異世界パラダイステレビとは《改》
かつて異世界には平和という時代があった。
しかし100年の間に2度にわたる魔法戦争が勃発。
特に第二次魔法戦争は、フォーリア合衆国率いる魔法連合軍と、タルネチア第三帝国が率いる枢軸魔法軍によって行われ、戦勝国も敗戦国も国土が荒廃して壊滅的な状況になっていた。
図らずも枢軸魔法軍に加担した、東夷国の東京州もまた、3月10日の東京大空襲により壊滅状態となっていた。
東夷国は敗戦国となり、全国の主要都市はほとんど焼け野原になっていた。
まもなくフォーリア合衆国の占領下に置かれ、徐々に復興してはいたが、まだかつての繁栄を取り戻すには遠く、世相には退廃した空気が流れていた。
そんな中、人々は日々の食事や生活だけでなく、心の糧である娯楽というものを求めていた。
そうした人々の要求に応えるかのように生まれた娯楽が、テレビだった。
既にフォーリア合衆国や、タルネチア第三帝国でもテレビは娯楽として普及していたが、東夷国ではまだ普及していなかった。
そんな東夷国でテレビ局が開局する。
それが『異世界パラダイステレビ』だった。
そしてテレビは、ものすごい勢いで国中に普及するようになり、『娯楽の王様』と呼ばれるようになる。
その異世界パラダイステレビの社長が、正力晋太郎という。
「私は今こそ、この異世界パラダイステレビを、世界一のテレビ局にしてみせる!」
既に異世界のテレビ業界を席巻していた世界5大テレビ局と肩を並べるため、
まずは世界の6番目のテレビ局として、のし上がるため、
いや5大テレビ局を凌ぎ、自分たち『異世界パラダイステレビ』が世界5大テレビ局の上に立ち、世界一のテレビ局という称号を得るため…。
何をやっても国内初。世界初の試みになっていく。
正力晋太郎社長は、さっそくその辣腕を発揮する。
次から次へと看板番組の企画を立案する。
そして次なる提案は、それらの看板番組の出演者を誰にするかという話だ。
「思い付いた。できればあちらの現実世界という世界で、居場所のない、自分たちの居場所を見つけられないような者たちを、
我が異世界パラダイステレビにて採用し、そして我が番組の出演者として起用し、視聴率に結び付けていくのと同時に、彼ら、彼女たちの内に秘められた才能を開花させてやるのだ!」
正力晋太郎社長は意気込んでいた。敗戦によって何もかも失い、生きる気力さえ無くそうとしていた東夷国の人々に、テレビ番組を通じて勇気と希望と、再び活力を与えるために…。




