蘇る魂
ここはどこだろう……
ぷかぷかと無機質な暗闇に浮かぶ僕。
身体と外部の境目が曖昧になりつつあり、どこまでが僕の身体なのだろう。
そもそもいつから僕がここに居るのかわからない。
僕は誰だ?
それすらも忘れてしまった。過去と現在が混在し終わりのない世界。
僕は世界とひとつになった。いやそう思い込むこと自体が傲慢なことだろう。
生きているのか、死んでいるのか分からないこの世界から抜け出すにはどうしたらいいのか。
―あらあら、また迷える魂が捕らわれてしまったのね
声が聞こえたような気がした。
―聞こえたようなじゃなくって、あなたの魂に言っているんです!
どことなく怒っているような口調だった。
ーあなたは誰ですか……
僕はそう伝えた。
-私はあなたであなたは私でもある。あなたの戻りたいという意思が作り出した有機思念体です。
ー戻りたい意思?
ーそう、あなたはここに捕らわれる前に戻りたいという意思を生み出した。それが私。私はあなたをもとの世界に戻さなくちゃいけないの。戻りたいよね。
ー分からない。戻るってどこに?
ーそれはあなたのもと居た世界によ。もう後悔させたくないの。いってらっしゃい。
どこから聞こえるのか分からない声は漆黒の闇を照らし、辺りは明かりに包まれた。
そして僕は蘇った。