六年前の話
最近将棋にハマっている今日この頃です。
王手!
早くいいねを押して感想を書かないと詰んでしまうぞ!
「俺たちはそもそも最初は赤の他人だった。でもあの時、ウータタウンで出会ったんだ……」
~6年前 ウータタウン
「邪魔するぞ!」
大男が家の扉を破壊して入ってきた。
「何すんだ!お前誰だ!」
カパ二郎は怯えず叫んだ。彼は食事中だったのでテーブルに置いてあったスパゲッティの乗った皿を投げつけた。しかし
パリーン!!
「ちっ、つまらない真似を。」
大男は皿を破壊した。スパゲッティが地面にばらまかれた。
「カパ二郎!大丈夫!?」
「母ちゃん!こいつが家に入ってきたんだ!」
「誰ですか!?」
「取引に来たんだ……お前の子供を」
ドカァン!
カパ二郎は殴られた。嫌な音がしてカパ二郎は口から血を吐いた。
「カパ二郎!」
「こんなふうに殴られたくなかったら、自分を人質としてこいつを俺の元で働かせてもいいと言え。四年前に海賊に襲われたせいで労働者がいねえんでね」
男の正体は奴隷を探している商人だった。
「母ちゃんを人質に……?」
「子供の命だけは助けてください!」
「やめろ……母ちゃんに何もするな……」
「何もしないさ、お前が働くならな。」
商人のセカンドロスは笑みを浮かべた。欲望に染った笑みだ。
「母ちゃんに何もするな……働くから……」
「もしサボったら、母ちゃんを殺す。いいな?」
「サボらねえ……母ちゃんが生きるなら……」
「カパ二郎!ダメ!あなたはここに残りなさい!私が行くから!」
「いいか、お前はこれから俺の元でこき使わせてもらう。おい!この女とカッパをひっ捕らえろ!」
「はっ!」
「離して!あんまりよ!私たちは何もしてないわ!」
「母ちゃん……」
「カパ二郎ー!」
そうして親子の関係は引き剥がされた。カパ二郎は働かされることになった。
「さっさと働け!このカッパ!」
真面目に働いていたカパ二郎だったが
「グェッ」
カパ二郎はセカンドロスに腹を踏みつけられた。当然ながら痛かった。それに気持ち悪くなる。しかも相手は大人。カパ二郎は11歳だ。毎日足を踏み入れるここの労働環境はとても悪い。
「ちっ、しっかりやっとけよ。」
カパ二郎を奴隷として飼っているセカンドロスはそう言って作業場を出ていった。
「カパ二郎君、大丈夫?」
リアス(当時9歳)
「リアスちゃん。俺の事を心配してないで、自分の仕事をした方がいい。俺たちは働いてればいいんだ。」
「いつかこんな日が終わるかな……」
ノスキャ(当時15歳)は疑問を口にした。
「多分……これは一生終わらない……」
ノスキャとリアスも親がいたが、親を人質とされて働かされている。毎日労働して、僅かな賃金と暴力を飼い主から渡されて一日を終える。奴隷の印である赤い紋章は世間では差別される。そのため、彼らは幸せな日々を送ることはないと自分たちの中で勝手に諦めをつけていた。でも諦めるしか無かった。食べ物を買うのでお金を全て消費してしまうようでは、親を買い戻す金額など集まるはずもない。
「このウータタウンに来てから何ヶ月たったっけ?」
「そんなの覚えてないよ。」
「毎日これだもんね。誕生日ももう忘れたよ。」
「ね。」
そんな地獄のような毎日だった。しかしある日の夜。
「海賊だー!ショーンとカミラだー!四年前の悪夢が帰ってきたぞー!」
町はショーンとカミラに再び目をつけられ、燃やされた。ある者は船で逃げ、ある者は政府軍に届けられた。
~三人のいる作業場
「なんか音がこっちに近づいてくる……」
「怖いよぉ……」
ギィィガシャン!
「あら、子供が三人……」
カミラが入ってきた。
「なんだお前は!俺たちをどうするつもりだ!」
カパ二郎は恐怖で震えながらも叫んだ。
「一個質問していい?」
「なんだよ」
「ここ、好き?」
「大っ嫌いだ」
「なら、私と一緒に海賊にならない?」
「海賊……?」
「そうよ。お宝を沢山見つけて、奪って、お金持ちになるのよ。」
「ここにいなくていいのか?お金があれば、お父さんとお母さんにも会えるのかな?」
「お金があればなんでも出来るわ。(この子達もこの街には親がいないのね……奴隷はやっぱり親と子が離れる運命なのかしら。)」
「みんな、どうする?」
「海賊になりたい!」
「俺も!」
三人はお金欲しさに海賊になることを決めた。
「決まりね。じゃあ行きましょう。私の相方が向こうにいるわ。」
~今から3年前
「あと少しだ。あと少しで俺たちの親をあいつらから買い戻せるぞ……」
「うん!頑張ってきてよかったね!」
「おう、ショーンさんとカミラさんのおかげです。」
「お礼はいい……いや、お礼はちゃんとお父さんとお母さんに会ってから言ってくれ」
そう。彼らがお金を集めているのは、カパ二郎とリアスとノスキャの両親を飼い主たちから買い戻すためだった。必死に街を襲って、海賊を襲って、人を売って、そうやってショーンとカミラは三人のために尽くしていた。
~現在
「お前たちには俺たちの苦痛なんてばがらねえんだよ!」
カパ二郎は泣きじゃくりながら叫んでいるせいで声がガラガラにになっていた。
「ざっざどごこからでてげ!!」
「そこまでだ!」
「?」
「?」
誰かの声がした。その声のした方へみんなの視線が集まった。そこに居たのは軍服を着た人々だった。
「せ、政府軍だ!!」
「クソ!この忙しい時に!」
「海賊たち、牢屋に入ってもらおうか」
ケントロ少将とそのパートナー金崎(ヘルマンミヤマクワガタの種)
トランペルン中将とそのパートナーフラム(スペキオシスシカクワガタの種)
「と、トランペルン中将!?」
「大崎優太さん!あなたには感謝していますが、デュエラーであるならば私が責任をもって逮捕します!」
トランペルン中将は優太に突進して頭を掴んだ。そして
「コンクリート!」
優太は足をコンクリートで固められた。
「な、なんだこれ!」
「ケントロさん!」
「あいよ」
ケントロ少将は巨大化した。その姿は古代に生きていた恐竜ノドサウルスだった。
「スピードブロー!」
動けない優太の体にムチのような尻尾の一撃が突き刺さった。
「うあっ!カブト!あのパートナーにぶちかまし!」
「フラム!そいつをコンクリートで固めろ!」
カブトもコンクリートで足を固められた。
「まずい!」
「政府軍に捕まる訳にはいきません。逃げますよ。みんな。」
カミラは魔術を使ってリアス達を連れてどこかへ消えてしまった。
「ナイスです!ケントロさん!コンクリートカフス!」
トランペルン中将はコンクリートで手錠を作った。
「大崎優太!午後2時15分、クレシェンドダイヤを探そうとした容疑で逮捕します!」
カチャッ
手錠をはめられてしまった。
「まずい!お兄ちゃんが捕まった!」
「助けなきゃ!」
「イコニココ!」
ジョーが唱えた魔術によって、何とか優太とカブトはトランペルン中将のそばからジョーとみんながいる所へ転送された。
「ありがとう、ジョー」
「いえいえ、お礼なんて……ぐふぁッ!」
「大丈夫!?」
「あはは、また胸の痛みが……」
「急いで優太号に乗ろう!」
六人は急いで船に乗った。
「煙幕魔術!」
ジョーが煙幕で何とか時間を稼いだ。
「あっ、煙幕か!」
「まずいな……逃げられてしまう……」
煙幕が消えた時、優太号はそこになかった。
「こちらトランペルンです。大崎優太はハクア島からドート島に向けて今出発しました。取り逃してしまいましたが、引き続き追い続けます。」
~優太号
「何とか逃げきれたね。」
「でもこの手錠外れないよ」
「でも無事にドート島に着きそうだね。」
「……ってかなんでちゃっかりジョーがこの船に乗ってるんだ?」
「え、いやぁ俺、居場所がないんですよ、師匠。」
「俺は師匠じゃなくてシュウトだ。」
「まあ、ジョーには沢山助けて貰ったし、もうチーム優太の一員ってことでいいよね。」
「え?俺がチーム優太に……」
「嫌だった?」
「超ーーーーーー嬉しいです!」
「やった。じゃあチーム優太七人目はジョーだね。」
「えへへ、俺もデュエラーになったのか……クレシェンドダイヤを見つけるのが楽しみですね!」
「そうだねー。」
「楽しそうですね。大崎優太」
「!?」
声がしたのは優太号の真ん前からだった。
「私たちはあなた達を許したわけではございません。」
「か、カミラ……」
「ショーンさんの仇!おれが取る!」
カパ二郎は優太に突進した。その体は水でおおわれていた。
優太はしっかり受け止めた。その拍子に手錠が壊れた。しかし
「アクアポンプ!!」
「うあっ!こんのっ!」
「おあっ!」
カパ二郎をパンチで吹き飛ばしたが、彼の口から放たれた強力な水流を喰らってしまった。優太号の広間の床が水浸しになった。
「まずいぞ!船が沈没する!」
このままでは船に水が溜まって沈んでしまう。しかし敵は止まることを知らずに攻め入ってくる。
「飛行魔術!」
リアスは空を飛んで襲ってくる。
「フルハウス!」
「きゃっ!」
フルハウスが命中し、リアスは吹き飛ばされた。喜ぶ優花だったが、その背後にはノスキャがいた。それに気づかない優花は
ガシッ
「あっ!んん!……」
「油断したな。大崎優花。」
透明だったノスキャに気づけず両手と口をノスキャの手で防がれて動けなくなった。
「お姉ちゃんを離せ!」
賢が助けようとするが
「粘着舌!」
勢いよく伸びた彼の舌がさとるの顔面に直撃した。
「何だこれ!ネバネバするよ!」
「俺はカメレオンだ。舌はもちろん敵を捕まえるためにある。」
ストレンジカメレオン、ノスキャ及びそのパートナーソルベイ(シオカラトンボの種):懸賞金8800000ルーン
「発砲。」
「吸収魔術。」
ハカセがカミラへ放った光弾は魔術によって吸収され、カミラのエネルギーの一部となってしまった。
「カワセミチョップ!!」
今度は彩がカワセミの姿になってその鋼のように硬い翼でチョップをカミラに繰り出したが
「防御魔術」
衝撃波を工夫して放つことで相手の打撃を抑える魔術、ガードマジックによって防がれた。
「彩姉!同時攻撃だ!」
「了解!」
「速攻閃光!」「エッドウィング!」
カミラは華麗にそのふたつの技をかわしてハカセを足で踏みつけジャンプし、彩に衝撃波を撃ち込んだ。
「うあっ!」「あぁっ!」
二人は同時に地面へ叩きつけられた。
「な、なんであんなに対応が速いんだ……」
「私のスキルは ダブル演算よ。ひとつしか脳を持ってないけど、ふたつの思考を同時にすることが出来るわ。だから二人でかかってきたって対応できるわ。」
「ふたつの思考を同時に……」
「飛行魔術!」
「フレイムパンチ! 」
シュウトの燃える拳を綺麗にかわしたリアスはそのひじに強烈な蹴りを入れた。
「うがっ……」
関節の部分を攻撃されると流石のシュウトも耐えられない。しかしシュウトはそんなくらいでは負けない。
「ブレイズキック!!」
体勢を崩しながらも空中で蹴りを繰り出す。しかしリアスはその足を掴んでシュウトを逆さまに持った。
「女の子を蹴るの?」
「ああ。勝つためだ。文句あるか?」
「デリカシーがなってないわね。ショーンさんの仇!!」
そう言ってリアスはシュウトを思いっきり下へ向かって投げつけた。
シュウトは優太号に勢いよく叩きつけられた。シュウトへのダメージはとても大きかったがゆっくりと立ち上がって
「ショーンってのはそんなに大切な人なのか……」
「何よ!いまさら!あんた達がショーンさんをボロボロにしたんじゃない!何わかったみたいに口聞いてんのよ!」
「分かるさ。大切な人がどれだけ大きなものってことくらい……俺たちは俺たちの大切な人がいて、大切な目標がある。お互い頑張ってんだよ。でも今日勝つのは俺たちだ。この一撃できめてやる……」
シュウトが両手を裏向きに重ねると彼の体はゴオッ!と青いオーラに包まれた。
「殴られるのが嫌なら……」
そう言っている時にはもうリアスの目の前に来ていた。
「!?」
「風圧で吹き飛べ!」
シュウトは拳を彼女の手前で寸止めした。通常なら何も起きないが、彼の拳の速度が早すぎて周りの空気の渦が彼女に流れ込んだ。
「きゃぁぁぁ!!」
リアスはその風に吹き飛ばされてカミラの船、エジソ・ボンパー号に叩きつけられた。
リアス:戦闘不能
読んでくれてありがとうございます。読んでて分からないことがあったら質問は受け付けます。答えられる範囲で何でも答えますんで(この時点で何でも ジャないですが……)