2.予測と実践
文章量がどのくらいが適正なのかよくわからないので、区切りよさそうなところで適当に区切ってます。
文章量に差がある場合も今後考えられますが、温かい目でよろしくお願いします。
屋根も壁も無いようなところで寝たので、朝日の眩しさで目が覚めた。
まあ普段の生活から見れば、暗くなった位で寝るなんてことまず無いから、日の出と同時に目が覚めても不思議じゃないか。
そして、空気のベッドは存外寝心地が良く、体はすこぶる快調だ。
青い精霊に水を出して貰い、顔を洗う。
昨日と同じように木の実で簡単に食事を済ます。
はっきり言って栄養的には全然足らないが、動物性タンパク質を摂取するにはありとあらゆるものが足りない。
この世界に来た時に鞄は行方不明で、そもそも手ぶらだし、ポケットにもせいぜいハンカチ、ティッシュ位しか入ってない。
まあ鞄があったとしても携帯電話は当然通じないだろうし、お金も役に立たないだろうから、サバイバルの観点から見れば同じことだっただろうが。
とにかく今の自分には肉類を獲る手段もなければ、それを食材にする手段も、調理する手段もない。
それにつけても何かを入れる容器的なものが無いのが地味に辛い、水は精霊が出してくれるからともかく、食料をほぼ持ち歩けないもんな。
いつまでもここにいるわけにもいかないし、というか取り敢えず人里に出たい。
ハンカチに木の実を包んでベルト通しに結び付けることにする。
ハンカチに入る量なんて高が知れているが、無いよりはマシだろう。
精霊に町のある方向を聞くと、
「こっちー」
と先導してくれる。小さな子供のおつかいみたいで大変かわいい。
精霊がいなければ食事もままならず、棒倒して方向決める位しか手段がなかったのではないかと思うと精霊様々である。
さて、それにしても昨日からの感覚で、どうやら青い精霊は水の関係、緑の精霊は空気関係を受け持ってるらしい。
赤い精霊は熱なのか火なのか……よくあるゲーム的展開だと火なのか?
そういうカテゴリ分けなら緑の精霊も空気じゃなくて風とかが正解なのかもしれない。
……となると、俄然他の属性も試してみたくなってくる。
どうせ森を抜けるルートを通るようなので、すぐに人里に出られる訳ではなさそうだし。
折角魔法が使えるとなったら色々実践もしてみたい。
「まずそれ以外の定番って言うと、土か?」
しかし、中途半端な知識しか無いから土壁か落とし穴位しか思い浮かばない。
どちらも歩きながら試すには非常に不向きと言わざるを得ないだろう。
自分で落とし穴掘って自分で落ちるなんてどんなドMだと思うし、歩いている最中に他の何かが落とし穴に落ちるまで待っているというのも現実的ではない。
「まあ壁までいかなくとも問題ないよな、問題は地面が動かせるかどうかだし」
周りを見渡すと視線の先に丁度よく1メートル四方ほどの木の生えていない空間がある。
目線の先で地面が20センチほど隆起し同じほど陥没し元に戻る。
「うーん思った以上に簡単に動いたなあ」
しかし、力を渡した感覚はあるものの、ちょっと離れた位置だったからか、どの子に力をあげたのかさっぱりだ。
この今やってる『思うだけで使える魔法』ってのはある意味『精霊が気を利かせて勝手にやってくれている魔法』なのである程度は細かく指定しなくてもやってくれるという点では大変便利だが、細かく指定しない限り『精霊個人の匙加減』で魔法が起こるので注意が必要かも知れない。
今は『目に見える程度に動け』程度にしか指定していなかったので、20センチ等は精霊の匙加減だったわけだが。
何か起こって反射的に起こした魔法が結構な威力になる可能性あるよなあ、まだ制御よくわからんし。
「でも、ここまで魔法が便利だと科学技術の発達は無理っぽそうな予感がひしひしとする」
あまりの魔法の手軽さについ一人ごちる。
本人は知りませんが、この世界魔法は生活手段ではありますが、これほど手軽じゃありません。
そのへんはちゃんとこの世界の人間に説明させようと思ってますが、今回は出せませんでした。
頑張って次こそは……。




