16.初めての魔石づくり
なんだか月に3回投稿できれば御の字みたいになってきました。
もう少し頑張りたいと思います。
これまでずっと一緒にいてくれた精霊の実体化は魔法生物とは、また違うみたいで、魔石を核にしてないんだから言われてみればそうかとも思うんだが、もっと陽炎のようというか、あやふやな物だったらしい。
と、いうわけで、この精霊らを使って初めての魔石作りいってみよう。
とはいえ目立つのは本意でないので街の中心にある噴水(公衆水場みたいなものらしい)から流れた少し外れた水路に片手を濯ぐように入れる。
水の精霊を核に流れの一部を凝縮させて魔力と混ぜていくイメージで創っていく。
取り敢えず1cmくらいかな、と思ったのだが大きさを確保しつつ硬度もキープするのは結構な魔力が必要なようだ。
もっと凝縮するスピードを速くすれば時間は短縮されるだろうが、下流へ流れる量が減り過ぎて注目されないスピードはこの辺りが限度だろうと思う。
満足いく硬度の石が出来た頃には手持ちの魔力の3分の1を持っていかれていた。
一人だけだと不公平なのでいつもいるもう一人の風の精霊で同じ品質の魔石を創った。
こちらも一気にやると風が一点に向かって吹くという不思議現象になるので気付かれない程度に。
で、はたと気付いたのだが、そういえば元々売るための魔石を創るつもりだったんだった。
そして俺はこの子らを売るつもりは毛頭ない。
というか創って気付いたのだが、こんなに力の入ってる魔石なんて売ってなかった。
よく考えりゃ余力程度の力でレベル60オーバーだったのに3分の1も入れたら如何なるか、考えなしにも程があるな、自分。
そして、折角俺に力を貸してくれようと態々来てくれた精霊を売っぱらうのも良心が疼くので、売る用に単なる魔力だけの魔石を作ることにした。
精霊入りの魔石は風の精霊は緑の小鳥、水の精霊は青い栗鼠になって定位置に変わらずしがみついている。
『魔石を創ってみよう』だけで創ったので、当然なんの制限も掛けていない。
精霊が魔法生物として一番省エネな形を選んだ結果で、この姿を保つだけなら「半年は余裕」だそうだ。
当然、精霊が魔法を使えば減るし、別の大きな形を取ればまた減るらしい。
っつーか、小鳥や栗鼠でも普通に話すんだね、びっくりした。
まあ『声帯どうなってんの?』とか聞いても始まらないからまあいいけど。
精霊二人の監修の下、『多分レベル30位の人の一日の全魔力分』相当の魔石が4つ出来た。
硬度はさほどないけど、まあ握って潰れるもんじゃないし、大きさも同じ1cm。まあまあの出来だと思う。
さっき聞いてすぐ売りに行くには出来が良すぎたような気もするし、とりあえず明日一つ売ってみるか……。
いくらぐらいになるんだろう。