チーム優太ドート島へ
何を書こうかな……マンボウの卵は三億個一度に生まれるけど大人になるのは二匹くらいとかじゃつまらないよなー。チョウチンアンコウは自分の光を餌と間違えて飲み込んじゃうとかもつまらないよなー。カブトムシの成虫にできた傷は細胞分裂が止まってるから治らないとかもつまらないよなー。校長先生は当たり外れが激しいってのもつまらないよなー。うーん……何話そうかなーー……
今の独り言を少しでも盗み聞きしてたそこの君!いいねと感想をよろしく!
「アクアポンプ!!」
カパ二郎とノラナは口から吐く水でハカセと彩を攻撃し続ける。避けると船が沈没する可能性があるので出来るだけ体で受け止めなくてはいけない。二人の体から体温が徐々に奪われていく。
「オイラの異名は船沈め!いくつもの海賊を沈めてきた!!お前たちも海に流されてしまえばいいのだ!水鉄砲を食らえー!」
船沈めミズノガマカパ二郎及びそのパートナーノラナ(タイコウチの種):懸賞金6000000ルーン
「まずい……水がどんどん……」
「このままじゃ船が沈んじゃう……」
「行け!ノラナ!」
ノラナはフローレスに襲いかかった。フローレスはノラナの鎌の攻撃を何とか避けるが
「アクアポンプ!」
フローレスはアクアポンプを喰らって倒れてしまった。
「フローレス!」
「彩姉、作戦があるから聞いてくれ」
「うん、何?ハカセ君 」
「僕にはもう時を止められるだけの体力がない、でも道具作りは出来るからタイトと一緒に時間を稼いでくれない?僕がそのうちに水を外に出せる何かを作るよ。」
「分かった。そうと決まれば!」
「タイト!ノラナを食い止めろ!」
タイトはブレス銃を装備してノラナへ突進した。光弾がノラナにヒットする。そして彩はカワセミの姿になって
「カワセミミサイルチャージ!!」
カパ二郎に突進した。
「クヮパー!」
カパ二郎は水を吐いて彩を止めようとしたが彩は水を弾き飛ばしながらスピードを落とさずに突進していく。そしてくちばしでカパ二郎の腕をとらえた。
「な、何をするんだ!」
「ちょっと空の旅に行くのよ。」
「空!?オイラ高所恐怖症なのにーー!!」
「行くよー。」
ヒューーンと彩はカパ二郎を動けないように抱えながら上空へ飛び去った。
「(あのカッパめ、彩姉に抱かれるなんて生意気な……)」
ジョーは勝手にそう思った。
「小竜巻魔術!!」
「(うっ、風で動けない……)」
「それっ!」
カミラは投影魔術で投影した剣で優太の腕を突き刺した。
「ぐぁっ!」
~高度500メートル地点
「さすがにもう離せよ!」
「ダメ。ここで離したら真っ逆さまでしょ?ここから急降下!」
「嫌だー嫌だー!!!└( 'Д')┘ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
カパ二郎は気を失った。猛スピードでの急降下は高所恐怖症の彼は耐えられない。
「よーし、これでOK。」
そう言った時にはもう地上に着いていた。
「カパ二郎が!」
ノスキャはカパ二郎がやられたことに驚いた。
「今だ!」
優花はノスキャの拘束が緩んだのを見逃さず彼の腕を解いた。
「あ、しまった!」
「ストレートフラッシュ!!」
優花とパンドラが放った光線はソルベイとノスキャに命中した。
「うぎゃー!」
ノスキャは体を焼かれて伸びてしまった。舌をだらしなく垂らしていた。
「やった!お姉ちゃんが勝った!」
「賢も手伝ってくれてありがとう。」
「お姉ちゃんのためだもん!」
「まずいですね。でも私“達”は負けませんよ。」
「ああ。まだ俺がいるからな。」
倒れたはずのショーンがカミラの後ろから現れた。
「ショーン!?」
「俺も負ける訳にはいかないからな。」
~16年前
ショーンは突然会社をクビになった。だが、ネガティブな気分にはならなかった。なぜなら彼が会社から出ていくことはむしろ好都合だったからだ。
「(俺みたいにブラック企業で働かされて、クビになった人が一体何人いるだろうか……)」
ショーンは家に帰る途中、そんなことを考えながらタバコを一本吸って煙を吐いた。
「(俺がそんな人々を救えるとしたら、どんな方法がある?)」
彼は家に帰る前に図書館によった。そして見つけたのは人身売買という言葉。
「人身売買……」
ショーンは思いついた。ブラック企業がはびこる町を燃やし尽くし、そこにいる市民を政府軍へ売り、儲けつつ人を助けよう。と。
「(だが町を燃やすのはさすがに不味いか……)」
「なるほど。それは犯罪ですね。」
「誰だ?」
「ヘルメスと言います。魔術を使ってあなたの脳の中の思考を読み取りました。私は現在政府軍として活動しています。」
「政府軍!?」
「ご安心ください。私はあなたに協力するつもりです。」
「……」
「あなたはやりたいことを好きなだけやれば良いのです。私が全て隠蔽して差し上げます。」
「隠蔽……可能なのか?」
「ええ、こう見えて私は中佐の位置におりますので。」
「......なぜ俺に協力する。」
「私もあなたの意見に賛成でしたので。」
「へえ。」
「そうと決まれば、魔術の特訓から始めましょうか。 」
「魔術……。それを使えば俺のやりたいことができるのか?」
カミラは黙って頷く。ショーンは笑みを浮かべてカミラと共に図書館を出た。
こうしてカミラ(ヘルメス)とショーンは行動を共にすることとなった。様々な街を襲っていたが六年前に襲ったウータタウンにいた三人を引き取ったあとは彼らの親を買い戻すためのお金を集めるために行動してきた。そして今でも。
~現在
「行くぞ!タコシータ。」
タコシータは魔術を体にまとってカブトに突進した。カブトは角を突き立てて対抗したがタコシータの突進はカブトの腹に当たった。角は空振りとなった。
「カブト!」
優太を援護するためにハカセは構えた。
「タイト!発砲!」
タコシータに向けられた紫色の光弾はタコシータの魔術によって消し去られた。
「何……」
「後ろだぞ。」
「!?」
ショーンはいつの間にかハカセの背後に回りこみ、持っていた剣でハカセを斬りつけた。ハカセは血を流して倒れた。
「ハカセさん!」
賢は倒れたハカセの元に向かい、ハカセを保健室まで運ぼうと抱えて走った。
「逃がさん。」
ショーンは賢に攻撃しようとしたが
「ウチダトルネード!」
ウチダが放った竜巻によってそれは防がれた。ショーンはよろけたがすぐに持ち直して
「ならこの船を破壊してやる。」
持っていた剣に魔力を込めると
「破壊魔術!!!!!」
そう叫んで剣を船の床に突き刺した。そして船に穴が空いた。
「やめろ!」
シュウトが叫んだ時にはもう遅かった。
「ふん、せいぜい楽しむんだな。俺とカミラはやられた三人を治療しなきゃならんのでちょっと席を外すぜ。」
「待て!!」
シュウトは追いかけようとしたがショーン達は消えてしまった。船に空いた穴から水が入って、このままだと大変なことになる。
「ハカセ君がいないんじゃどうしよう。考えなきゃ……」
「無理だ!もう俺たちは終わりだ!」
「ジョー、何諦めてんだ!」
「師匠……」
「お前の魔術で何とかなんねえのかよ!」
「はっ、浮遊魔術なら船を浮かせられる……」
「それだ!」
「やってみます……」
ジョーはシュウトのおかげで勇気を持った。
「浮遊魔術! 」
ゴゴゴゴゴ
船が少しづつ浮かんできた。
「す、すごい……」
「こんな大きな船を……」
ジョーは魔術に成功した。
「すげえぞ!ジョー!!見直したぜ!」
「師匠に褒めてもらって嬉しいです。」
「俺は師匠じゃなくてシュウト!」
「よーしこのままドート島までレッツゴー!」
「いぇーい!」
そして十五分ほど飛び続けた時。
「あ、あれドート島じゃない!?」
「地図の絵ともそっくりだ!」
「あ、待って……魔力切れ……」
ジョーはバタッと倒れてしまった。
「大丈夫か!?ジョー!」
「でも待って……ジョー君が倒れたってことはこの船は……」
「「「「真っ逆さまーーーー!」」」」
「今なら間に合う!」
彩はカワセミの姿になってそのか細い足で優太号を掴んだ。落下は止まった。
「彩さんもすげー……」
「みんな大丈夫ー?」
「大丈夫でーす。ありがとう彩さーん。」
そうしてゆっくりと島に船を着地させ優太達はついに目標だったドート島にたどり着いた。
「よし、じゃあトーマスさんって人を探そう!」
~ドート島にある崖
「一人で出かけるんじゃなかった……」
崖に生えた枝につかまって何とか落ちずに済んでいる少女はそう呟いた。
ザ・ページ第五章~[完]~
第五章終了ー!第六章はもう本当に新情報ありまくりなので必見です!