結成!チーム優太
こんにちは。三日坊主にならなくてとりあえず安心しています。いやぁ、この小説を書くことがこんなに楽しいだなんて最初は思っていなかったんですよ。でも読んでくれている人が確かにいると分かって、評価もつけていただいたので、嬉しい限りです。私は星一とか星五とか気にしません。評価をしてくれたってことが嬉しいので、はい。まあこんな感じで続きを連載していくのでこれからもよろしくお願いします。
まだしてない人はいいねとブックマークよろしく!!
優太はのけぞってなんとかその一撃をかわしたが、しりもちをついてしまった。
「……!?」
「お兄ちゃん大丈夫?おい!どういうことだ!」
賢が駆けつけた。
「どういう事?文字通り、処刑だよ。」
ブルーは、その整った顔に似合わず、悪の表情をしていた。
「まさか!お主、懸賞首の青髪のブルー!」
マルタはブルーの見た目で気付いた。それは北の海で猛威を振るうデュエラー、ブルーだった。
「ご名答。」
:青髪のブルー(及びパートナーのアーロン)懸賞金8700000ルーン
「そして、実況者トムも、ブルーの相方、トムであるのか!?」
「よくわかったねー、こいつ詳しいぜーリーダー。」
実況者のフリをしていたトムもブルーの仲間だった。
:ブルーの相方トム(及びパートナーのガゼル)懸賞金5000000ルーン
「そして、受付のその老人も!」
「そうか、変装して老人のふりして、俺たちを騙していたんだな。」
「俺は変装などしとらーん!もともとこういう毛長族なんじゃ!」
:毛長族ボウズ(及びパートナーのピクシー)懸賞金3000000ルーン
「とにかく、何でそんなやつらがここにいるんだ!?」
「わからねえのか?小僧、俺たちはこの村を効率よく痛め付けるために、こんな茶番劇を開いたのさ。普通に村を襲ったって、用心棒が出てくるだけ。だったら大会に強い奴に集まってもらって、そいつら同士で痛め付けあってもらえば、俺たちにとっては楽でしかねえぜ。敵の技を知りつつ、弱らせることができる。現にお前はボロボロだしな。」
「ふっふっふ。本当に良くやってくれたよ。いやーちょっと怖かったんだよね。誰にも負ける気がしないって言うから余裕で優勝されたらどうしようかなーってね。」(ボウズ)
「あの時お前が不機嫌そうにしてたのはそういう理由だったのか!」
「お兄ちゃんたちは真剣に戦ってたんだぞ!人を騙して何が楽しいんだ!」
賢は怒りをぶつけた。
「俺たちはデュエラーだ。クレシェンドダイヤを見つけるために生きている。そのために村を襲うことくらい誰だってやってるよ。」
「くっ……」
「みんな逃げて!こいつらはデュエラーよ!」
優花とナオコの決死の呼び掛けによって、市民は全員避難することができた。
「つまり、今までのは……」
「そうさ、これから始まる処刑パーティーのための前フリだったわけだ!はっはっはっはっ!」
ドガアン!
賢が笑っているブルーを右手で力強く殴った。
「(真剣に戦ってる姿と、それを応援してたみんなの気持ちを台無しにして、しかもお兄ちゃんを殺そうとしたお前を僕は許さない!)」
「なんだあ、小僧」
ブルーは殴られた頬を擦りながら言った。
「お前みたいな奴、僕とウチダで倒してやる!」
「随分とイキってやがる。教えてやるよ、小僧。デュエラーの恐ろしさを……遠方切断!」
「ぐはっ!」
賢の体は刃物で切られたように血を吹き出した。
「賢!」
優太は急いで駆け寄った。
「なんだ、今の。まるで、見えない剣で斬り付けられたような……」
「その通りだ。ファンドラウムって言うのは俺の重心から半径12メートル以内に見えない剣を出現させることができる。小僧にはその一撃をお返ししたのさ。……小僧、安易にデュエラーに挑もうなんて思うんじゃねえ。死にたくねえならな。」
そのセリフをを聞いて。
「……お前をぶっとばしてやる。」
そう言ったのはカーネダ・イスキだった。
「は?バカじやねーのー。お前死ぬぞー?」
「男同士の勝負に命を懸けないバカがどこにいるって言うんだ!若僧ども、俺が時間稼ぐから、お前らは休んでろ。」
「僕も参戦しようか。」
「俺もだ!Mr.ストーンがまだ残ってる!」
「みんな、プリンスナラも……ありがとう。」
「なあに、おやすい御用だぜ。他人からの感謝は金の次に好きだぜー。」
カーネダ・イスキはにっと笑った。
「ならば殺戮だ」
「パンドラが傷を治すから、三人はこっち来て。」
優太、賢、ハカセとそのパートナー達はの三人は優花とパンドラに運ばれて森の中へと入っていった。
「うわ!お兄ちゃん、肋骨も折れてる!ハカセさんは背骨三本の骨折……賢は腹からの出血がひどい……。」
「あいつ、絶対許さない。お兄ちゃんを殺そうとして、村のみんなの気持ち台無しにして……」(賢)
「治るのにどのくらいかかりそう?優花。」
「30分はかかりそう。絶対に動かないでね。」
パンドラの粉にはケガを治す力がある。パラパラというよりかはキラキラした粉をかけて安静にしていれば傷が治るのである。
「おじさん達、大丈夫かな……」
賢はブルーたちと戦っている五人が心配だった。
~
「ぐはぁっ!」
フォルスターがファンドラウムの一撃を食らったのと同時にプリンスナラの傷口がさらに広がった。
「悔しいだろー。リーダーどころか部下の俺たちにも勝てそうにないもんなー。」
トムはプリンスナラ達を煽るように軽蔑した。
「誰だ!俺のことをごみだと言ったのは!」
「言ってねえよ!櫂訛伸券!」
「ぐはっ!」
Mr.53も、攻撃を食らうままになってしまっていた。
「まだ耐えるんだ!あの若僧達がきっとこいつらに勝ってくれる。」
「俺たちは賞金首だぞ?あんな小僧どもに負けるかっつうの!」
ブルーが右足を振り上げると、五人の身体に斬撃が叩き込まれた。
見えない刀が五人を襲ったのだ。
「さーらーにー、ガゼル(ガゼラツヤクワガタの種)の突進が襲うぜー。」
トムはガゼルを五人に突進させた。ファンドラウムとガゼルが五人に近づいてくる。
「身代わり!」
しかしMr.ストーンが五人を庇った。Mr.ストーンは粉々に砕けてしまった。
「何っ?」
「こういう時のために残しておいたんだ。大技をしのげなきゃ意味がねえぜ。」
「くだらない真似をしてくれるじゃないか。ボウズ、行け」
「ピクシー!櫂訛伸拳!」
ピクシーは高速であらゆる方向に狭い範囲で動き回ることで相手の弱点を探し出す。そしてそこをついて攻撃することができる。
「……っ」
言葉にできない苦痛が五人を痛め付ける。
~バキリマウンテン~
「優花、あと何分?」
「あと十五分。」
五人はまだなんとか立ち上がった。
「(優太さんに繋ぐんだ。僕らに希望を繋いでくれたあの人を少しでも休ませるんだ。)」
「いくよ!クロッサー!スラッシュクロウドロップ!」
クロッサーは力を振り絞り、ブルーのパートナー、アーロン(アオオサムシの種)に向かって突進した。
「(間に合う!)」
ガシィーーーン!
クロッサーの角がついにアーロンを捕らえた。
「っ!?いつの間に……」
クロッサーはアーロンをかつぎ上げ、高くジャンプすると、アーロンを顔面から地面に叩きつけた。
「ブルー様!」
「今だ!ストーンゴラック!」
今度はブロンズが岩をガゼルの下から突き上げ、ガゼルをぶっ飛ばした。
「何っ!?」
優太達の回復まであと五分。
「俺を……怒らせたいのか?」
ブルーはアーロンが攻撃を受けたことに対して怒りを覚えた。
「アーロン、火琉楽ファンドラウム!」
ズガアン!
立ち上がったアーロンから燃える斬撃が飛んだ。
ジュエルとマルタは顔面に強烈な斬撃を喰らい、完全に意識を失い、白目をむいた。
「ゴミクズが。」
「亜奈堀!」
ガゼルは指示を受けるとすぐさま地中に潜って猛スピードで進んでいく。Mr.53の右側から土の中を移動してきたガゼルは突然飛び出してきて、ブロンズを押さえ込んだ。
「捕食!」
鋭い大顎の一撃を喰らわせた。ブロンズの体から血しぶきが舞った。
「うああ……あ……。」
Mr.53も、気を失った。腹がファンドラウムの斬撃とガゼルの攻撃によってえぐれていた。
「櫂訛伸拳!」
ドガアン!
フォルスターもピクシー(ベリコサツヤクワガタの種)の櫂訛伸拳の連続攻撃に立っていられないほどのダメージを負った。
「みっともない。歯が立たなかった……これじゃ、父上に叱られるな。」
フォルスターが負った傷がマスターであるプリンスナラにも反映され、その場に膝をついて崩れ落ちた。彼の体からは血の匂いがした。
「お前も家族がいるのか……。俺たちはそういう幸せそうなやつが大嫌いなんじゃ!とどめを刺してやる!」
プリンスナラに向かってボウズの拳が飛んでいく。
シュバッ
「お主!」
「プリンスナラ、大丈夫ですか?」
「遅いよ、全く……」
「お待たせ、みんな。」
そこにはボウズの拳を押さえている優太がいた。
「くう!なぜ離れんのじゃ!?」
ボウズは捕まれた手を振りほどこうと必死だったが、彼の手は動かなかった。
「はあっ!」
「うおっ!」
優太の一本背負いが決まった。ボウズはドスンと叩きつけられた。
「くそ~!」
倒れたボウズが起き上がると、そこには四人の若者がいた。
「お前達を絶対に倒す。村のためにも、ジュエルのためにも。」
「許さないぞ、デュエラー達……」
「お兄ちゃん、私と賢があのもじゃもじゃと戦うね。ウザいイケメンはお兄ちゃんに任せるよ。」
「優花ちゃん助かった。これで安心してトゥインクル・ベルが使えるよ」
夕日がかかったバキリスタジアムを背にした優太、優花、賢、ハカセだった。
「いくぞ!」
優太の目がギーンと光り、ブルーに突進した。そしてブルーの腹にブローを打ち込んだ。口から血を吹き出し、吹き飛ばされたブルーをさらに追撃し、今度は顔面を殴った。ブルーはスタジアムの壁にめり込んだ。
「スキルを使わずにあの速さ、一体どうやって……」(ジュエル)
優太の目はギロリとブルーだけを見ていた。
アーロンはカブトにファンドラウムを使ったが、ジャンプでかわされて角のぶちかましを打ち込まれた。
「櫂訛伸拳!」
優花はボウズの連続パンチを全て怯むことなく受け止め、一瞬の隙を突いて回し蹴りを見舞った。ボウズは受身をとってもさりと着地し、反撃しようと前を見たが、そこにいたのは目の前に来ていた賢だった。
「いくぞ。」
「うおっ」
賢はボウズの顔を両手でしっかりとつかみ、自分の足を回転軸にしてブンブン振り回し始めた。
~
「俺の剣についてこれるかー?」
トムはハカセに剣を振り下ろすが、
「速攻副光」
ハカセは作った銃から緑色の光線を射出し、トムの左足を撃ち抜いた。
「うおっ!」
トムはその影響で歩けなくなってしまった。
「今だ!」
ハカセが叫ぶと
「トルネードスイング!」
ボウズを振り回していた賢がトムに向かってボウズを投げ飛ばした。
ボウズは空気抵抗で顔が潰れるほどの勢いで飛んでいき、トムに向かって一直線。
「避けろー!トムー!」
ボウズは叫んだがトムは足を撃たれて動けなかった。
ボガーーーン!
ボウズは頭からトムにぶち当たり、その衝撃に耐えられず、二人とも伸びてしまった。
その影響でピクシーとガゼルは気を失った。
「けっ、使えない奴らめ。」
「お前......。」
「あ?」
「お前、仲間のことを何とも思ってないのかよ!!」
「……ふふっ、何を言ってやがる?人は道具だ!使われる運命なんだよ、はっはっは!お子様には、分からねえだろうなぁ?」
ブルーは高らかに笑った。優太はその笑いを聞いてますます苛立ちを覚えた。ブルーは高笑いし続けた。
「グロウアップ!」
優太はグロウアップを発動し、全身に白いオーラをまとった。
「調子に乗りやがって。ファンドラウム!」
見えない斬撃が再び優太を襲うが、
「うおらああ!」
優太が勢いよく右足を踏み込んで右手を突き出すと、その手に触れた斬撃は推進力を失い、跡形もなく消えてしまった。
「ふん、ならば……火琉楽ファンドラウム!」
ブルーは怯むことなくスキルを発動した。優太に燃える斬撃が飛んでいく、しかし優太は避けようとしなかった。
「なぜ避けぬ若僧!」
ズシャア!
優太の体は切られた上に炎で包まれた。優太の表情は少し苦しそうだったが、硬い決意に満ちていた。
「……この炎ごとお前を倒す!」
「(なんだこいつ……俺の炎をくらっても平気なんて化け物か、これじゃあさっき会った奴らと変わんねえ……)」
「剛炎拳!」
優太が全身を焼かれた状態でブルーに燃えた拳を打ち込んだ。その拳からブルーに炎が移る。その衝撃と熱でブルーは気を失い、動きを止めた。見ていた優花達に緊張の時間が走る。十秒ほどたってしばらく動かなかったブルーは
「っ、かっ……」
口から血を吹き出して倒れた。
「はあ、はあ、勝ったぞーーー!!!」
「やったー!村は無事だー!」
~
「ありがとうお兄ちゃん!あいつのことぶっとばしてくれて。僕、ずっとムカついてたんだ。」
「お易い御用だ」
「よかった、村のみんなが無事で……てかお兄ちゃんまたケガしてるじゃない!パンドラに治してもらうから来て。」
「そういう優花だってケガしてるだろ…… 」
「いいから!」
「イテテ!耳引っ張るなって!」
「ジュエル達は僕が運んでいくよ。みんな酷い怪我をしてる。」
「ありがとう、ハカセ。」
「じゃあ賢、プリンスナラ達を……。」
「僕らは自分で歩くから大丈夫さ」
「えい若僧!カーネダ・イスキをなめるなよ!こんな程度でくたばる男じゃないぜい!」
「この犯罪者達を政府軍に届けてやろうぜ。」
「うん。わかった。」
村を守った優太は達成感からほがらかな笑顔になっていた。
と、その時
「政府軍のトランペルンです!ここにデュエラーが来ておりませんか!?」
港に政府軍が到着した。
カーネダ・イスキとMr.53はハッ、としていた。
政府軍に会うため優太達は港へ向かった。
~~港に到着~~
「こいつらは十数日前、ドーラという海賊に追われて逃げてきたのです。大崎優太さん、あなたが捕まえてくれてなかったら、僕たちが到着するよりも前に村は荒らされていたでしょう。感謝します。」
トランペルン中将は深々と頭を下げた。
「いえいえ、やるべきことをやっただけです。」
「中将!気を失っていた少年と男性が目を覚ましました。」
「ジュエル!」
「優太さん!」
ジュエルは包帯を頭や腕にたくさん巻き付けていたが、元気だった。
「約束通り、これからシルバー王国に向かうよ!」
「ありがとうございます!」
「優太殿、私はなんと礼を言ったら良いのか……。」
「お礼は王国を救ってからにしてください。まだ何も始まってない。」
「かたじけない……」
マルタも優太に深く頭を下げた。
「よし、シルバー王国に行こうか、優花!賢!ハカセ!」
「え?僕も?」
「君はもう俺らの仲間として戦ってくれたじゃない、だから君は。
チーム優太の一員なんだよ!」
「一緒にシルバー王国を救いましょうよ、ハカセさん。僕もあなたと一緒にいたいです!」
賢も目を輝かせて頼んだ。
「わ、分かったから。」
「じゃあ、決まり!プリンスナラはどうする?」
「僕は政府軍に送ってもらうよ。」
「そっか、じゃあ、お気を付けて!
カーネダ・イスキとMr.53は……」
優太が振り向くと
「お願いします!政府軍に入れてください!」
「俺の一生の夢なんだ!」
彼らがトランペルン中将に頭を下げているのが見えた。優太はしばらく見ていたが。
「なんか楽しそうだからほっとこ。」
そう呟いた。
「優太さん達は僕らの船に乗ってください。シルバー王国までは2日もあれば着きます。」
「よし、行こうぜ!みんな!」
「……。」ハカセ
~
「ザ・ページ」
第一章
完
~
※デュエラー:クレシェンドダイヤを求めて旅をしている人、またその集団。大崎優太やチーム優太もデュエラーです。海賊はあくまで略奪行為をしている人々を指すのでデュエラーとは別です。
※政府軍:デュエラーや海賊を捕まえるのが目的の団体。政治を行っている組織でもある。