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女子自動車部こんぺてぃちおーね!  作者: 多井矢成世
序章 モータースポーツの夜明け
2/19

会議室

 今からさかのぼること約10年、まだ世の中はリーマンショックの影響が色濃く残る中、自動車メーカーの役員が集まり自動車工業会の定例会が行われていた。


 会議の本題が終わり歓談の最中にそれは起きた。


N社役員「しかしここ数年、国内の自動車販売は変わらずぱっとしませんね。おまけにこの不景気で若者の車離れは進むばかりですよ」


H社役員「いやはや参りましたよ。我々なんか新車発表会に呼んだ女性タレントが『もう車にステータスを求める時代じゃない』みたいな事を言い出して一同肝を冷やしました…」


T社役員「ウチは代わったばかりの社長が根っからの車好きで、自らレースやラリーに乗り出して広報活動していますが、まぁ一般層へのアピールとはなかなかいきませんな」



「お、お、おんなのこ・・・」

突然絞り出されたセリフに一同がぎょっとして声の主へ顔を向ける


「か、かわいい女の子、いや、かわいい女子大生がキャッキャウフフして車を運転しとるのが見たい!!」


声の主はM社の役員であった。

彼はさらにまくし立てる。


「今でも大学の自動車部は細々と大会をやっとるでしょう?それを女子部員のみを対象にした大会を開くんです!成績優秀校には補助金と就職枠を斡旋しましょう!何だかんだ我々は人気業種です。大学側は絶対に喜びます!競技は何がいいかな?ドリフト?いや、可憐な女子大生には似合わないな。そうだジムカーナがいい!何だかんだ一番やってる人多そうだし釣られてやる人も多そうだ!運営は広告代理店に考えさせましょう!あいつらモータースポーツに関してはアレですがこういう話ならノリノリで考えるでしょう。うん、これはいい、いける!」


一同「女子大生……いいなぁ~」


 同年自動車メーカーが主体となり「大学女子自動車部競技会コンペティチオーネ」が発足する。

日本のモータースポーツ、ひいては自動車人気の復権を託されて!?

【今回の補足】

ジムカーナとは?

 ジムカーナ (Gymkhana) は、舗装路面で行われるモータースポーツの一種である。その細かな形態は国によって異なるが、日本国内では、公道を走行できる地方運輸局のナンバー付き車両のクラスが主流で、サンデースポーツとしてアマチュアドライバーが最も始めやすいモータースポーツの一つである。非舗装路で行われる場合はダートトライアルと呼ばれる。一斉にスタートし先着後着を争うレース(競走)ではなく、タイムなどで順位が決定するコンペティティブ・ペーシェンスである。(Wikipediaより)


 入門者用モータースポーツではあるが、JAF全日本格式、地方格式、その他クローズド(非公認)競技が全国各地で行われている。開催場所もサーキットにパイロン(工事現場にあるコーン)で規制をかけたり、駐車場のような広場にパイロンで走行コースを作成するなど自由度が高い。

 午前中に1本、午後に1本の合計2本を走行し速かった方のタイムで順位を決定。また、パイロンに触る、サーキットコースであれば脱輪をした場合は+5秒のペナルティ、コースを間違えた場合はその走行は無効ミスコース、というのが一般的な競技形式になっている。 

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