Cannibalism
愛してるから君の全てが欲しいんです。
愛してるから君を触れさせたくないんです。
私以外には。
あぁ、そんな顔しないで下さい。
痛くないですから。
ね?
大丈夫です。
君も私が好きなんだから問題ありませんよ。
大丈夫。
優しくします。
私と一つになりましょう。
ぎゅっと君に抱きつくの。
そしたら体温が混ざりあってさらに愛しくなる。
そして髪の首筋に牙をむくの。
柔らかい肉に歯を差し込んで、溢れ出てくる液体は啜っていく。
ヴァンパイアっていうのはこんな感じなのかしら。
そんなことを考えてしまう。
君の抵抗で二の腕や背中に君の爪痕が残る。
それも愛しいのだけれど。
もう少し待ってね、君と一緒になるために。
ゆっくりゆっくり、君を味わうように時間をかける。
どれくらい経ったのだろうか。
君の抵抗は小さくなって、君の一部が次々に私の中に取り込まれていく。
ペロリと傷を舐めれば白い物体。
あぁ、ここまで深く取り込めた。
笑いが込み上げてくる。
君はもう私のもの。
君の全ては私のもの。
骨の髄まで残さず食べてあげる。
いただきますと手を合わせて、私は君を取り込んでゆくの。