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ありきたりな異世界で純愛ルートを目指します。  作者: 成瀬あやめ
ありきたりな異世界で溺愛エンドを目指します。
6/6

3

「ところで……記憶がないのはいつから?

全て忘れてしまった、という訳ではなさそうだけど」



小首を傾げながら片腕を組み、顎に手をやる仕草が余りにも自然で、さも「今日のおやつ何食べる?」くらいの感覚で訊かれているかのように錯覚してしまうが、異世界に転生して2日で怪しまれる演技力のなさを、リーリエは心の底から悔やんだ。




*****




時は半刻ほど前に遡る。



「お招きいただきありがとう」


「招いた訳でないのですが……」



舞踏会の時の煌びやかな印象とは異なり、少し落ち着いた印象のクラディスを、本当に来たのかという驚きと

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