学園奴隷の僕は神のデスゲームで勝者となる
スマホで下書きしてたのにPCで一気に書いたwww
「ほら背中借りるぜ」
上靴の裏が四つん這いになっている僕の背中に押し付けられる。
周囲のクラスメイトはニヤニヤとその光景を見ながら笑みを浮かべていた。
「ほらっ授業を始めるぞ!席に着け」
「「「「はーい」」」」
クラスメイト達は四つん這いのままの僕を放置して自分の席に着く・・・
僕は四つん這いの姿勢のまま教卓の方へ進み自らの位置へ移動する。
「お前達も分かっていると思うが週末は定期試験を行なう!くれぐれも他のクラスに負ける事の無いようにな!」
そう言って教卓の上に置かれていた棒で僕の後頭部を叩く!
叩く!叩く!たたく!たたく!
痛みに呻き声が漏れそうになるが必死に歯を食いしばって耐える・・・
ここは私立獄門高等学校。
超名門校のこの学校には長高額の学費を納める天才と呼ばれる者達が通っている。
僕も類に漏れず天才と呼ばれる頭脳を持つ一人だった。
入学説明会に来た時は孤児だった自分でも学費免除の特別コースがあると知って歓喜したものだ。
この学校さえ卒業すれば進路は思うまま、この学校を卒業する事自体がエリート街道への道なのだ。
その為、学費さえ払えば将来は安泰と思われがちだが実際は異状に偏差値が高く一般生徒では3ヶ月を待たずに退学するのが普通だ。
それもありこのクラスには入学当時30人はいたクラスメイトも今は僕を入れて10人に減っていた。
「よっと」
教師が僕の背中に足を乗せて立ち上がる。
黒板の上の方へ書くのに足台にしているのだ。
この学校へ学費免除の特別コースが在る事は先程説明したと思うがこれには条件があった。
簡単に言うと学校内に卒業まで監禁されクラスの代表奴隷として生活を義務付けられると言う事だ。
特別コースで入学した生徒は他のクラスメイトから何をされても文句一つ言う事は許されず外への連絡手段も無い。
首に付けられた首輪が常に自分を監視し校外へ出たりこの奴隷制度の事を口走ったりしたら爆発して僕は死ぬ。
入学初日に誓約書を書かされたからこれに関してどうする事も出来ないのだ。
勉強にストレスは付き物、それを緩和する為に考えられた何をやっても逆らわない奴隷と言う非現実を持ち込む事で発散の場を設けたわけだ。
「せんせーそれ臭いです」
「おっそうかそうか、ほらっ」
頭にスプレーを掛けられる。
トイレの便器等に使われる消臭スプレーが掛けられているのだ。
風呂に関しては毎週末に運動部のシャワーが使用できるのみなので体臭が酷いのはもう諦めている。
目を開けるとこちらを見るクラスメイト達の見下した目とニヤけた口元が浮かぶだろう。
スプレーが目に染みるので見ることは無いがそれでも十分想像するだけで分かる。
「なんだっ?!」
突然クラスが騒がしくなった。
頭に掛けられていたスプレーが止まりザワザワと騒がしくなったクラスメイトの声が気になりゆっくりと目を開くと床に光る模様が出現していた。
魔法陣?
漫画なんかで見た事があるそれを何だろうと思った次の瞬間僕たちは光に包まれた・・・
『ほっほっほっ君達が今回のプレイヤーか』
真っ白の空間であった。
白く長いヒゲを生やした杖を持った老人がそこに立っており嬉しそうにこちらを見ていた。
「だっだれだあんたは?!」
『神・・・と言えばいいかの?それでは説明を始めるから良く聞くように』
「な、何を言ってるんだ?これは一体どう言う事だ?!」
『うるさい男じゃのぅ、まぁ大人は必要ないから見せしめが必要じゃな』
「はっ?・・・ひ・・・ひぐ・・・ひぐぇぇぇ・・・」
誰もが絶句した。
教師が老人に詰め寄った時に老人が手を翳した。
ただそれだけだ。
なのに教師は上から圧力を掛けられたようにうめき声を上げながら潰れていったのだ。
人間を縦に潰すとこうなるのかと非現実的な光景に誰もが唖然としながらそれを見詰めていた。
『ほっほっほっそれでは話を続けよう、君達にはこれから殺し合いをしてもらう。元の場所へ戻れるのはこの中の1人だけじゃ』
「な・・・何を言って・・・」
『これから君達には希望する能力を一つ授ける、それを使って他者を殺して生き残れば良い。単純明快で分かりやすいじゃろ?』
神と名乗った人物はこの能力を使って殺し合えと言って来た。
そしてルールを告げられた。
『能力の希望は他者と同じには出来ない、早い者勝ちというわけじゃな。そして能力を得たものから会場へ移動してもらう。能力には使用にリスクが必要になるのじゃがそれは得た本人にしか分からない』
それだけで誰もが理解した。
伊達に天才と呼ばれる人間が集まっている訳では無いのだ。
「俺はゲーム『ドラゴンファンタジー』の魔法を使う能力が欲しい!」
『うむ、一番はお前じゃな』
そう言って1人の姿が消えた。
ドラゴンファンタジー、某有名国民的RPGゲームだ。
その中の魔法と言えば火や雷を起こすだけでなく瞬時に移動したり傷を癒したりする事も出来る。
なるほど、リアルにそんな物が使えるのなら他者を殺すなんて簡単だろう。
「僕は・・・ぐえっ」
「なに奴隷が口開いてるんだよ!」
早い者勝ちと言うことで考えた能力を言おうとしたら顔面を誰かに蹴られた。
痛みに悶絶する俺の横で立っていたやつが告げる。
「俺の命令に絶対従う能力をくれ」
『ほっほっほっそら』
また1人姿が消えた。
命令に従う能力、死ねと命じれば相手は自殺すると言うわけか・・・
「私は目で見るだけで相手を石化する能力を」
「吐く息が自分以外には毒になる能力を」
「自分に対して殺意を持った相手を元素へ戻す能力を」
ざわざわ・・・
一気に告げられたとんでもない能力の数々に誰もが耳を疑った。
そんな相手と殺し合いをして勝てるわけが無い・・・
そう考えたのだが・・・
『ん?残った君らは続かないのかのぅ?なら一つ良い事を教えてやろう。能力にはリスクが勿論ある、詳細は本人にしか教えられないのじゃがそう悲観しなくてもいいぞい』
その言葉は救いであった。
使用回数や使う際に条件が必要であったりすると言う事なのだろう。
「俺は数秒間姿を消してその間誰にも認識されない能力を」
「あたしは現代兵器を自由に生み出す能力を」
「さっきの神様が使った能力をくれ」
続けて3人が姿を消した。
残るは僕を入れて3人・・・
「じゃあっ相手の能力を反射する能力をくれ」
『ほぅ・・・』
神様の目付きが変わった。
そして、残されたのは1人の女生徒と僕だけだ。
チラリとこっちを見た女生徒は僕に近寄り突然僕の髪を掴んで神に向けてこう言った。
「こいつを私の盾にする能力を頂戴」
そう言って女生徒は姿を消した。
一瞬ドキッとした自分が情け無い、しかし盾にする・・・
その言葉が僕の頭の中でグルグルと巡る。
『さぁお主で最後じゃ、もう始まっておるじゃろうから早く決めるんじゃぞ』
「もう・・・始まってる?」
その言葉に僕は口元を歪め肩を震わせて笑い出した。
「そうですか・・・ふふふふ・・・あはははははは・・・もう始まってるんですね!」
『やれやれ、参加する前から壊れたかのぅ』
言葉的にこれはこの神と名乗る人物が何度も行なっている事なのだろう。
日常から引き離されて突然非日常に落とされて殺し合いをさせられて心が壊れる人が出るのは当たり前だ。
「そうですね、それじゃあ僕の能力は・・・」
「ひっ止めろ!やめてくれ!」
「他人を殺す気でいたくせにそんな言葉が通るわけないだろ?」
老人が命乞いをする前に立つ男が手を翳せば老人は縦に潰れて死んだ。
魔法が使える様になった学生は使うたびにゲーム中の必要MP分だけ年を取った。
そして縦に人を潰す能力は男の視力を奪う・・・
「な・・・これがリスクか・・・がはっ・・・」
突然血を吐いて倒れる男。
その後ろには口から毒を吐く男が居た。
「くそっ・・・くそっ・・・くそっ!!!」
「ほらっ次はあいつだ!行け!」
命令を下されて毒を吐く男は足を進める。
その2人を同時に弾幕が襲った!
両手にマシンガンを構えた女がそこに居た。
その女の腰に在った手榴弾のピンが突然抜けた。
「へっ?!」
振り返ると姿を消す事が出来る男が手榴弾のピンを持って走っていた。
女はそいつへ向けて手榴弾を投げようとするのだが直後にそれは爆発し女を吹き飛ばす。
姿を消せる男は立ち止まり顔を真っ青にしてそのまま前のめりに倒れる・・・
姿を消している間は呼吸が出来ず、その10倍の時間呼吸が出来なくなるリスクにより男は660秒息が出来なくて窒息したのだ。
「ぐ・・・あっ・・・」
能力を反射できる男の後ろから首を締め上げる女生徒。
その正面には石化を反射されて石になった男が居た。
「くそっ・・・盾にしようと思ったらあいつ何処にも居ないんだもんな」
最後に残った女生徒が殺した男から手を離して倒れた男の頚椎を石で何度も叩き確実に殺す。
その女生徒の前に僕は姿を現した。
「やぁ」
「てめぇふざけやがって・・・」
普段とは違う僕の態度に腹を立てたのか女生徒は怒りを露に近寄ろうとする。
だが僕は彼女へ向けて拾ったピストルを構える。
「君の負けだよ、僕を盾にするには僕に触れてないとダメなんだろ?」
「ちっ・・・」
そう言って僕はピストルを彼女の膝に打ち込んだ。
「あぎっ・・・」
「ねぇ、どんな気分?いつも僕にやっていた時こんな気持ちだったのかな?」
「ちくしょ・・・お前なんかに・・・」
「君の能力は僕を盾にする事だからどうしようもないでしょ?」
パンッパンッパンッパンッパンッ
先程拾ったピストルを次々と彼女の手足へ打ち込んでいく。
カチッカチッカチッカチッ・・・
「あれ?弾切れか・・・」
両手足を打ち抜かれた女生徒は痛みに苦しみながら僕を睨み付ける。
その視線に僕は興奮した。
「いいねぇ・・・嬉しいよ・・・君はいつも僕の事をうれしそうに苛めてくれたからね」
そう言って身動きの取れない女生徒の服を引き裂く。
そして、そのまま犯そうと服を脱いで抱きついたときであった。
「お前も道連れだよ!」
そう言って女生徒は僕の首筋に噛み付いてきた。
歯が動脈を噛み切り首から血が吹き出す。
両手足を打ち抜かれていたにも関わらずそんな行動に出れた女生徒。
最後の踏ん張りだったのだろう。
虫の息ながら動脈を噛み切られた僕の方が先に死ぬと分かってその表情は穏やかだった。
そんな彼女に僕は血を吐きながら告げる。
「能力・・・発動・・・」
その瞬間動脈の傷は消え去り目の前の女生徒の首から血が吹き出す。
これが僕の貰った能力、意識的に能力を発動する事で自身が5秒以内に受けた全てのダメージを目の前1メートル以内の者へ移す能力。
あの後、神と名乗る人物から雑談がてら既に始まっている殺し合いに参加するのを遅らせて情報を引き出した。
能力のリスクは使用の制限や条件を細かく指定して使える状況を限りなく絞る事で軽減する事が可能と言うことを知った僕はこの能力を選択した。
気が付いたら僕は1人クラスに立っていた。
他には誰も居らず僕は教室を出て自分が寝泊りしている部屋へ戻る。
担任を含め僕以外のクラスメイトが行方不明になった事件は騒がれたが公になれば学校の奴隷制度が問題視されると分かりこの件は秘密裏に処理された。
新しいクラスに移された僕は相変わらず奴隷として扱われている・・・
だが誰も知らないのだ・・・
あの自身が5秒以内に受けた全てのダメージを目の前1メートル以内の者へ移す能力が今も使えることを・・・
馬鹿みたいに僕の腹を蹴り上げた男が僕の髪を掴んだのでその隙に能力を発動する。
「ぐぇっ?!な・・・なんだこれ・・・」
突然蹲る男に周囲の者は奇妙な視線を向ける・・・
この能力の使い道を考えながらこれからも学園生活を続けるのであった・・・
完