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6.ただの魔剣士

――魔剣士とは。

魔力を操り、剣へ纏わせ戦う者のことをいう。

熟練の魔剣士一人は、ただの剣士十人が集まっても勝てないほど強い。

それほど、魔力というものは絶大な力なのだ。

まったく魔力を扱えない者は、この世界では負け組といえる。


アウリス・ディバノーも、負け組側の一人だ。

アウリスが今対峙しているのは、魔剣士らしき山賊。

本来なら、即刻逃げるべき状況だ。


「俺はぁレイルザック。見ての通り魔剣士だ。」


山賊は魔力の込められた剣を、自慢するかのように見せつけてくる。

剣は白く輝いており、そこそこの練度があるように見える。

「残念だが、お前のような者に名乗る価値はない。」


山賊はその挑発のような言葉を聞いて、笑った。


「そうかそうか!お前、俺に勝てると思ってんのか?」


「ああ。勝てるだろう。」


「てめぇのその剣からは、これっぽちも魔力を感じねぇ。そんなんじゃあ、一撃で終わっちまうぜ?」


「試してみるか?」     


山賊は剣を構え、魔力を集中させる。

剣の輝きがさらに増し、辺りの草木が揺れ始める。

アウリスは依然として、平常心を保っている。


「……死にやがれ!」


剣から高密度の魔力斬撃が、アウリスに向かって飛んでいく。

これを並の剣士が防げる可能性は、限りなく0に近い。

それなのに、アウリスはその斬撃に対して、防御の姿勢すらとっていない。


「……ルイノス」

「――?」    


山賊は、何が起きたかわからなかった。

アウリスがなにか小言を言った。

その瞬間、斬撃は何かに当たったかのように、砕けて消えた。

砕けた白い魔力の粒子が、空気中を漂う。


「……何をした。」


アウリスは何も言わず、山賊を見つめる。


「貴様ぁ!何をしたと聞いてい――」


アウリスは静寂を保っている。

魔力も籠っていない、ただの剣を構えながら。


「ッチ、なんの手品かは知らねぇが……。俺と剣を交えた時が、てめぇの最後だ。」


「では、行くぞ。」


「ああ、来るがいいさ。俺の剣は鋼鉄をも切り裂く――」


「お喋りが達者だな。」


アウリスは剣を振るった。

まだ、間合いには入っていないように見える。

本来、その剣は届かないはずなのに。


山賊の首へ――届いた。


「――て……めぇ……」


山賊の首が、血を広げながら転がる。

剣をしまい、肩に付いた土埃を払う。



「確かに、一撃で終わったな。」






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