17.制御出来ない魔法生物は悪友みたいなもん
いつもありがとうございます。
魔法生物と化した精霊に、次にあげる力の話を全くしていないので今は省エネモードだが、今後魔法を使うことを考えると無くなるたびに補充がいいのか、一定以上減った所で一定数補充の方がいいのか悩む所だ。
「ねえ、名前、頂戴?」
「そうそう、名前、欲しい欲しい」
こっちの考えていることなどどうでもいいのか、2匹が勝手なことを言ってくる。
と言うかほんとに脈絡ないな。
「まあ、考えてもいいけど、何で急に名前欲しがったりすんの?」
「名前も呪文の一種、存在が固定されやすくなる」
「消費魔力も減る」
核と名前の二段構えでより存在を強固にするってことか。
「なあ……、それって名付けた相手に隷属とか、嫌なオプション付いてないよな?」
「だぁいじょーぶ、だいじょーぶ」
「石に入ってる時点で実質そんなようなもんだし、それがちょっと増えるだけー」
全然大丈夫じゃなかった、そういや魔法屋で言ってた魔法生物の使用法もよく考えりゃ自分の勝手で動かれたら困る使用法が主だったもんな。
隷属オプションは当たり前なのかもしれない。
隷属化が今更なのはともかく、特に何も無く精霊が魔石になってくれてたな。
そんなもんなんだろうか?
「透が私たちに無茶言わないの知ってるし」
「優しいのも知ってるの、だから大丈夫」
うーん、これは信頼されているのか、それとも舐められているのか。
それにしても名前ねえ、何の関係もない名前より関連した名前の方が良い感じかな?
少し考えて、名づけをする。
「じゃあお前が《泉》で」
そう言って青い栗鼠を撫で。
「お前が《風香》な」
緑の小鳥を撫でる。
こっちの人間とは、言語が違うから《イズミ》も《フーカ》も意味無い事かもしれないけど、こういうのは思うことが大事なんだと思う、うん。
「うわーい、ありがとう透」
「素敵な名前ですー」
という言葉と共に、二人の姿が人型の3歳児くらいになった。
頭にいた風香は肩車状態、肩にいた泉は腕にしがみついた状態に。
「なっ、何でいきなり人型に?」
魔法屋!!人型は高等技術だって言ってたじゃないか、それとも大人サイズの話だったのか?
ああ、もうちょっと詳しく聞いておけばよかった。
それよりも何よりも、こっちの世界でも髪色は自分の世界と変わらなかったので、目立たないことに安心していたのに、この二人の髪色は黄色と水色。
目立つことこの上ない。
そんな俺の心の声が通じたのか、風香は金髪、緑の眼、泉は光の加減でちょっと青に見える程度の黒髪に青い眼というそこそこ目立たない色味に変化した。
まあそれでも二人とも可愛いから目立ちそうなんだけど。
「ごめんね、透、嬉しくてつい」
「ごめんね、これならいい?いちおう今は私たち見えないようにしてるけど」
うん、ムダにハイスペックだね君たち。
まあ、見えてないのはありがたい、落ち着いて話せる。
ちなみに今の二人は幼女形態。
透はロリコンでもなきゃハーレムの予定もない。
単に人型の一番省エネモードがこの大きさだっただけ(これ以上小さいと動きにくい)
女なのも精霊の気分でなんとなく、という色気も何もない理由です。