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一
秋になりました。
私の体を緑色に包んでいた葉っぱたちもその色を変え、今では金色の光を放っています。
いくつかの葉っぱたちは私の枝から手を放し、宙へと舞っていきます。
楽しそうに舞う葉っぱたちもいれば、少し悲しそうに落ちていく葉っぱたちもいます。
春から一緒に過ごしてきた葉っぱたちとお別れするこの季節は、どこか寂しいです。
でも、私はこの季節が好きです。
夏の間は私の下を通り過ぎていた人々が、時折立ち止まってこちらを見上げてくれるようになるからです。
私は人々の目にどう見えているのでしょうか。
もしも人間と話ができたなら、尋ねてみたいです。