぎ、ベッドに横になる。


「良いぞ」

「は、はい……では……」


 アリス・ガルシアはこちらを向き、病院の検査等で使われる、心電図電極パッドの様な物を自分の体に貼り付ける。


「暫くそのままにしておいて下さい」


 そして、機械を操作し始める。


「…………なあ、聞いてもいいか?」


 そんなそいつの背中に、静かに話し掛ける。


「? はいです」

「もう一つ、疑問に思っていた事があるんだ。あの時何で、自分を引き取ったんだ? 自分を迎え入れた時から、事件に使おうと思っていたのか?」


 その疑問をぶつけた時、そいつのキーボードを叩く手が一瞬止まった。

 だが、直ぐに手を動かした。

 そして少し経った後、答えが帰ってきた。


「……その時はまだ、そんな考えは微塵も持って無かったのです。貴方を実験体に利用しようとしたのは、咄嗟の決断でした……結論から言うと、ただ助けたい、その思いからなのです。それ以外は全く考えて無かったのです。ですが、失敗出来ないと言う焦りから、貴方を……すみません、都合の良い話ですよね……」

「そうだな……だが、それが真実なんだろう?」

「はいです……」

「ならもう何も言わない。真実から目を背けたくは無いからな」


 これが最後だ、受け止めよう。


「話してくれてありがとう。少し安心した、最初から裏切られて無くて、良かったとな」

「アグレさん、貴方は……すみません。私の過ちは一生かけてでも」

「そうか。なら頼みがある。今、王都で起こっている事件が終息したら――――」


 自分は頼みを伝えた。


「――え? そんなの……いくら何でも聞けないのですよ!」


 アリス・ガルシアはこちらを向く。


「頼む、自分はどうしても創世の騎士団が許せない。あいつらを捕まえるのには、お前の力が必要なんだ」

「で、でも……私は……分かり……ました……」

「ああ、お前はそうやって頷くだけでいい。罪は全部自分が背負う」

「……いえ、それは私が背負います。それも込みで頼みなのです」


 ……こいつ……。


「……ああ、ありがとう……アリス」

「! ……はい……!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ