第1話 【性転換】 1
よろしくおねがいします。
黒影魔導学園の学園長室にはかつてないほどの緊迫した雰囲気が漂う……!
ピカリと光る坊主頭にしゃれた顎髭を生やし、偉そうに腰掛ける学園長。
そして、学園長に対面する形で直立する落ち着かない表情の青年。
「へぇー、君が騎士新太ねぇ。聞くところによると入学試験で『前代未聞の成績』をとったらしいねぇ」
「そ、そんなひどかったんでしょうか俺の成績は!?」
青年の名は、騎士新太。
今年、念願の黒影魔導学園にて入学試験に挑み、見事に玉砕。
しかし本日の朝、一本の電話によって学園長室に招待を受け、今に至るのであった。
「そうだなぁ……」
顎髭をそりそりと手で撫でつつ手元の資料に目を通す学園長。
(うわぁ……めっちゃ資料見てるよこの人。絶対これ俺の成績だよな? 確か前代未聞とか言ってたし……もう最悪だ)
新太は顔を真っ赤にしながら学園長の次の言葉を待った。
しばらくの静寂と緊張、そして。
「うん、紛れもなくひどいねぇこりゃ!」
(直球で言われたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?)
メンタル崩壊。
瞳がぐるぐると泳ぎ、恥ずかしさのあまり体が宙に浮いてしまいそうになった。
「うぐっ……」
けれども真っ直ぐとこちらを見据える学園長を見て、新太ははっとした。
ならば、なぜ自分は学園長室に呼ばれたのか、と。




