大会の行方
こんにちは。今日は時間があったので1日ふたつですね。もしかしたらもう一個あるかもしれません。いや、ないですね。ごめんなさい。期待しないでください。
でもとりあえずいいねとブックマークよろしく!!
「試合開始でーす!!」
カーーーン!!!ゴングがスタジアムに鳴り響く。
「さあ行くぜブロンズ!まずは手始めにこのスタジアムの石使って、ロボット作ってやる!」
「え?あの人も時間を止めて、道具を作るのかな?お姉ちゃん。」
「あんなチート能力つかえる人増えたら困るよ!」
「誰だ!?俺のことをごみだといったのは!?」
「言ってないよ!」(賢)
「え?そうなの。とか言ってる間に完成だ~!」
「ええΣ(Д゜;/)/突っ込まなかった~!」(観客)
プリンスナラはずっと口を開けて何をすればいいのかわからず佇んでいた。
「ブロンズの力作、ロボットナンバー538。Mr.ストーン!」
「ダサイ! 笑えないレベルでダサイ!」
そのロボットの見た目はMr.53をそのまま石で置き換えただけの像のようなものだった。
うん、ダサイ。
「ロボットを作れるのか。まあ、僕がこの程度で怯えるやつだとおもわないでほs」
「隙アリー!!」
「ええええええ!Σ(Д゜;/)/相手がしゃべってるときにパートナーのこと殴ったあ~ーー!」(観客)
「おい、何てことするんだ!人としてどうなんだ!人が喋ってるときに殴るとか!」
「ふん、勝つためになら何でもする。それが俺のスタイル!かっこいいだろ?」
「いや別に……てか、面倒くさそうだから、終わりにしちゃっていいかい?」
「え?」
「春風!!」
ブロンズとMr.53の周りに心地よい香りが漂った。
~~~
「おーい、起きてー。……やっと起きた。大丈夫?Mr.53さん」
「誰だ!?私のことをごみだといったのは!?ってか、私は一体何を!?」
「なーにいってんの。もう二回戦始まってるよ。」
「は?」
~40分前
「春風!」
フォルスター(フォルスターフタマタクワガタの種)の周りから緑色の風が踊るように吹き込んだ。
「あらー何か良い香り~」
バタンっ!
「よし、ブロンズ(オオオサムシの種)もMr.53も寝たから、僕の勝ちだね。見せ場なくてごめんね。」
テンカウントはあっさり終了した。
「プリンスナラさんの勝ちでーす!次の試合は大崎優太さん対ハカセさんです!」
「ずいぶんあの男の子と仲良いんだね。」(ハカセ)
「いや、言うべきことを言っただけさ。」(優太)
「それでは、二回戦第一試合、開始でーす!!」
カーーーン!!!!!!
「おーい、起きてー。……やっと起きた。大丈夫?Mr.53さん。」
「誰だ!?私のことをごみだといったのは!?、ってか私は一体何を!?」
「何いってんの。もう二回戦始まってるよ。」
「は?」
「いくぞ、タイト。発泡」
「その技はもう見切っているぞ。」
ピカーーーン!優太とカブトの前に眩い光が現れた。彼らは視力を奪われた。
「閃光弾さ、油断したね。」
「(まずいぞ、これだと指示も出せないな。こうなったら……。よし、この作戦でいくか。)」
「よし、打ち続けろ。タイト。連続射撃」
上。右。左。正面。後ろ。すべての方向から紫色の光弾がカブトを襲った。まだカブトの目は光が残っていて開けない。優太も同じである。
「グロウアップ」
カブトは地面に爪を食い込ませた。
ボガーンドガーン!
カブトはすべての光弾を喰らった。
「あっ!お兄ちゃん何で避けないの?死んじゃうよ!?」
しかし、それは杞憂だった。カブトは傷つきながらも、舞台に残っていた。
「そうか、爪が舞台に食い込んで、絶対に落ちないんだ!流石ね。」
「その通りだよ。ナオコさん。場外だけは防げるぞ。目が元通りになるまで、耐えてやる!」
「ジュエルを負かした優太とやら。さっさと落とされれば良いのに。私たちの希望を、よくも!」
「違うよ、マルタさん。あの人は違うんだ……」
「?」
~一回戦第一試合終了直後
ジュエルはおでこを優太の体に当てて泣いていた。優太はジュエルの頭を撫でてやった。
「君みたいな少年がなぜこの大会に?」
「僕は......僕は、マルタさんと一緒に隣のシルバー王国から来たんです。シルバーズ国王は今、悪い奴に捕まってるんだ......身代金はあと150000ルーンだけだったから、優勝すれば助けられると思ってこの大会に出たんだ。あの人は僕たちの希望なんだ。」
「……」
「だから、勝ちたかった。ううっ……」
優太は決心した。
「そうか、ごめんな。俺のせいで。なら、君の代わりに俺が優勝して、君にお金をあげる。君は人のために行動できる素晴らしい少年だ。きっと、国王は救われるさ。任せて。約束だ。」
「本当に......?」
優太は頷いた。
「ありがとう......。ありがとう......。うああ......!」
~~~
「そんなことが。私はあやつに恨みをぶつけてしまった……。そんなことを言われてもあやつは、黙ってくれていたのか。」
マルタは自分が憎くなった。そして嬉しさで涙腺崩壊した。
「そんなもんか、タイトとハカセ。」
カブトが喰らった光弾は合計114発。優太もカブトへのエネルギー供給で疲れきっていた。
しかしそれは相手も同じだった。
「(うっ、見えた。見えたぞ。タイトとハカセが見える。)」
「(何て奴なんだ。僕らの攻撃をこんなに耐え抜いたやつは見たことない。ふん、面白いじゃないか。)」
「グロウアップ!」
「何っ!?」
「後ろだー!」
カブトはタイトの後ろに回り込み、角でタイトの背中を叩き続けた。
「天上天下角打撃!!」
タイトは舞台にめり込んだ。
「グアアッ!」
ハカセはタイトが受けたダメージを背負いきれず、血を吹いた。
「(よしきた、パートナーが傷つき続けるとマスター(主のこと)はその分のダメージを受け負う。)」
「今のうちに……」
「(まずい、時を止めるための体力が、もう……)」
「行くぜ、トリプルスープレックス!!」
カブトはタイトの体を角で挟み、3回転して、舞台の外へ投げ飛ばした。
「(完全な僕の負けだね。これは。何か、久しぶりだな……負けるなんて……あれ……久しぶりだっけ……?まあでも、楽しかったな。)」
テンカウントは終了した。
ハカセは疲れきって倒れてしまった。優太は喜びを噛み締めていると、ジュエルが走って来た。
「大丈夫!?優太さん!全身傷だらけだよ。」
「ん?どうってことない。」
「え?でも、こんなに。」
「誰かのために戦って、ついた傷なんてむしろ嬉しいじゃないか、こんだけ本気になれたんだって。自分の成長したところが見えるからさ。」
ジュエルはまたハッとした。どれだけすごい人なんだこの人は、一体なぜこんなにカッコいいのかと。
「待ってろ、ジュエル。あと一回勝てば、200000ルーンだ」
「はい!」
~
「次の試合はプリンスナラさん対ファウストさんです!」
「むしゃくしゃするなあ、あんたをストレス発散のために使ってやるぜ。」
「使えるものならね。」
「偉そうに」
二人のパートナーはそれぞれ舞台に上がった。
「試合開始でーす!」
カーーーン!!!!
「夏風!!」
フォルスターの回りから青い風が吹いてきて、突風となってファイブを襲った。
「(この風は夏の嵐の如く。激しいこの風を耐えれるなら耐えてみろ、それにこいつに対しては遠慮とかしてる場合じゃないしな)」
「ゲートオブキラックァ」
ファイブの周りに3つの穴が出現し、風を吸い込んでしまった。
「なっ!?」
「こんな小細工じゃあ、ちっとも楽しめないなあ。ナラ王国の王子とやらよお」
その台詞が終わると同時にファイブがフォルスターの腹に突っ込んできていた。
「うあっ!(なんだこのパワーは、もうフォルスターの限界を迎えて、僕にダメージが来るなんて。)」
「早く立てよお!」
ファイブはフォルスターの右側から出現し、フォルスターの顔に体当たりした。
「うっ……」
「ふん、決勝戦のやつはボロボロで、もう絶対に俺に勝てないんだから、お前が楽しませてくれないと、困るんだよお!」
フォルスターは殴られ続けた。
「ふん、痛め付けるのも楽しいけど、今はこれくらいにしてやるよ。」
「……冬風……」
「ああ?」
ファイブの周りに雪が出現した。
「またこれか、何度でも吸いとってやる。」
また黒い穴が出現し、雪をすべて飲み込んだ。
「(今だ!)秋風」
ファイブが赤い風に吹き飛ばされた。
「ふん、こんなもの……。ゲートオブキラックァ」
ファイブはフォルスターの目の前に出現し、フォルスターを場外に吹き飛ばした。
「忘れてたのか。俺は空間移動ができるってことを。」
「僕の負けかな」
「始めっからそうだよお!」
ファイブはもう一度フォルスターを殴った。フォルスターは立つことができずテンカウントが終了した。
~
「決勝戦は、大崎優太さん対ファウストさんです!試合開始でーす!」
カーーーン!!!
カブトは立っているのがやっとといった感じだった。また、優太は下を見て、何も言わなかった。
「むしゃくしゃする、お前みたいなやつを見てると、むしゃくしゃすんだよお!」
ファウストは目を大きく開き、眉間にシワを五重にみえるくらいに寄せていた。
ファイブはカブトの目の前に出現し、カブトを五本の角で体を突き刺した。
「っ……」
もう優太は声も出せなかった。
「テメエなんて、何もできねえでくの坊だぜ」
「お兄ちゃんはそんなんじゃない!!」
「ああ?」
賢がスタジアムから身を乗り出していた。
「お兄ちゃんは優しくて、頭もよくて、すっごく強いんだぞ!お前みたいな、人のことなんとも思ってないような奴にお兄ちゃんが負けるはずないんだぞ!」
「ありがとう賢。黙ってみててくれて良いよ。居てくれるだけで俺は充分だかr」
「いるだけじゃないよ!僕はお兄ちゃんの役に立ちたいんだよ!精一杯応援するから、お兄ちゃんこそ黙ってそいつと戦っててくれよ!」
「賢......。よし。カブト、グロウアップ」
「ゲートオブキラックァ」
ズガアン!
カブトの左側の穴からファイブが出てきて、カブトを襲ったが、カブトは体を反転して、ファイブを突き飛ばした。
「何っ!?」
「(異次元から出てくるって言ったって、結局は打撃攻撃。ならば。)カブト。タツマキ!」
カブトは体を高速回転して、人間で言うところのダブルラリアットの要領でファイブに突進した。ファイブは当たり前のように避けたが、カブトはちゃんとついてくる。そして、しばらくおいかけっこを続けていたが、ついにファイブをとらえた。
「くそがっ!」
「(怯んだ今の隙に)」
カブトはファイブを上空に突き上げ、さらにそれに続いた。そしてファイブに野球のバットの様に角を振りかざし、ファイブを彼方へぶっ飛ばした。遠くに星となって消えたファイブを追いかけ、捨てぜりふを吐きながらファウストは消えてしまった。
「ゆ、優勝でーーーーす!大崎優太選手と、そのパートナー、カブトの優勝でーす!」
「やったー!お兄ちゃんやったよー!」
「すごい、お兄ちゃん。カッコいい。」
「優太……」
ナオコは逞しい優太の姿に涙が溢れていた。
「ジュエル、やったよ。」
「うん、優太さん……」
「優太殿。ありがとう。私はあんな酷いことを、お主の優しさも知らずに……」
マルタは今までの自分の態度を謝罪した。
~
「それでは、この大会の主催者、ブルーさんから、賞金と賞状が贈られます。優太さん、表彰台へ上がってください。」
優太はカブトと共に喜びを噛み締めながら、表彰台の階段を一歩ずつ上がっていった。
「僕の仇を打ってくれたとい意味でもあの少年はすごいな。ってかファウストってやつどうなったんだろ。」
「そんなこたあどうでも良いのさ。お祝いだぜ。優太少年のな!ハントラード、今日は負けちまったが楽しく行こうぜ。」
「それでは、表彰を始めようか。ボウズ」(ブルー)
「ええ、ブルーさん。」
「あ、受付のおじさん!」
「よくやってくれた。」
「ありがとう!」
ブルーから、賞状が渡される。
「ごほんごほん、大崎優太選手、あなたはこの大会において優勝したことを賞する。
さあ、それではいよいよ褒美をあげようか。そう、
死という褒美をな。」
ブルーは右手に隠し持ったナイフで優太の喉元を攻撃した。
「!?」
読んでくださり、ありがとうございます。優太はこの後どうなってしまうのでしょうか?