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一条心

始業式の日は授業もなくそのまま放課後を迎えた。

部活をやっていない俺は、いつもならすぐに家に帰るところなのだが今日はだらだらと教室に居残っていた。

目的は、転入生一条心のパンツを覗くためである。

一条は今、手続きのため職員室にいる。

教室に戻れば他のクラスメートに阻まれてを出す隙が無くなってしまうだろう。

俺が狙える唯一のチャンス、それは職員室から教室へ帰る道中だ。

俺のクラスは、昇降口から離れていてなおかつ近道をしようと思えば普段はあまり人が通らない西階段を使うことになる。

チャンスはそこしかない。

俺は、一条が通りかかるのを西階段が見える廊下の隅でじっと待った。


そこまでして女の子のパンツが見たいかと、呆れる人もいるかもしれない。

俺のことを嫌悪する人もいるだろう。

だが、だからこそ俺は胸を張って言う。


それでも俺はパンツが好きだ。


と。

だいたい、可愛い女の子のパンツを見たくない男などこの世に存在しない。

胸元が少し広く開いていれば、視線はそこに自然と集まるし、短いスカートの女性が電車で目の前に座れば、スマホの画面からチラチラと前を伺い、着物姿の女性のうなじに神秘的な美しさを感じ取るのが男という生物の性なのだ。

逆にこれらの感情、感動を味わったことがないという奴がいれば、それは詐欺師かゲイである。

そもそも、男子に関わらず人間という生き物はダメだと言われればその言いつけを破りたいと考える種族なのだ。

押してはならないボタンは押してしまうし、禁断の恋には溺れ、20歳にならずとも酒を嗜み、開けてはいけない襖を開け鶴の正体を知ってしまう。

これは、人類一万年の歴史が詰まった性質で今更変えようがない。

この、抑圧されたことほどやりたくなってしまう感情とはつまり知識欲の事なのだ。

まだ知らない事をこの手で体験したいという知識欲は、不要なものではなくむしろ人間の進化に大きな影響を与えた。

知識欲無くして、今の社会はあり得ない。


そして、隠されたパンツを覗きたいというこの気持ちもまた知識欲に他ならない。

俺はまだスカートという脆く、そのために絶対的な強さを併せ持つ女性の最終防衛ラインを突破しその下に隠された秘密の花園を見た事がない。

世界一周を初めて成し遂げたマゼラン一向も、エベレストに初めて登ったエドモンド・ヒラリーも、見た事がない場所への旅に身を投じた勇気ある冒険者であり、その行動の根幹にあったのはおそらく誰も見た事がない世界を見たいという思いなのだろう。

見た事がないものを自らの目で見たいと思うのは、果たして下劣な事なのだろうか?品位にかける事なのだろうか?最低な行いなのだろうか?

答えは否だ。

それは賞賛されるべき名誉なのだ。


そこに、世界一周もエベレストもパンツも関係ない。優劣は存在しないのだ。

なぜならその全てが勇気ある行動によってのみ達成される事だからである。

何人も俺の行いを笑う事はできない。もし、そんな人がいるとするならばそれは俺よりも先にその花園へ辿り伝いたものだけだろう。


と、そうこうしているうちに遠くから一条心が歩いてくるのが見えてきた。

周りに人気はない。遠くから吹奏楽部の音出しとノックを受ける球児の掛け声だけが聞こえてくる。

あと、俺の心臓の鼓動がドクンドクンと鼓動にまで伝わってきた。

なぜか口が乾き、息が荒くなった。

落ち着け、たまたま通りかかった風を装わないと怪しまれるぞ。

自分に言い聞かせ、音が出ないように深呼吸する。

一条心が階段に一歩足を乗せた。同時に歩き出す俺。

一条心との差は階段五段分。

ベストだ。あとは俺の力で一条心のスカートをめくり上げれば、俺の目の前に何にも隠されないパンツが露わになる。

もしこの光景を誰かに見られても、俺はただの幸運な男子に見えるはずだ。なぜなら、俺の力で捲れあがったスカートは風に巻き上げられたスカートと同じに見えるはずだからだ。


よし。やるぞ。


少し力を使っただけで、スカートは風も無いのにふわりと浮き上がった。

膝まであったスカートに隠れていた一条心の生足が露わになる。健康的な白い肌の太ももはモデルというよりもアスリートのように引き締まっている。


あと少し。


俺がそう思った瞬間信じられない事が起った。それまで平然と階段を登っていた一条心が急に立ち止まり振り返ったのだ。

一条心を見上げていた俺とおらを見下ろす一条心の目線が、ぴったりと合った。

あまりに突然の出来事に、目をそらす事もできずただ立ち尽くすしかなかった。

立ち尽くしながら、俺は何が起こったのか整理しようとした。

俺の悪戯がばれたのか?いや、本人にも気付かれないようにスカートを持ち上げたからそれは無いはずだ。仮にスカートが持ち上がった事に気づいたとしても、俺の位置から一条心のスカートに手が届か無いのは一目見ればわかる事。俺が疑われる余地は無いはずだ。

ならなぜ、一条心は俺の事をこんなにも強く睨みつけているんだ?

俺が一条心の後ろに付いたのはほんの数秒前。あとをつけられていると考られるほどの時間でも無い。ほんの一瞬のことだ。

なのに、その一瞬で一条心は振り返った。


しかし、俺を本当に驚かせたのは一条心が振り返りざまに発したこの台詞だった。


「逢沢信一だな。お前が特別な力を持っていることを私は知っている」


そう言い放った一条心の右目は、不気味な緑の光を秘めて輝いていた。










パンツを見たいと言う発言、どこまでギャグで済んで、どこから犯罪臭がし出すのかその間合いをうまく取らないとな、とおもいます。

今晩中にもう一話投稿します。

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