プロローグ
僕はとある夢を見ていた。その夢の中で小さな少年が剣を持ち戦っていた。そして、少年は紅く燃える炎の中、戦いつつ叫んでいた。
「……を返せ」
僕はその声を燃える炎のせいでうまく聞き取ることができない。だから、夢だから死んでも大丈夫、多分と自分に言い聞かせつつ少年のところに進む。すると、少しづつ声がさっきよりは鮮明に聞こえてくる。
「……さんを返せ」
あと少し、あと一声ただ僕は少年の声が聞きたいだけなんだ。僕は緊張しつつ少年に近づく。僕は少年の歩幅5歩分まで近づくとその声がしっかりと聞こえた。
「母さん達を返せ」
僕はその言葉を聞いた時、僕を中心にものすごくでかい穴が真下にできる。
「えっ、えーーーーーーーー」
バタン。僕はベットから落っこちた。
「イッテー、何だったんだあの夢。まるで僕達みたいじゃん」
僕は頭を抑えつつ疑問点を考える。すると下から急いで階段を上がってくる音がする。ガチャ、誰かが入ってくる。
「咲夜く〜ん。起きたー。え、どうしたの頭打ったのお姉さんがチューでその痛みなんか吹き飛ばしてあげる」
「やめてよ。抱きつかないでよ綾ねぇ。てか、なんで下着しか着てないんだよ」
この変態の名前は蒼井綾。僕達の母の義理の妹であり、小さいころ両親を亡くした僕達を引き取ってくれた人だ。
僕は突然抱きついてくるこの変態を全力で手で抑える。
「だってー、男の子はみんな色ものの下着に萌えるってテレビで言ってたんだもん」
「そんなこと知らないよ。どんな深夜番組見てんだよ」
「いいじゃない。私だって年頃の女の子だし。そういうことに立って興味持っちゃうの」
なに嘘ついてんだこのお姉さんはあんた普通に20代だろと思うがそんなこと言ったら首吹っ飛ぶからやめておこう。
「まぁ、そんなことどうでもよくてお姉さん最近、咲夜くんとのスキンシップが足りてないんだよねー。だからチューしよチュー」
「絶対しない。したくないので丁重にお断りさせていただきます。あと絶対にその格好で近づかないで」
「もお〜なんでそんなひどいこと言うの。あ~わかっちゃった。照れてるんでしょ。こんな美人で色っぽくて結婚してないお姉さんにおねだりされて照れてるんでしょ。か〜わいいなー」
うるさいなしょうがないだろ年頃の高校生は自分の体に胸とかが当たると興奮しちゃうんだよでも僕は学校を退学したくない。だから頑張るんだ自分。
「だから、抱きつくの禁止。あー誰か助けてー」
僕は必死な声をあげる。すると階段を登る音がし、
「お兄ちゃんどうしたの。あ、あ、綾さんそういうことはしないでって前々から言ってるじゃん」
妹の日向が綾ねぇを引っ張る。
「な〜に、お兄ちゃん取られて嫉妬?兄弟での恋愛は良くないと思いま〜す」
「ち、違います。そんなんじゃありません」
良かった〜日向が助けに来てくれて。早めに大人になるところだった。
「お兄ちゃんもしっかりね。妹に迷惑ばかり立たせてたらダメだぞ」
「すみません。以後気をつけます」
そういうと日向は階段を下がって行った。
僕達は朝ご飯を食べ自分たちの行くべきところへ行く。
「お兄ちゃん。今日、日直だから先行くねー」
わかったーと僕は返事をしつつ学校へ行く準備をする。さぁ、僕も準備できたしいかないと
「綾ねぇ、行ってくるねー。鍵閉めといてね」
「いってらっしゃ〜い。愛しの咲夜く〜ん」
なんであの人はそんなに僕のことが好きなのだろう?ロリコンなのか?僕は綾ねぇに疑問をいだきつつ通学路に入る。
僕達の学校、セリオール学園は日本にはあまり無いような名前をしている。まぁ、見た目が洋風だからいいんだけれど。この学校は少し特殊でまぁ~その理由は後でわかるけど。朝の学園にはおはよーとごく普通の会話が飛び交っていた。僕はその中である女の子が視界に入る。その子はピンク色のツインテールにいつもフリフリのリボンをつけている。西園寺イリーナだ。僕はイリーナの横まで走り
朝の挨拶をした。
「おはよっ。イリーナ」
「ひゃう」
なぜか不思議な言語の挨拶が帰ってきた。すると、イリーナは顔を赤く染めながら言う。
「びっくりするから後ろから挨拶するのやめてよね」
「ごめん。イリーナの姿が見えたから」
「別にいいけど」
「今日のイリーナのリボンいつもと違うね。何かの記念日?」
「そんなんじゃないけど、母さんから新しく貰ったの。似合うかな?」
「すっごく似合うよ。いつもより可愛いよ」
僕の言葉にイリーナは顔を真っ赤にする。
ヤベ、なんか変なこと言ったかな。
「ベ、べ、別に変な意味で言ってないから。安心して」
「何に安心すればいいのよ。別に怒ってないし、怒る場面じゃないじゃん」
ごもっとも。僕は何を言ってるんだか。僕達はその後教室に入る。すると、
「おっす、お二人さん。夫婦で登校とはアツいね~」
と誤解を招くような挨拶をしてくる奴がいる。僕の一番の親友の朝比奈亮だ。
「そんなんじゃないわよ!!てか、なんでこいつとなのよ。こんな、ヒョロヒョロと!咲夜も何か言いなさいよ。咲夜のせいでこうなってるんだから」
イリーナが必死に弁解と僕に罵倒をしてくる。
「え、僕のせいでこうなってんの!」
「そうよ。咲夜のせいよ。咲夜がアタシにべったりくっついてるから」
ひどいな。なんで、新学期そうそうこんなこと言われなくちゃいけないんだろう。僕はそんな罵倒を避けるために自分の席に着く。僕が席に着くと
「おはよう。咲夜。疲れてるけど、熱でもあるの?」
僕の席の前に立つ黒髪のロングで手にはミサンガをつけている女の子が笑顔で挨拶をしてきた。
「おはよ。みのり」
こいつは神崎みのり。俺の幼馴染で俺たちの家族事情を唯一知ってる奴だ。やっぱ、みのりの笑顔は癒やされるな〜。ってやべやべヨダレが。
「なに、みのりの顔見てニヤニヤしてんの。キモッ」
「べ、別にニヤニヤなんてしてねーよ」
くっそ〜こいつは本当に見下すときの顔こえ〜な。僕は早く誤解を解かなくてはと思い言い訳を考える。ようやく考えつき、それを言葉に出そうとした時、学校中にアナウンスが響いた。
「市街地Bにサーバント発生。出動できる生徒はただちに駆除にあたってください。繰り返します。……」
「え~、朝から仕事。はぁ〜最悪。咲夜早く日向ちゃんに伝えて。私達の班も行くわよ。」
わかったと短く返事をしつつ日向に電話をかける。さっきも言ったようにこの学校は特殊であり、学園の生徒一部がサーバントと言われるモンスターと戦っている。サーバント達はゲートという門をくぐり、この都市にやってくる。僕達はそいつらが悪さをするのでそれを止める係みたいなものだ。サーバント達にもいろんな種類がいてRankがある。まぁ、僕達にもだけど。
「お前ら、またヘマして他人のチームに迷惑かけんなよ。お前ら今、チームRank下から数えた方が早いだろ」
「うっさいわね。アンタには関係ないでしょ」
「本当になんで日向ちゃんはこんなチームにいるかね」
「ハハ、ハ」
僕達にはA.B.C.D,Eの五つのRankがあり、日向のRankはCである。そして、僕達はDである。Eの人達は研修生みたいなもので中学生はみんなそのRankである。
「早く、行くわよ。あんな奴ほおっておくに限るわ」
「そうだね。日向はもう出てるみたい」
僕とイリーナは自分たちの武器を持ち戦場に向かう。
初めて書く作品です。現役高校生で頑張っています。ちょっと読んでくれるだけでもありがたいです。最後まで読んでくれた人はアドバイスと感想を下さい。よろしくお願いします。