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21.初めてのお遣い的な

いつもありがとうございます。

 用心棒の仕事には色々種類があるようで、隣町までの商人の護衛やら、近隣の薬草採取中の護衛やら、近くのモンスターの討伐依頼やら多岐に渡る。

 そんな色々な発注票の貼ってある掲示板から目ぼしいものを見繕って、請け負ってみるのが今回のミッション。


 モンスターの名前や討伐数、期限や報酬を読むだけならば大分慣れてきたのだが、字を読むだけではない、モンスターの強さ、報酬が妥当かどうか、期限に無理がないかまで考えて受けなければならない。


 レベル屋を通しているので手間と報酬がかけ離れた阿漕な真似はしない

 かというとそうでもなく、例えば『依頼内容:遠くに住む家族への手紙配達、報酬:子供の小遣いレベル』みたいなのも普通にある。

 一応成功可能レベルの目安は書いてあるけど、普通にそれだけ単品で受けたら旅費だけで大赤字な依頼だ。

 まあこういうのは実は期限がすごく長くて、商人の護衛で同じ街に出掛ける事があればそのついでに、みたいに受けることを想定した依頼だったりする。

 そういった内情は別段書かれていない、でも「よく考えたらわかるでしょ」的な事を考える訓練も今回は兼ねているのだ。


 まあそんなのでもなく、「こんな値段で無理だよね、わかってるけどこれしか出せない、気前のいい気まぐれな人募集中」とでも言いたいのかという程の物もある。

 そういうのは紙が古くなって黄ばんでたりしてて、見ている分には面白かったりもする。

 十把一絡げ感が半端ない。


 で、今回のミッションの指定としては『俺一人でやれそうな討伐系依頼、距離一泊二日程度』という比較的難しいものだ。


 そもそもまだまだ自分のレベルが低いところへもって、近距離なので依頼が入るとすぐに請け負われてしまって掲示板に残っていないことの方が多いのだ。

 そんな中一つの依頼票が目に入る。


(ああ、これも自分一人だとちょっとキツいかな、距離も一泊二日は厳しいし)


 と思ったが、普通に歩くんじゃなく、魔法補正で走れば余裕な気もするな、モンスターも集団相手ならキツいけど、壁で分断して一対一に持ち込めば大丈夫。

 報酬は大銀貨5枚。

 装備品を損壊したりすれば一気に赤字になるが、一般的な数日の宿代食事代、武器の研ぎなおし位にはなる値段だ。

 自分だと食事に酒を飲まなかったり、魔法補正のおかげで剣の研ぎなおしがいらなかったりするので、もう少し余裕があるのだが、まあ無難な金額だと思う。


 依頼票を取り、受付カウンターへレベル証と一緒に出す。


「すいません、これお願いします」


 ちなみに推奨レベルで言うと剣なら「死にに行くのか?」レベルだが魔法なら「余裕」な感じなので特に何も問題なく受付られた。


「それでは頑張って下さい」


 と送り出してくれたのは気のいい感じのおじさんだった。

 レベル屋の職員は揉め事も多いのか精霊を纏わせた人か筋骨隆々な人が多いのでそのどちらでもないタイプは珍しい。


 まあ見かけによらず凄く強い可能性も十分あるのだが、なんせジェムだって決して筋肉自慢のムキムキマッチョなわけではなく速度重視タイプに見える。

 逆にあの見た目から何故あんなに(魔法補正もないのに)力があるのか不思議なくらいなのだ。


 そのジェムは現在宿の食堂にて待機中、どんな依頼を受けてきたのかの報告に行って、一人でこなせるか一緒に行って見守ってくれるそうな。


 着実に独り立ちへの道を歩んでいる気がする。

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