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少し滞ったので一気更新。番号にお気を付けください。
で、改めてだ。今後何かを行う際には必ずお前と相談して決める。私とお前は二人で一人な訳だからな。簡単な所で言えば、夕飯のメニューとか。感覚も共有してただろう? つまり、私の口はお前の口でもあるわけだ。そう考えれば分かりやすいな。将来の事も……まぁ、私はエンターテイメント系魔法使いになる夢を曲げるつもりはないが。
『ふむ。分かった。しかし我は味を初めて知った。そして食すそなたが美味いという感情と共にそれを伝えてくる。思考してみたが、好みというものもそなたと同じになるのではないか?』
あっ……言われてみればそうだ。でも、感情は切り離せないしなァ。そこらへんは追々ってことにしよう。口に合わないものとかも、食べてみるようにする。それに、味覚は幼い頃と成長した後じゃ変わるしな。
『そうなのか?しかし、そなたの中身は大人と言える年齢であろう?』
身体的な問題だよ。確か子供は舌が苦味や絡みなどに敏感なんだ。そう考えると今と十年後じゃ大分変ってると思わないか? まぁ、成長しても好みが変わらない場合もあるけどな。
『……ふむ、そうか。我はまだ感情を動かせないが……』
動かそうとしなくて良いだろう。自然と動くようになると思うがな。今はまだお前から伝わって来るものはそんなにないが、色々と吸収しようとしている所為か同調しているような気はする。私が嬉しかったら、お前も嬉しいというような感じだな。それが別になれば、分かり始めるとは思うけどな。しばらくはお前との相談なしに大きなことは決めないつもりだし。
『大きなこと、とは?』
婚約者とか。実はお前に会ったあの日、婚約者と会う予定だったはずなんだ。私の推測だけどな。だけど、外れてはいないと思う。色々と父様が準備しているのは知っていたからな。歳の近い王子と婚約させられるんじゃないかと思っていたが……お前と契約したなら勝手にする訳にはいかないだろう。私の身体でもあり、お前の身体……人生なんだから。
『……体の良い言い訳に使われているな』
あ、バレたか。言っておくけど、本心でもあるぞ?でもなぁ……恋愛結婚が理想だよな。前世独り身どころか付き合った事もない人間が何を夢見て、と思うかもしれないけど。それに、私とお前、両方を平等に愛せなきゃ駄目だろう?
『そなたはそれで良いのか? かなり無理をして言ってるようにも感じるが』
そりゃ、人生一人だけ~ってのは分かるよ。でもさ、私は一人じゃなくなったわけだ。お前は私の半分。それをちゃんと愛せる人間じゃなきゃ駄目だろう。あ、人間じゃなくても良いぞ。出来れば人型であってほしくはあるが。
『獣人や魔族なども存在しているからな。……そうか、そなたの方針は分かった。我はまだそなたに付き添い、学んでいる最中だ。感情も育っておらぬ。故に、そういったものは後回しにして貰おう。今そなたが考えている、恋やらトキメキと言ったものも分からないのでな』
だんだんでいいよ。少しでも感情が揺れ動くようになって、それが安定して来たら本を読むと良い。文章だけでも、知っておくのも良いだろうし。
『うむ、分かった。……それはそれとして、今日の夕飯の後なのだろう? 話すのは。内容を詰めなくて良いのか?』
おぅおぅ、分かってらァ! まずはお前との方針確認って思っただけだろォ! 少しくらい横道に逸れたっていいだろうが!
『しかしそれで告げるのがずれ込んでいるだろう? 目覚めた三日後に発声は問題なく出来たのだ。検査などで調べられはしたが、家族に告げる時間がなかった訳ではあるまいに』
決意を固めていたんだよ。お前の事に関する説明以上に、私のことの説明の難関があるから。……受け入れられなかったらお前と逃げるか、幽閉されるかだな。そんなこと思いたくないけど。やっぱりストレートに言うのが良いだろう。両親は頭が固い訳ではない。兄様に関しても、幼いながらにとても賢い頭を持っている。そして何より愛してくれる。だからこそ、受け入れて欲しいという希望が、願いが大きいのだ。
『……あくまで、告げるのは家族のみなのだな?』
私の口からはな。身分的に王様とかそう言う人には伝えると思うぞ、父様がな。宰相だから仕方ないんだけど。家に居る使用人とかにも言っていいか考えるところだけど……まずは家族だろう、やっぱり。その後のことは反応次第で考えよう。