Thnks fr Mmrs その7
内から宇宙が広がるような感覚が溢れ、わずかに残留していた監視者の力で両手を合わせると、もう一人の俺は消えて再び依由ちゃんと二人きりに戻り、打算もフリもなく心のままに語り始める。
「俺は姉さんがいなくなった世界を正面から見たことがなかった。
いつも俯いて、同じことを繰り返すだけの世界しか。
でも、ここでみんなと出会って....繰り返すんじゃなくて前に進むことの意義を知った。
姉さんへの後悔は消えないけど、今はそれを抱えていくことが出来る。
だから、ちゃんとこの目でもう一度地球を見たい。進化した自分の眼で」
「俺がみんなを連れてきてしまったんだ、だからみんなを帰す義務がある。依由ちゃん....一緒に地球を見よう」
言いたいことを一方的に言い切ると彼女は立ち上がって俯いた顔を上げると笑顔で涙を流していた。
『守さんは強いから...きっとそういうと思ってました』
『きっとそこに憧れて...好きになったんです』
彼女の可愛らしい笑顔と震える声と共に何か異様な感覚に、残った監視者の力はそれを使い切り何が起きているのかを教えようとしている。
彼女は用紙を握りつぶし床へ叩きつけて叫んだ。
『変わることのない、幸せのままじゃダメなんですか!それがダメなら、進化なんて...いらない!』
辺りの惑星がフラターを中心に引き寄せられていくのを感じ、思わず彼女に手を伸ばそうとすると再び彼女は俯いて言う。
『付き合わせてごめんなさい、大好きでした』
瞬間、目の前で無数の星の光が走り、凄まじい力で付き飛ばされるようにして依由ちゃんから遠ざかっていく。
「依由ちゃん!」
声は遠く届かず、彼女のしようとしていることを止められず歯を食いしばっていると隣には同じように何かがいた。




