表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ぼくの詩集

諦めよ

作者: 桜井あんじ

青年よ 大志を抱くな 諦めよ

老人は 言った


執着と根性

努力と浪費 

忍耐と怠惰

固執と意思

どうやって 区別をつけるのかと

老人は 言った

それは とても むずかしいから


どうせぼくなんて 

いても いなくても おんなじ

せかいはなにも かわりゃしない


ぼくがそう言うと

ほんとうにそのとおりだね と

老人は ほほえんだ


どうせぼくなんかより やくにたつひと

いくらでもいるよ

どうせぼくなんか

あれもだめだし これもだめ

それに あのことを言われれば

ひとことだって かえす言葉がありません


どうしようもないね と

老人は 頷く

そうだねと ぼくも 頷く


ああ ぼくは

あきらめよう いろいろ

どうしようもないこと

あきらめよう

だって どうしようもないんだから


むりのある綺麗事で 執着せずに

あきらめよう いろいろ


表があれば 裏がある

綺羅びやかな表の面の 裏側には

人知れぬ 暗い面


そうして

あきらめたぼくは いつしか

「どうせ」とは 言わなくなった


「さあ どうする」 と

ぼくは ぼく自身にたずねた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ・「執着と根性/努力と浪費/忍耐と怠惰/固執と意思」の言葉選びがいいなと思いました。 ・「どうせぼくなんかより やくにたつひと」から始まる段落で、「言」「言葉」のみ漢字を使っていて、目に飛…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ