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ザ・ページ  作者: 名もないP
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大崎三兄姉弟(おおさきさんきょうだい)の過去

遠い目で見てしまえば、地球温暖化なんて、たった少しの変化でしかない。恐竜のいた時代はもっと暑くて、南極にすら氷はなかった。ただ、人間とは勝手なもので、いつの間にか他の動物を絶滅させてしまっていて、あとから気づいて悔やむ。

これがサラリーマンだったら、ミスに気づけていないとみなされて、たちまちリストラされてしまうだろうが、人間を全員リストラできる人間なんて、いない。

今のところは。

「私が地球にいる方がふさわしい」

と。宇宙人が来て、地球人をリストラするかもしれないが。

そんなことにならないうちに。

今やるべきことをやる。

やるべきこと。

その中に私が小説を書くことが含まれている。

皆さんが読んでくれているからそう思えるのです。



前半は中学生の頃のポエムです。いやまあ、国語のノートをあさると出てくるんだこういうのが。


授業中ポエム書いたことある人はいいね、感想の書き込みをお願いします。


大丈夫、指したりしないから。

しかし、悲劇はまだ終わらなかった。



二人は何とか再び生活を始めることができた。ラナは、自分がママの代わりになる、と、進んで家事のお手伝いをしていた。


さらに、かつてフィーラが勉強するために使っていた本を始めとし、バーナードにも沢山の本を買ってもらったラナは、それらの本を一日中読み漁っていた。いつか医者になる、と何度も言っていた。


ところが、ある日突然インターホンがなった。

バーナードにとって、今までインターホンが鳴るのは、フィーラが帰ってきた時だけ。幸せな時だけだったが、これは、彼が聞く最初で最後の不吉なインターホンの音だった。

「(インターホンが鳴るだと?)」

この家の存在を知っているのは、フィーラとバーナードとラナだけである。


「フィーラは政府軍に殺されている……」


それが意味することとは、政府軍が家に来たということである。


「ラナ、この押し入れに入っていなさい。パパのパートナーのレイをラナに譲るから、レイと一緒に裏口から全力で逃げるんだ。」

「パパ?……」


ラナは何が起こっているのか理解出来ていなかった。バーナードはラナに笑いかけた。そして押し入れの扉を閉めた。彼はスーッと息を吐いて玄関を開ける。


「何の用だ。」

「俺は政府軍特殊部隊である、ゼロ。突然で悪いけど、この方に見覚えあるかな?」

「!」

フィーラの額を撃ち抜かれた遺体の写真を見せられて、バーナードは驚愕した。赤黒い血で顔が染まっていた。


「やはりな。お前が夫だったか。」

「違う!」

バーナードは何故自分たちの家の場所が知らされているのかということにも恐怖していたが、それ以上に、自分が殺されることが、ラナを一人にしてしまうことが一番怖かった。ラナを守る存在が、自分しかいないと、分かっていた。

目の前にいるのは、フィーラを殺した張本人だと本能が訴えてくる。戦おうと構えるが。


「死んでもらおうか。」

バキューン!!


バーナードはフィーラと同じく、額を銃で撃ち抜かれた。もちろん生きていられるはずがない。血が出る。止まることを知らぬ勢いで溢れ出る。


「はーっはっはっは!!」

ゼロはその様子を見て笑っていた。

「(パパ……パパ……嫌だ……パパも死んじゃうなんて、嫌だよ!)」


ラナはその音で何が起こったのかが分かってしまった。ラナは知らない人の声がするのが怖かった。そしてレイを体内に留めて、外へ飛び出した。大雨が降っていた。ゼロ達にバレないように、しばらくは泣くのを我慢していたが、ついに悔しさと悲しさが爆発した。彼女が泣く声が地面を打ち鳴らす大雨の音量を上回った。全速力で走った。どうすればいいか分からなくなった。何も出来ずに、両親を失った。ラナの夢であった、医者になった姿を両親に見せる、その夢が一瞬で壊れた。もう会えないことが悲しい。いや、悲しいなんて言葉では表せない。今一人でいることが哀しい。医者になりたい自分が、両親すら救えなかったという事実が悔しい。生きていることが嫌だ。全てが夢であって欲しい。何度も何度も何で、何で、何で、と繰り返していた。自分がこうなった理由が分からなかった。





何時間走っただろうか、ラナは自分では気づいていなかったが、疲れて土砂降りの中、倒れてしまった。


レイがラナの体から召喚されて、ラナを背負うと、のしのしと歩き出した。レイは偶然見つけたラマーズタウンへとやってきた。ラナはまだ寝ていた。


「…………」

とある男が倒れたラナとレイを見つけた。黙ったままラナをレイから預かって抱きかかえた。


「ここは?どこ?」

「おお、気がついたみたいですね。」

「うわっ!トド!?」

目の前には眼鏡をかけた太ったトドがこちらを見ていた。

「おお、驚かせるつもりじゃなかったのですが。君のパートナーが、君をここに連れてきたんです。そしたら、田村社長が君を見つけて、この病院に連れてきたんです。」

「病院?」

「ええ。今は平気みたいだけども、少し心拍数が危なかったもので。いつか治ったら、そうだな。ここに余った部屋があるから、そこで暮らすといいよ。まだ何も分からないと思いますけど、とりあえず無事で良かったですな。それじゃ、私は一旦部屋を出るので。」

「あの」

「ん?」

「……医者に……なりたいんです。」




そうして、トドの半獣人、セイガに事情を説明して、ラナは彼と医者になるための特訓を積んだ。そして、田村社長からその努力を認められ、特別に未成年でも医者として働くことを許可された。



ゼロは現在までずっと、フィーラの血筋の最後の一人であるラナを探していた。


そして、大崎優太をターゲットにした結果、大崎優太と共にラナを発見したのだ。





「ねえ。ジョー。」

「何ですか?」

「どこまで近づけば瞬間移動できる?できるだけ早くたどり着きたい。」


優太の目は怒りに染っていた。


ゼロの拠点

「五分経過っと。そーら!」

べちん!

ラナは全身を縛られて、五分ごとに殴られるという拷問を受けていた。



「あと少しです。あとは場所が特定出来れば……」

「よし。彩さん。場所は特定できた?」

「できた。ここだよ。」

彩はハカセが優太の依頼で即興で作った地図のとある地点を計算で導き出して指さした。

「よし、行きます!瞬間移動魔術(ヤドレーンマジック)!!」

優太号は白い光に包まれて、ゼロの拠点に到着した。優太は一番に船から飛び降りて、走り出した。


「ラナー!!!」

ラナはその声に気づいて、顔を上げた。

「優太お兄ちゃん?(助けに来てくれたの?)」

「今行くぞ!!うわっ!」


さらにスピードをあげようとした時、横から誰かが突進してきた。 優太は何とかそれをかわす。

「ちっ、外したか。だが、今度こそ俺の右手で切り刻んでやる!」

ARTはパートナーのブルース(マンディブラリスフタマタクワガタの種)と共に優太に突進してくる。



ガキイイン!



ミクが彼の右手のチェーンソーをリングで受け止めた。ライアもブルースに突進し、優太への攻撃を防いだ。

「俺のチェーンソーでも切れねえだと!?」

「このリングはルノーアが作った特製だからね。」

「ルノーア!?」

ARTはルノーアの名前が出てきたことに驚いていた。

「優太!早く行って!」

「ありがとう!」

優太はまた走り出す。すると、目の前に黒い巨大な体に小さな翼、ワニのような顔に長いしっぽを持つ、ドラゴンが現れた。

「ドラゴン!?」

「来たか。大崎優太。」

そのドラゴンの隣にゼロが立っていた。

「ゼロ!ラナを返せ!!」

「……お前には、このヤブ医者よりも返して欲しい人物がいるんじゃないのか?大崎優太。」

「どういう意味だ?」

「おやおや、忘れてしまったのか」

その会話をしているうちに他のメンバーも集合した。

「ここにはねぇ、このヤブ医者の他に、もう一人殺さずに拷問し続けている人物がいる。」

「?」

「その者の名は…………大崎正人。お前の父親だ。」

「!?大崎正人……?俺の父親?」

聞いたことがあった名前だ。しかし、前聞いた時も、もちろん今も、それが誰なのかは分からなかった。

「僕たちにお父さんはいない!騙されないぞ!」

「そうよ!きっと苗字が同じなだけよ!」

「やれやれ、これは、お話しなければいけないな。お前たちの、過去を……」

「過去……?」



~13年前、バキリ村

大崎正人は自分の家に帰った。

「お父さーん!」

「おお、優太。ただいま。優花と賢も、元気そうだな。」

元デュエラーである彼も、足を洗って今では師匠の雪光と共にバキリ村で暮らしている。彼はデュエラーを辞めてから結婚し、子供を三人設けた。

「今日はオムライスよ。」

「やったー!」

大崎正人の妻、同時に優太、優花、賢の母親、大崎桃子(おおさきももこ)、(旧姓、本田桃子(ほんだももこ))は家族のために作った料理をテーブルへと運ぶ。

彼らは幸せな日々を過ごしていた。

「「「「「いただきま~す」」」」」


~その年のある日

「ん?なんだか港が騒がしいな」

正人は朝起きて顔を洗っている時に外ががやごやしていることに気づいた。

「行ってみよう」

正人は部屋着のまま外へ出た。すると、当時12歳だった少女ナオコを見つけた。

「ナオコちゃん、何があったんだい?」

「あ、優太のお父さん、ゼロという名前の人が……手錠をつけられている雪光さんを連れて……大崎正人を出せって言ってるんです……」

ナオコの声は震えていた。

「(何故俺のことを知っている?誰にもバレずにここに隠れ住んでいたはずだが……)ちょっとどいてください、すいません。」

周りの人々は大崎正人が来たことに対してまたざわめいた。

「俺に何の用だ……!?」

正人の目に入ったのは、かつてクレシェンドダイヤを見つけるために共に旅をしていた仲間、及び恩師である、雪光(せっこう)だった。手錠をつけられていて、あちこち出血している。

「雪光さん……!!」

「すまない、正人……負けてしまった。」

ページと肩を並べた伝説のデュエラー、雪光はゼロたちに急に襲われてしまったのだ。老いた体では若いゼロたちに勝てなかった。

「ふん。やぁ、大崎正人。こいつが釣りをしていたもんだから、俺が見つけて、逮捕してやったのさ。」

「逮捕って……まさか、お前!」

「俺は政府軍機密特殊部隊隊長、ゼロだ。今からちょっと君に取引したいことがある。」

「……何だ」

「この雪光の命と引き換えに、お前と、そこにいるナオコという女を差し出せ。」

「えっ?(何故私の名前が……まさか…………いや、私のスキルを知っているのは、正人さんと、お母さんと、お父さんだけ…………でもお母さんとお父さんは私が生まれて直ぐに亡くなってるし……)」

「早く出せ!さもないと」

ぐしゃり!

「ぐあっ!」

「雪光さん!」

雪光の腹にゼロは剣を突き刺した。腹からかなりの量の血液が吹き出した。その光景に村民は悲鳴をあげる。

「こうだ。」

「……」

正人は黙ってナオコの方を見た。

「私は大丈夫です。雪光さんを見殺しにする訳には行きません……」

「いい子だ。」(ゼロ)


ナオコは自分の秘密を知っているはずがないと、自分に言い聞かせてゼロの方へ歩いていった。でも怖かった。もし、知られていたら、村が壊滅してしまう可能性すらある。

「……」

正人もゼロの元へ歩いた。

「まずナオコ……」

「!?」

ゼロは鎖でナオコを一瞬にして縛りあげた。

「今から俺が言うことを全て実行しろ。いいな。」

「…………はい。」

ナオコは怖くて体が自分でもおかしいと思うくらいに激しく震えた。まだ12歳の少女だ。

「!……」

正人は本当ならば彼女を助けたかったが、雪光を人質に取られているせいで何も言えなかった。

「(ナオコちゃんをどうする気だ……)」

正人は心配で仕方がなかった。


助けたかったが動けなかった。恩人を人質にとられ、身動きが封じられた。

読んでくれてありがとうございました。次回もお楽しみに。

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