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ボクに生きる価値なんて無い。

作者: なおい
掲載日:2026/04/08

 今日も独り、抱え込んでいる。

 夜中十一時。壁に背を預け、枕を座布団代わりして座り、三角座りしつつ足にだけ布団を掛け、明日が来ることを拒んでいる。


「――はぁ」


 何も成せず、心の闇を発散させる術も無く、ただ悩みに呑まれてだらだらと過ごすだけ。

 人に迷惑だけをかけて何も恩返し出来ず、「ダメな人間」に堕ちるだけ。

 そんな自分に、生きる価値など無いと思っている。


 世の中の「成功者」の様に何かを成し遂げられたら?クラスメイトの明るいあの子みたいにポジティブで居られたら?ボクはもっと、「良い人間」として命を全う出来ただろうか?

 何故、こんなに弱くて脆い、ガラスの様な人間になってしまったのだろうか。強化ガラスには成れなかったのだろうか。


 ――なんで自分は、こんなにもダメなやつなのだろうか。


「······死んでもいいかな」


 生きる価値を見出だせないのだ。今なら別に死んだって、悔やむことは無いだろう。

 明日学校へ行く途中、眠気の抜けきれていないサラリーマンの運転であの世へ行けたら。――なーんて妄想するだけで、()()死ぬ勇気なんて無い。

 事故死、あるいは事件に巻き込まれて、が一番良い。それらが、自分の大切な人達が一番悲しまずに死ねる方法だろう。

 もしくは、ボクが死んでせいせいしてくれるだろうか?惰眠を貪るしか出来ないボク分のお金や労力が浮くわけだし、考えてみればメリットが大きい。

 ボクはボクの大切な人達に何も返せてやれてないし、死んでしまったほうが、良いのかな――。


「······考えすぎか」


 あまりに薄情な妄想だったか。ボクの両親やじいちゃんばあちゃん、従兄弟は、例えボクが何も返せていなくても、本気で悲しんでしまうだろう。

 ――有り難くも思うが、死にづらい。お陰で「死のう」という気持ちが湧きづらい。

 悪い事では無い筈だが······、なんだか複雑な気持ちだ。


「······寝たくないなぁ」


 寝れば早く明日がやってくる。明日がやってくれば辛い一日がまた始まる。

 だからなるべく夜更かしして、明日が来ないようにと『今日』を引き伸ばしている。

 可能なら時間を止めてみたいものだが······。


「まぁ、無理だよなぁ」


 悪魔契約でもしない限り、そんな力は手に入らないだろう。

 そして願いを叶えた悪魔が魂を奪っていくというのがお約束。


「なら、どっちにしろ好都合か」


 死ぬにしても時間を止める能力を手に入れるにしても大歓迎。

 ――という現実逃避だ。


「······はぁ」


 溜息を出してみる。心のわだかまりを吐き出せないかなぁと思って。

 良く「溜息をつくと幸せが逃げる」なんて言うが、自分はそうは思わない。

 そもそも、溜息をついてしまう状況に居る人は、その一瞬幸せが残っていないのだから、逃げる幸せなんて何処にもないのだ。

 あるのは辛さだけ。その辛さを体外に吐き出す、それが溜息だと思っている。

 まぁ、吐き出せたとしてもほんのちょびっとにも満たないが。


「······生きてたくないなぁ」


 可能ならば消えてなくなりたい。死んだ訳では無いけど、現実世界に存在していない、そんな感じ。

 どうせ生きる価値も、生きる理由も、未来への希望も無いのだ。ならばもう、辛い事がたっくさんある人生を歩んでいたくない。


 こうやって散々悩むけれど、結局何も変わらないのだ。

 明日は皆平等にやってくるし、明日もまた悩みながら生きていく。それが繰り返されて、いつか『壁』に激突する。

 そうなった時、自分がどうなるか······。死ぬのか心が壊れるのか分からない。ただそれに恐れている。


 そんなこんなで、生きる価値を見出だせないまま、自分は生きていってしまうのだろう。

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