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少し滞ったので一気更新。番号にお気を付けください。


 さて、そんな状態で1週間程たった。その間、それはもう心配した心配したというお言葉をもらいながら、来た医者やら魔術師やらに検査された。前者は私の体調、後者は魔術書のチェックだ。私の体調に関しては少しずつリハビリすれば普通に生活できるそうで。所々弱っている所はあるものの、問題のあるところは見当たらなかったらしい。


 食事してなかったけれども? という疑問には誘拐犯が答えてくれた。どうやら疑似的に時間を止めたらしい。栄養的なのは大丈夫でも、身体機能まではどうこう出来なかったようだ。あ、でも身体の成長自体は止まっているので、倒れた時から一切成長はしていないらしい。

 これ、年単位だったらヤバかったんじゃなかろうか。年齢と外見の差が目立ちそうだな。中身との差はもっとあるけれども。


 そして、魔術書について。触ると発動する、ということをどうやら魔導師たちは知っているようで、彼らが何人か掛かりで魔導書を浮かせて禁書庫に持って行こうとした……が、これを私が拒否。私側で何があったかの説明をしてないというのに問答無用で魔導書を持って行こうとする彼らに対し、泣きわめいた。


 年相応ということで、中身とのギャップの痛々しさは無視をして欲しい……。魔導書が持って行かれると知った時、私はとてつもなく不安になったのだ。これはもしかすると、代償に関係しているのかもしれない。まぁ、普通に考えて自分の半分を誰かに持って行かれそうになれば恐怖を感じても可笑しくないだろう。


 ということで平時、魔導書装備の幼女が爆誕したのである。しかもこの魔導書私サイズに本を縮小できるようで、持ち運び自体は楽だった。ぬいぐるみの代わりに魔導書抱いているようなものだが。


『……』


 我が相棒、魔導書は黙ることが多くなった。おそらく、私が「聞くな感じろ」と言った所為だろう。魔導書は私と契約した瞬間から、ずっと私の感情を一方的に浴び続けている状態だ。「これはどんな感情か」。感傷に浸ったり、考え事をしていたりする時にそう問われると色んなものが霧散するのだ。何より、どんな感情か、などと聞かれても答えられない事が多いのだ。喜怒哀楽、などと表現することもあるが大雑把な括りなだけであって他にも色々と感情には種類がある。名前を付けられないものだってあるだろう。だからこそ、「感じろ」と言って促したのだけれど。


 さて、この魔導書の件。少なくとも家族、そして王様には報告しなくてはならない。しかし、その点において問題が一つ。装っていた幼児のままでは説明が非常にしにくい、ということだ。

 今は年の割に賢い、程度に収まっている評価だが、説明すれば位単位に見られる可能性が高いだろう。一応生まれる前から知識を持ってはいるので、元々生まれる予定だった子供をはじき出した可能性は限りなく低い。が、それとこれとは話が別で、気持ち悪がられる可能性だって大いにあるのだ。

 特に、家族に否定されるのは非常に悲しい。私という存在を愛してくれていると、感じるが故に。


『……これが複雑な思い、というやつか』


 そうだな。隠し事なんかしたくないし、知っておいて欲しいとは思うけど……否定されたら、拒絶されたらと思うと凄い怖い。反面、彼らなら受け入れてくれるんじゃないかっていう期待もあるんだ。これが裏切られるというのが、怖い。


『ふむ。混ざってはいるが恐怖が強いか』


 あぁ、そうだよ。私は怖い。そこそこ現状把握できるように周りは見て来たが、五歳の実の上で放り出されて平然としていられる程、強くはない。なんとかなるさ、とは思いたいがな。


『しかし告げるのだろう?我のことも言わなくてはなるまい』


 そこだよな。子供の言い方で言ってどこまで伝わるかが分からないし。隠し続けるって言うのもきついしさ、ちょうどいいタイミングだと思うんだ。踏ん切りがつくし。

 まぁ、その前にお前と色々決めておかないと、と思っているが。


『我と? 何をだ?』


 「共に夢へ向かって歩もう」の範囲って言うか、決まり事。お前はまだ、感情を学んでいる最中だろう?そんななかあれこれこっちの都合で決めてしまうのは卑怯だ。だからとりあえず、契約の見直しは一年ごととして、その度にお前の希望を問う事にする。時間が経てば、お前も色々な事が分かって来るだろう。その時、お前が私とは別の夢を抱く可能性もあるかと思ってな。


『……しかし、契約によって我はそなたの夢を叶えると』


 いやいや、正確には「共に夢へ向かって歩もう」だ。私の夢はもう分かっているだろうが、お前の夢が出来たならそれも一緒に叶えれば良い。「共に夢へ向かって歩もう」……何もおかしいことはないだろう?


『そうか。しかし我に夢というのは……』


 抱けたら、で良いんだよ。当分は私に付き合って貰うぞ?




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