悲鳴の手前
一部(ではないかもしれない。もっと広範囲かも)ライトノベルファンの方の機嫌を損ねるかもしれない記述を含みます。
今、ぼくはなにを考えているんだろうか? どんなアイデアを持っているんだろうか?
下敷きに起こせる範囲で起こしてみよう。
とてもよく見える眼鏡がある。
なんでも透けて見える眼鏡だ。
かけてみる。
なにが見えるんだろうか?
ショートショートには、なりそうかな?
それとも、これで既にショートショート?
サン・テクジュペリ?、金子みすず?、的?。
見えないものが見える?、か。是非、見てみたいもんだ。
ついでに、聞こえないものも聞いてみたいもんだ。
ネットゲーム。
こうくると、いかにもライトノベルっぽいテーマではある。
主人公は、ネットの世界では、カッコよくて(もしくはかわいくて)、モテモテで、最強で、向かうとこ敵なし。おまけに、(プチ)ハーレムなんかつくったり(出来てたり)している。
こうくると、さらにラノベ的だ。
だけど、ぼくが興味がある、書きたいのはそういうんじゃない。
リアル。現実社会の主人公だ。
彼(もしくは彼女)が必ずしも容姿端麗とは限らないし、引きこもりで、社会的にはむしろクズだかダメダメで、むちゃくちゃなヘビーゲーマー=ネトゲ廃人である可能性の方が高いと思うのだが。だって、社会にまともに向き合えないから仮想空間に現実逃避して、そこに浸りきっているわけであって、そんなんが背景にあったりして、長時間プレイしてたりしないと、それなりの経験値なんて稼げないし、レアアイテムとか、装備なんて手に入らないから、そんなに強くはなれないだろ。課金とかあるだろうが、基本時間かけないと。超強いとなると、超ゲームやりこんでないと駄目だろう。普通に考えて。それはもはやネトゲ廃人以外の何者でもないかぎり不可能ではないか、と考えるのだが。間違っているだろうか?
ネットゲームの世界を舞台にしたライトノベルはあるだろうが、そのアバターを操るのが、現実社会では不適合者でネトゲ廃人とくるとどうだろう? こんな主人公を描いた作品は未だにないような気がするのだが。
もしこんなものを書き上げて応募するとしたらどこに応募したらいいんだろ?
一応、ぼくにも、このサイトの主流であるいわゆる異世界もののアイデアもないわけでもない。ただし、ぼくがアイデアとして持っているそれは、従来のものとはまったく異なる。そう、まったく違うものだ。
ぼくの構想にあるそれは、その物語では、転生した先の異世界というのが、普通なら現世として扱われる世界で、普通なら転生した先の剣と魔法の世界、来世として扱われる世界こそが、その物語では前世なのだ。そう、王道をゆく異世界ものとはまったく逆なのである。
主人公はこの手の小説では極めてありがちな、モテモテチートの最強勇者様かそれに比肩するスペシャル・ワン(By ジョゼ・モウリーニョ)だ。ただし、前世では、である。本来いるべき世界では模範的なジス・イズ・ラノベ主人公なのだが、転生先の、剣も魔法も存在しない現実社会(敢えてそう呼ばせてもらう)ではザコでモブでしかないという設定だ。なにしろ、超得意なある種の暴力(剣とか魔法を使っての)を振り回す機会がないのだから。キャーキャー言われまくってて、ちやほやもてはやされるのが当たり前の、それに慣れてしまっているチーターにとってはさぞかしファンタジーからはかけ離れた〝異世界〟は不愉快で苦痛なこったろう。反社会的なクズにたちまちのうちに転げ落ちてゆくなんていうのはどうだろうか?
うん、いい感じ。
少なくとも、いわゆる冒険者として、ありがちなRPGみたいな大冒険をやらせるよりは。少なくとも、経験値がどうこう、レベルがどうこうと、剣やら魔法やらで何かを殺したり、殺しまくったりするよりは。
ついでに言えば、オマージュとしてよりもパロディとして、この作品にムダに長いタイトルをつけるのもありかなあとは思っている。
ただし問題がないわけでもない。
もしこんなものを書き上げて応募するとしたらどこに応募したらいいんだろ?
そういや、さっきもそんなこと言ってたような気がする。デジャブか? それに、だいぶ敵をつくってしまったような気もしないでもない。
ロンドンのクラブで会ったイタリア系ブラジル人が言っていた。
「女性というのは古いコンロに似ている。火を点けるも難しいが、いったん火が点いたらその火加減をするのはもっと大変だ」と。
うーん・・・・・・。
大学時代はいくらかぼくをまともな人間にしてくれた。
僅かだか友人が出来たし、初めて彼女と呼べる人が出来た。
初カノ。こんなクズのどこを好きになってくれたの? 一時的な気の迷いだったとしても、どこを好きでいてくれたの? 自分でさえこんな奴なんか好きじゃないのに。未だにそうだし。元いじめられっ子のヒッキーだったって話と直結しそうで、結局は訊けなかったけど。思い出したくなかったし、話したくなかったし、なによりも聞かせたくなかったから。知られたくなかったんだ。
ぼくだって女性には興味はあった、というより、好きだったよ。それなりには。すっごく苦手なのに。だけど、当時はどうやったら親しくなれるのかわからなかった、というよりも、女性に限らず、人間全般に対する接し方そのものがわからなかった。わからなくなっていた。「株を守る」しか、狩猟方法を知らないハンター―そんな者をそもそもハンターと呼べるのかどうかとも思うのだが―だった。最初に声をかけてくれたのは、君からだったし、こんな奴に「好きだから、付き合って欲しい」なんて言ってくれたのも君だったね。それを聞いた時には、我が耳を疑ったよ。夢を見ているのかと思ったよ。ていうか、そうとしか考えられなかったよ。
いろいろなものをくれてありがとう。結局、ぼくはなにもお返しできなかったね。ごめんね。本当にごめん。君のことは絶対死ぬまで忘れないよ。
アルツハイマーとかでなければ、決して消えたりなんかしない。
実はそこまで生きてる自信はないんだけど。
初カノか・・・・・・。
本当に優しい良い娘だったな・・・・・・。
なんで別れちゃったんだろ?
もう、昔の話だけど。
・・・馬鹿だったね・・・・・・。
・・・今でも馬鹿か・・・・・・。
・・・進歩ねえなあ・・・・・・。
今頃、彼女はパンツを脱いで、大股を開いて、喜んで媚態を曝しているのだろう。
どこかの空の下で。ぼくではない誰かの前で。ぼくが最も見せたくない姿を。ぼくにだけ見せて欲しい姿を。自分の意志で嬉しそうに。
ラブラブらしい。今の彼氏に。
あの娘がどこかの誰かと身体を重ねている・・・。
せつない。
だけど、それが現実だ。
ぼくにはどこの誰だか知らないその彼氏に取って代われるだけの魅力はない。富と権力。無縁でしょ? この安月給。女性は愛を―特に純愛を―謳うのが好きだけど、実際はシビアだよ。相当に。マジ超現実的だよ。謳っていることがメインじゃない。むしろ、違う。明後日の方向だったりする。そのためにセックスするんだと思う。「愛してる」って言うんだと思う。言わせるんだと思う。出来るだけ長く、気持ちよく、快く生き続けたいと思うのは本能でしょ? その方がより良い環境に自分の遺伝子を残せるもの。生物ってそうあるべきもの(利己的な遺伝子【リチャード・ドーキンス】)じゃない
「彼女を他の誰よりも愛している」ってだけじゃダメなんだよ。それじゃ、ただの片思いなんだよね。ある者はそこからストーカーになったりもする。悲痛で惨めなだけなんだ。
「彼女に必要とされたい、誰よりも愛して欲しい」と、悶絶するほど思ってる。だけど、ぼくにはそうされるだけの要素はないんだ。
ないよ。
皆無じゃない。君には。
凄く嫌な気持ちに浸るしかないんだよ。お前じゃ。己の無力さにせいぜいうちのめされているがいい。テメエを呪うしかないんだよ。
ストーカーとかになるつもりもないんじゃね。
はは、自虐的。
これが今現在のお前の恋愛観? 女性観?
汚れちまった悲しみに(中原中也)。




