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最強の剣士は、世界の低すぎるレベルに失望し、異世界へ転生しました。  作者: 木山楽斗


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第62話 副隊長の隣で

 俺は風呂を終え、部屋に戻って来ていた。


「あ、スレイド。お邪魔しているよ」

「あ、お邪魔しているわ」

「師匠、お邪魔しています」

「スレイドさん、また勝手に入らせてもらいました」


 すると、既に部屋には四人がおり、ベッドでくつろいでいる。

 俺が風呂に入っている間、クレッタが鍵を開けて、部屋に入ったのだ。


 別にいいのだが、俺のプライベートとはどこにいっているのだろうか。


「今日からは、ソーナも一緒か……」

「ええ、よろしくね」

「ああ、よろしく……」


 今日からはソーナも一緒のようだ。

 一昨日も一緒に寝たため、問題はないのだろう。


 しかし、少し前までは、ソーナと一緒に寝るなど、考えもしなかった。

 いや、それは他の三人も同じだろうか。


「さて、スレイドも戻ったことだし、順番を決めようか」


 そこで、ファラエスがそう言って音頭をとる。

 いつも通り、寝る順番を決めるのだ。


 今日は、誰の隣になるのだろうか。

 ただ、ソーナの隣ではないはずだ。ソーナは、俺やファラエスの隣だと緊張してしまうので、そのはずである。


「今日は、私があなたの隣でもいいかしら?」

「え?」


 しかし、俺のそんな予測はすぐに外れた。

 ソーナが、俺にそう言ってきたのである。


「……嫌なの?」

「あ、いや、嫌ではないが……大丈夫なのか?」

「大丈夫ではないかもしれないけど、これからも一緒に寝るのなら、慣れておかなければならないでしょう?」

「まあ、そうかもしれないが……」


 どうやらソーナは、これからのことを考えて、俺の隣で寝るのに慣れておきたいようだ。

 なんとも、真面目な考え方である。いや、この行為そのものが真面目ではないかもしれないが。


「ファラエス隊長の隣は、まだ少し厳しいから、あなたの隣がいいのよ」

「そうなのか……」


 ソーナの中では、俺よりもファラエスの方が、隣で寝るのが厳しいようだ。

 男の俺よりもファラエスが厳しいとは、中々のものである。

 もしかしたら、ずっと憧れてきた相手なので、そうなのかもしれない。


「だって、いきなり抱き枕なんて、困るもの……」

「ああ……」


 俺がそう思っていると、ソーナがそんなことを言ってきた。


 それは、納得の理由だ。

 ファラエスの抱き枕にされると、色々とすごいことになる。

 そのため、まずは俺というのは、とても理解できた。


 ただ、今日は俺ということなので、いずれはファラエスにも慣れていくのだろう。


「それなら、ソーナが端で、その隣がスレイド、それで私が反対側の端ということにしようか」

「え?」


 そこで、ファラエスがそんなことを口にする。


「ソーナが緊張しないように、私が一番離れておくのが、最適だろう?」

「ファラエス隊長……ありがとうございます。それと、ごめんなさい。避けるように、なってしまって……」

「別に構わないよ」


 ソーナも納得したため、その位置取りになるようだ。

 その位置取りの場合、俺はソーナと誰かに挟まれることになる。

 それは、中々にあれだが、仕方ないだろう。


「それなら、私がスレイドさんの隣に……」

「あ、そうですか?それなら、今日はボクがファラエス隊長の抱き枕ですね」

「ああ、セリア、悪いけどお願いするよ」


 クレッタが、ファラエスの抱き枕になるのを嫌がったためか、残りの順番はそのようになった。

 つまり、俺の隣にはクレッタだ。色々と心配である。


「それじゃあ、そろそろ寝ようか」


 ファラエスの一声で、俺達はそれぞれの位置につく。

 それを確認して、ファラエスが明かりを消してくれる。

 その後、ファラエスが寝転んで、寝る準備完了だ。


 とりあえず、俺は上を向いておくことにした。

 どちらを向くべきか、わからないからだ。


 両側から、体温が伝わってきて、少し緊張してしまう。


「スレイドさん、ソーナさんの方を向いた方がいいですよ。慣れるためなら、その方がいいですから……」

「……ああ、そうだな」


 色々考えていた俺に、クレッタがそう言ってくれる。

 クレッタに対して色々と心配していたが、今日は普通に優しいようだ。心の中で、クレッタに謝罪しておこう。


 ということで、俺はソーナの方を向いてみる。


「あっ……」


 すると、ソーナが声をあげた。

 やはり、緊張しているようだ。


「大丈夫か? ソーナ?」

「え、ええ……意外と近いのね」


 俺の問い掛けに、ソーナはそう言った。その声は、若干震えている。

 あまり、大丈夫ではないのかもしれない。


 暗くてよくは見えないが、少し顔も赤い気がする。


「やっぱり、変わるか?」

「駄目よ。慣れるためなんだから……」

「そうか……」


 このままでは眠れなさそうなので、交代した方がいいと思ったが、ソーナはそれを認めなかった。


 その決意は、固いようだ。

 それなら、俺も付き合うとしよう。


「……むしろ、もっと寄るべきよね」

「え?」

「少し、詰めるわよ」


 その時、ソーナがそう言い、距離を詰めてきた。

 そこまでする必要はないと思うのだが。


「……うう」

「くっ……」


 ソーナと体がくっつき、その匂いや温かさや柔らかさが伝わってくる。

 いや、元々伝わっていたのだが、近づくとより強調されてしまうのだ。また、眠れないかもしれない。


 ソーナもかなり緊張しているようだが、大丈夫だろうか。


「……うん?」


 そこで、俺は思わず声をあげてしまった。

 それは、背中に柔らかい何かが当たったからである。


 それが誰の何かは、すぐにわかった。

 これは恐らく、クレッタの胸である。


「クレッタ……どうした?」

「すみません、スレイドさん。なんだか、くっつきたくて……」

「くっつきたくて? 何故?」


 クレッタは、何か恥ずかしそうにそう言ってきた。

 一体、どうしたというのだろうか。


「その、両隣でイチャイチャされると、真ん中の私が、とても寂しいことになってしまって……」

「両隣? いや、それは……」


 クレッタがくっついてきた原因は、真ん中なのに孤立してしまったからのようだ。

 確かに、俺とソーナがくっついており、ファラエスがセリアを抱き枕にしているので、クレッタは独りともいえるだろう。


 だが、だからといって俺の方に引っ付かなくてもいいんじゃないか。


「どうして、俺なんだ……?」

「お嬢様に抱き枕にされたくなくてここにしたのに、お嬢様の方に寄るのは、少しおかしい気がして……」

「いや、それは……」


 クレッタは、何やらよくわからない理由で俺の方にくっついてきたようだ。

 まあ、とりあえずそれはいいとしよう。

 しかし、まだ思うところはある。


「どうして、その……胸を押し付けてくるんだ?」

「くっつくためには仕方ないじゃないですか。それに、これはサービスですよ?」

「……サービスか」

「そうです。だから、いいでしょう?」


 俺の質問に、クレッタはそう答えてきた。

 これは、サービスのようだ。


 確かに嬉しくないとはいわない。

 だが、それで俺は眠れなくなりそうなので、中々困ったものだ。


「……スレイド、何か楽しそうね」

「あ、いや……」


 クレッタと話している俺に、ソーナが話しかけてきた。

 俺がクレッタに気をとられてしまったからか、少し不機嫌な気がする。気のせいだろうか。


「まあ、いいわ。もう寝ましょう」

「あ、ああ、わかった」


 ソーナがどういう気持ちだったかはわからないが、そう言われたので、そろそろ寝ることになった。


「あ、話は終わったかな? それじゃあ、お休み、皆」

「お休みなさいです」


 その言葉に反応して、ファラエスとセリアがそう言う。

 二人とも、かなり眠たそうな声だ。


「それでは、お休みなさい」

「ああ、お休み」

「お休みなさい」


 こうして、俺達は眠りにつくのだった。

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