エピローグ
「その仮面……貴様、ボイドだな?(謎の組織『虚』の創始者。何故ここに現れたのかは知らぬが……。儂の背後を取るとは、相当なやり手だ)」
ゾーヴァが警戒を強める中、ニアは強烈な既視感を覚えていた。
(あの仮面、私の『熱探知』にまったく引っ掛からなかった。まるで瞬間移動でもしたかのよう……。これって、もしかして……っ)
脳裏を過るのは、とある可能性。
(いや、あり得ない。アイツは損得勘定のみで動く、私を助けるようなタイプじゃない。それに……いくら彼でも、ゾーヴァには勝てない……っ)
大翁は正真正銘の化物だ。
その圧倒的な力は、この身を以って嫌というほどに味わった。
しかも今のゾーヴァは、子どもたちから莫大な魔力供給を受けており、その力はもはや単騎で『国家戦力』に数えられるほどのものだ。
しかし……何故だろう。
あの仮面の負ける姿が、まるで想像できなかった。
「ボイドよ、いったい何用かは知らぬが……。せっかくの良き夜に水を差さんでほしいな」
ゾーヴァが人差し指を軽く振れば、大木のような氷柱が射出された。
外部から魔力の供給を受けることで、魔法の威力・規模・構築速度、全てがデタラメに向上している。
分厚い鉄板を穿つ巨大な氷柱はしかし、ボイドの眼前で手品のように消えた。
「……むっ?」
眉根を顰めたゾーヴァは、すぐさま次の大魔法を構築。
「――<氷晶の槍>」
極大の氷槍を亜音速にて射出した。
対するボイドは、防御も回避もしない。
ただそこに立っているだけ。
それだけで、氷の槍は消滅した。
「なっ、なんだと……!?」
ゾーヴァが大きな動揺を見せる中、
「……」
ボイドは沈黙を守ったまま、ゆっくりと歩き始める。
カッ。
カッ。
カッ。
革靴が氷の大地を叩く音だけが、規則的に鳴り響く。
静かだった。
「食らえぃ――<零下氷撃>ッ!」
戦いと呼ぶには、あまりにも静か過ぎた。
「ぐっ、これなら――<月下の氷嵐>ッ!」
激しい剣戟も。
「な、何故だ……<氷の縛鎖>ッ!」
大魔法の衝突も。
「はぁはぁ、<断絶の氷閃>ッ!」
知を競う謀略も。
「こ、の……<原初の天氷>ッ!」
ここには何もない。
哀れな道化が、独り芝居を演じるのみ。
「な、なんだ……何が起きている……!?」
ボイドは優雅に歩くだけ。
ただそれだけで、ゾーヴァの放つ大魔法は消えていく。
(奴の固有はいったい……!?)
三百年の叡智を結集し、必死に答えを探し求めた。
……いや、そんなことをせずとも、本当はもうわかっている。
否定したかった。
認めたくなかった。
しかし、こんな芸当が可能な固有は、もはやアレしかない。
「まさか……<虚空>?」
自らの描いた理想にして、三百年と渇望した夢、それが『最強の固有魔法』<虚空>だ。
<原初の炎>と<原初の氷>、臨界まで高めた二つの因子を融合し、現代に<虚空>を蘇らせる――これがゾーヴァの掲げる悲願だった。
彼は虚空の因子を手にするため、ただそれだけのために生きてきた。
古の魔法書を解読し、己が<原初の氷>を極め、魔法技能を徹底的に磨き、<原初の炎>の誕生を待ち続け、ニアから『収奪の力』を奪い、子どもたちから魔力を搾取する。
そして今日、ようやく全てのピースが揃った。
それなのに……自身の夢を体現する者が、突如として目の前に現れた。
その事実は、とても許容できるものではなく……。
「ふ、ふ……ふざけるなぁああああああああ! それは儂のモノだッ! 儂の悲願だッッ! 貴様のような何処の馬の骨とも知れぬ愚物が、気安く使ってよい代物では断じてないッッッ!」
大翁は激昂し、猛烈な吹雪を差し向ける。
しかし、届かない。
<原初の氷>が通じない――のではない。
あらゆる攻撃が到達しない。
雪の刃も、氷の槍も、巨大な氷塊も、全て虚空に呑まれて消えていく。
ボイドの前には、あらゆる攻撃が平等に『無』となる。
まさに『超越者』、目の前の仮面は理の外に立っていた。
「ぅ、ぐ……ぉ、ぉ、ぉ……っ」
狂おしいほどの苛立ちを抱えたゾーヴァは、その白髪をぐしゃぐしゃに掻き毟りながら、なんとか冷静に思考を回す。
(『厄災』ゼノの<虚空>は、万物を滅ぼす破滅の力……。信じられぬことだが、決して許されぬことだが、ボイドはそれを完璧に掌握している……ッ)
彼我の実力差は歴然。
ボイドとの戦闘は、自殺に等しい行為だ。
実際にゾーヴァの生存本能が告げている。
今すぐ逃げろ、と。
(しかし、ここまで来て……っ。やっと全てが揃ったというのに……ッ)
そうして頭を抱えている間にも、ボイドの歩みは止まることなく、両者の距離はもはや5メートルに迫っていた。
「くっ……<雪雲>!」
苦渋の決断を下したゾーヴァは、濃密な雪の煙幕を張り――無様に逃げ出した。
「はぁ、はぁ、はぁ……っ(くそ、くそくそくそ……! なんなのだ、あの仮面は!? あんな化物が、今までどこに潜んでいたというのだッ!?)
敵に背を向け、必死に足を動かし、緊急用の隠し通路へ逃げ込もうとしたそのとき、
「な゛っ!?」
突如ガクンとバランスを崩し、みっともなく氷の地面を転がった。
見れば、ゾーヴァの右脚の膝から下が綺麗に無くなっている。虚空の彼方に消し飛ばされてしまったのだ。
欠損した部位から鮮血が溢れ出し、一拍遅れて凄まじい激痛が脳を焼く。
「ぁ、ぐ……がぁああああああああ……!?」
赤い絨毯がじんわりと広がり、老爺の絶叫が広大な地下に木霊した。
「足が、儂の……足、儂、の……っ」
小さくなった大翁を見下ろす形で、ボイドが立つ。
「――失望したぞ、ゾーヴァ」
背筋の凍る冷たい声が響いた。
(正直、もっと強いと思っていた。ボクはこんな雑魚っぱのことで、今日一日ずっと思い悩んでいたのか? まったく……笑い話にもならないな)
無言のままに右手を伸ばし、とどめを刺そうとしたそのとき、
(いや、待てよ……。確かこのとき原作ロンゾルキアでは、激昂した主人公が、ゾーヴァの実験施設を壊しまくっていたはず……)
エインズワース家の地下は、蟻の巣のように入り組んだ構造をしており、そこかしこにゾーヴァの実験室がある。
(ふむ……)
ボイドの脳裏をよぎるのは、美麗なCGで描かれた『とあるイベントシーン』。
【ニアを悲しませる部屋なんて、この世界には必要ない……! こんなくだらない施設、ボクが全部壊してやるッ!】
『勇者の力』に目覚めた主人公は、ゾーヴァの実験施設を破壊しまくっていた。
大翁が作中随一の『胸糞キャラ』ということもあり、この場面はロンゾルキアでも屈指の名シーンと言われている。
(メインルートとのブレは、出来る限り少ない方がいい……。別にゾーヴァの施設を残す意味もないし、ストレス発散がてら派手に壊させてもらおう)
ボイドは邪悪な笑みを浮かべ、漆黒の大魔力を解き放った。
それは『融合の間』を飛び出し、エインズワースの領地を超え、王都全体を包み込む。
(こ、こんな魔力……個人が保有していいものじゃない……っ)
ニアは小さく頭を横へ振り、
(……怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い……ッ)
アレンは生物的本能に身を縮め、
(あ、あり得ん……。これではもはや、『厄災』ゼノそのものではないか……っ)
ゾーヴァは驚愕に目を見開く。
次の瞬間、100を超える『漆黒の球体』が出現し、
「――<虚空廻し>」
『虚空の引力』を帯びた巨大な球体は、超高速で縦横無尽に動き回り、文字通り全てを呑み込んで行った。
耳をつんざく轟音が、腹の底に響く破砕音が響き渡り、地下に広がるゾーヴァの実験室や研究室や資料室が――あっという間に虚空へ消えた。
それはまさに天災、キャンバスに黒を落とすが如く、森羅万象を『無』で塗り潰して行く。
「や、やめろぉおおおおおおおお……やめてくれぇええええええええ……ッ!!!」
大翁の痛々しい慟哭が響く。
それも無理のない話だろう。
三百年と懸けて築き上げた自分の城が、突如現れた理不尽によって、踏み躙られていくのだから。
しかしこれは、文字通りの『因果応報』。
ゾーヴァはニアの力を悪用し、病に臥せた子どもたちから魔力を奪い、多くの罪なき人々の人生を弄んできた、非人道的な魔法実験を何度も繰り返してきた。
今まで為した悪行の責が、考え得る限り最悪のタイミング――自分の夢が結実する瞬間に返って来たのだ。
「わ、儂の夢が……三百年の結晶が……っ」
ボロボロと大粒の涙を零すゾーヴァ。
それを目にしたボイドは――名状し難い愉悦に襲われた。
「ふ、ははっ……ふはははははははは……ッ!」
嗤いが止まらなかった。
嘲笑を止めることができなかった。
腹の奥底から、『黒い快感』が止め処なく湧き上がる。
極悪貴族ホロウ・フォン・ハイゼンベルク、彼の抱える悪性が、これでもかというほどに噴き上がった。
「あぁ、何故……どうして、こんなことに………っ」
ゾーヴァが無念に打ちひしがれる中、ニアはかつてないほどの開放感を噛み締める。
「……っ」
長年にわたり、ずっと自分を縛り続けてきた鳥籠。
それが粉々に破壊されていく様は、どうしようもなく『爽快』だった。
「ふぅ……」
モノの十秒と経たずに破壊の限りを尽くしたボイドは、どこかスッキリとした様子で息をつく。
一方――夢の最期を無理矢理に見届けさせられたゾーヴァは、憎悪の炎を滾らせる。
「……なんなのだ、貴様は……っ。いったい何が目的だ!? その力、どこで手に入れた!?」
ボイドは何も答えず、スッと右手を前に伸ばす。
仮面の眼窩に光るのは、恐ろしく冷たい真紅の瞳。
(な、なんという眼だ……っ)
それは自分を見ていない。
そこには一切の感情が籠っていない。
まるで地を這う虫を見下ろしているかのよう。
本能で理解した、「この男に命乞いは通じない」と。
ゾーヴァはせわしなく周囲に目をやり、なんとか生き残る可能性を探す。
そして――ほんの僅かな光を見つけた。
「に、ニア……! 私が悪かった、これまでのことは謝る、この通りだ! だから頼む、助けてくれぇ……っ」
なんの躊躇もなく、ニアに助けを求めた。
これこそがゾーヴァの生き方だ。
自身が劣勢に置かれれば、どんなものでも利用する。
恥も外聞もなく、ただただ生きることに憑りつかれた、救いようのない邪悪な亡霊。
ニアの目は――哀れなモノを見るように細まった。
そしてボイドは右手をかざし、
「――さようなら、ゾーヴァ・レ・エインズワース」
「や、やめろ! 儂はまだ、死にたくな――」
虚空が全てを呑み込んだ。
三百年と生き永らえた亡霊、その最期は酷くあっけないものだった。
「……次元が、違う……っ」
アレンの口から零れたのは絶望。
自分と仮面の間には、あまりにも……あまりにも大きな隔たりがあった。
敵か味方か。
異様な緊張感に包まれる中、謎の仮面は虚空の彼方に消えていった。
■
その日の深夜遅く、エインズワース家の屋敷にて。
お風呂で疲れを洗い流したニアが、薄いネグリジェとレースの羽織を纏ったそのとき――寝室の一角に漆黒の渦が出現する。
そこから姿を現したのは、先ほど圧倒的な力を見せ付けた謎の仮面だ。
「乙女の寝室になんの用かしら……ホロウ?」
謎の男がフードを脱ぎ、仮面を取り去るとそこには、臙脂の髪と真紅の瞳。
「口止めに来た」
「まぁ、そうでしょうね」
この展開を予想していたのか、ニアは落ち着き払った様子だ。
「わかっていると思うが、俺の正体と<虚空>については他言無用だ。もしも言い触らすようならば――」
「――煮るなり焼くなり好きにしてちょうだい。でも、私はそんな恩知らずじゃないわ」
「そうか、ならいい」
「……随分あっさり信用してくれるのね。<契約>を結べとか、言ってこないの?」
「人を見る目には自信がある。お前は嘘をつくような女じゃない」
「ふ、ふーん……そんな風に思っててくれたんだ……っ」
ニアは視線を逸らし、その細い指でクルクルと金髪を弄る。
この行動は、彼女が照れ隠しの際によく見られるものだ。
(原作ニアは、絶対に約束を守るキャラだった。彼女の言葉は信用できる)
とあるルートで敵に捕まり、捕虜となって厳しい尋問を受けた時も、ニアは決して主人公サイドの情報を吐かなかった。
彼女の口の硬さは作中でもトップクラス、ここから情報が洩れることはあり得ない。
(まぁそれに、<契約>は強力な縛りだけど、解く方法がないわけじゃないしね)
下手に魔法で縛るよりも、信頼という鎖に嵌めた方がいい。
ホロウは合理的に、そう判断したのだ。
「ねぇホロウ、どうして――」
ニアが『とある疑問』を口にしようとしたそのとき、
「――動くな」
摸擬戦のときと、全く同じ命令が下る。
あのときは、恐怖のあまり動けなかった。
しかし、今は違う。
自然と受け入れられた。
あのときの恐怖は、もうどこにもなかった。
ホロウの大きな手が両肩に回され、真紅の瞳がゆっくりと近付いてくる。
(……綺麗)
夕焼けのような、炎のような、吸い込まれるような瞳。
ニアは静かに目を閉じ、ホロウに体を委ねた。
一方のホロウは、ニアの瞳の奥をジッと見据える。
(確かこの辺りに……っと、あった)
彼女の瞳の奥に、大翁の魔法因子が遺っていた。
因子改造手術によって埋め込まれたこれが、<原初の炎>の力を歪に捻じ曲げ、『収奪の力』の主導権をゾーヴァに書き換えているのだ。
(周囲の神経組織を傷付けないよう、超々極小の虚空を展開して……これでよしっと)
大翁の魔法因子を消し飛ばし、『アフターフォロー』を終えたホロウは、
「もういいぞ」
停止命令を解き、あっさりとニアを解放する。
「えっ……しない、の……?」
どこか物寂しそうな彼女に対し、
「何をだ?」
ホロウは不思議そうに小首を傾げた。
「も、もぅ……なんでもないわよ……っ(こ、これじゃなんか、私が期待してたみたいじゃない……っ)」
顔を真っ赤にしたニアは、プイとそっぽを向く。
「何を拗ねているのか知らんが……まぁいい。お前の中に遺る大翁の魔法因子を消し飛ばした。これで<原初の炎>が持つ『収奪の力』、その主導権が戻っているはずだ。確認してみろ」
「え? う、うそ……っ」
ニアはすぐさま自分の胸に手を当て、<原初の炎>に集中する。
すると確かに、これまでゾーヴァに奪われていた力が、自分の元へ帰って来ているのがわかった。
「や、やった……戻ってる! これであの子たちもみんな、本当に解放される……っ」
ゾーヴァが消えた後も力は帰って来なかったので、どうしたものかと悩んでいたのだが……これで全て解決だ。
グッと拳を握り、心の底から喜ぶニア。
その様子を見届けたホロウは、クルリと背を向け、<虚空渡り>を発動する。
彼がそのままハイゼンベルクの屋敷に飛ぼうとすると、ニアが大慌てで制止の声をあげた。
「ま、待って……!」
「なんだ?」
ホロウは面倒くさそうに振り返る。
その口調と姿勢は本当にいつも通りで、とてもあの大翁を倒した後だとは思えないほど、極々自然体だった。
一方のニアは居住まいを正し、その思いの丈を口にする。
「ホロウ、本当に……本当にありがとう。あなたには感謝してもしきれないわ。この恩は一生を懸けてでも返していく」
「ふん……。『なんでも言うことを聞く』といったあの約束、まさか忘れてはいないだろうな?」
「えぇもちろん、あなたの言うことならなんだって聞くわ。……本当になんでも、ね」
ニアはほんのりと頬を赤く染めながら、伏し目がちに上目遣いで同じ言葉を繰り返した。
その瞬間、ホロウの心に『情欲の炎』が燃え滾る。
(おい馬鹿、やめろ……っ。この体はもう……『限界』なんだぞ……ッ)
彼はすぐさま鋼の意思を総動員し、なんとかこの気持ちを鎮めんとした。
しかし、
(あぁ可愛いな、今度こそちゃんとしたキスを……いや落ち着け。あの大きな胸を……駄目だ駄目だ駄目だッ。ちょうどそこにベッドもあるし、このまま朝まで……馬鹿待て早まるな!)
お風呂上がりのニアの潤った髪・ほんのりと上気した肌・服の上からでもわかる大きな胸・薄いネグリジェから覗く健康的な白い太腿・ぷっくりとした柔らかそうな唇・甘くてとろけるような女の子の香り――ホロウの理性は既に崩壊寸前だった。
彼の肉体は世界最高のスペックを誇るが……その反面、この手の『欲』にはとことん弱い。
(はぁ、はぁ……駄目だ、これ以上はもう持たない……っ。くそっ、無敵の<虚空>でも、この欲求だけは消し飛ばせない……ッ)
ホロウ・フォン・ハイゼンベルクは今、ロンゾルキアに転生して以来、最も過酷で苦しい戦いに身を投じていた。
「……」
「……」
なんとも言えない沈黙が降りる中、ニアは先ほど口にしかけた問いを投げる。
「ねぇホロウ、一つ聞いてもいい……?」
「……なんだ」
「どうして私を助けてくれたの?」
「別に、お前を助けてなどいない。俺はただ、自分が助かりたかっただけだ」
「……えっ……?」
ニアはパチパチと目を瞬く。
言葉としては理解できるが、文章として理解できなかった。
「いや……あなたみたいな化物が、いったい何から助かりたいというの?」
史上最悪の魔法士『災厄』ゼノと同じ<虚空>を持ち、人の領域を踏み超えた絶大な魔力を宿し、神に愛された超人的な膂力を誇る天才――ホロウ・フォン・ハイゼンベルク。
そんな怪物が何を恐れるのか、まったく理解できなかった。
ニアの至極真っ当な質問を受け、ホロウは真剣な表情で答える。
「それはもちろん――『死の運命』だ」
彼はそう言い残し、虚空の彼方へ消えていった。
たとえどれだけ強くなろうとも、たとえどれだけ準備を重ねようとも、気を抜くことはできない。
何せ悪役貴族ホロウ・フォン・ハイゼンベルクは『歩く死亡フラグ』、世界に中指を立てられた存在だ。
過酷なホロウルートを乗り越え、幸せな生存Endへ辿り着くためにはやはり――『主人公モブ化計画』の完遂が必須。
(ロンゾルキアにおける『第一章大翁ゾーヴァ編』は、理想的とも言える形でクリアできた。しかし、油断は禁物だ。原作ホロウの二の舞にならないよう、『怠惰傲慢』は封印し、『謙虚堅実』に生きていかねば!)
さぁ、次の――『第二章の死亡フラグ』をへし折りに行くとしよう。
【※読者の皆様へ、大切なお知らせ】
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ホロウの物語は一旦これにて完結。
第2章以降の続きを連載するかどうかは、まだ何も決まっていないので、一度キリのいいここで完結設定とさせてください。(数日後にエピソードを更新し、『続編の有無』をお知らせするので、フォローは外さずにそのままでお願いします!)
「第2章が、続きが読みたい!」
「第1章面白かった! 続きの執筆もよろしく!」
「ホロウたちの物語を、活躍をもっと見たい!」
ほんの少しでもそう思ってくれた方は、本作をランキング上位に押し上げるため、
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この二つを行い、本作を応援していただけないでしょうか?
ランキングが上がれば、作者の執筆意欲も上がります。
おそらく皆様が思う数千倍、めちゃくちゃに跳ね上がります!
読者の皆様からポイント評価とブクマをいただく
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作者のやる気が出て、執筆を頑張れる!
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読者の皆様が喜んで、ポイント評価とブクマを投げてくれる
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作者のやる気が出て(以下略
このように『夢の永久機関』が完成します!
ですので、どうか何卒よろしくお願いいたします。
最後になりますが、ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
願わくば、また第2章で会えることを楽しみにしております!
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