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勇者君は本当の勇者になって、国中の凶悪な魔物を倒し続けてくれた。エリクサーの材料の竜の鱗を得るため、ドラゴンを狩っては提供し、エリクサーは幻ではなくこれも量産することが出来るようになった。

そんな勇者君はリリスさんと結婚した。

学校でゼブランさんと縁が出来、ゼブランさんが卒業後リリスさんに引継ぎをしたとは聞いていたけどずっと仲良しだったとか。

学生でスマホ持っているのは西の公爵家ぐらいだったから、スマホで連絡を取りあいたい勇者君がリリスさんを離せなくなったそうだ。


リリスさんからは直接聞いてみたら「体はマッチョになってきて鍛えられて強そうなんですが、メンタルが弱弱で、そこが可愛かったのです。ああ、わたしが守って差し上げたいとつい思ってしまったのが始まりですね。」こっちの方は落ち人に対して庇護欲や保護欲が強いのだろうか。わたしも大変守っていただいたので、なんとも言えないが、勇者君はハーレムはせず、リリスさんだけを奥さんとしたので、いい子だと思う。今もリリスさんと一緒に数年に1回は会っている。彼もこっちの世界にすっかり馴染んだなって思う。良かった。


公爵領といえば、桜は2,000本達成した。頑張った。1本ずつ大木になってすごく立派になった。今では春の観光地になっている。桜を見るためだけに西の公爵領に人が集まる。わたしもこの時期になったら、公爵領に必ず見に行っている。西の公爵領の領都はわたしの第二の故郷だ。春、ここに立つといろんなことを思い出す。世話役と一緒に屋台を出した日、ロイヤルファミリーの刺繍入りハンカチやぬいぐるみが飛ぶように売れた日、ナナシーノさんやアビゲイルさんと暑い中も桜を植え続けた日、ひょろひょろした桜の木がだんだんしっかり根を張っていったのと一緒にわたしもこの地に根が張れたのかな。何年目かに桜の枝で染色して桜色のコットンのハンカチが出来た時、クロエさんとジョアンナさんと一緒に喜んだ日、60年分の思い出って書ききれないね。


リリスさん以外の消息はといえば、アーヴィンさんはワインにエールにブランデー以外にも梅酒も日本酒もどんどん開発して西の公爵領のお酒は有名になった。日本からお酒は買えたけど、現地の材料で現地の技術でそれらをしのぐものを作り上げることができた手腕は凄い。後でアーヴィンさんが結構お酒好きだってわかってからは仕事というより趣味が勝ったのではと思うこともあったけど、地元が発展したから問題はないんだろう。


あと、パソコンについて、アーヴィンさんと検証したけれど、わたしのインターネットのスキルが通用するのはわたしが複製をしたパソコンのみって限定されることがわかった。通販サイトで買った他のパソコンやスマホはインターネットが使えない。もちろん、こっちの魔道具もインターネットは使えない。

今後こっちの魔道具で作ったパソコンやスマホがこっちのインターネットのような仕組みを作りたいと魔道具技師さんたちは日夜頑張っておられる。

わたしが複製したパソコンとスマホはこの国のすべての貴族の当主の手に渡った。みな、表計算で税の計算をして執務が減ったと喜ばれている。空いた時間で本を読み音楽を聴き、日本のゲームを楽しむ。ほんの少し生活に余裕ができて楽しみが増えたことは喜ばしい。


メアリーさんは女性の下着に革命を起こした。コルセットがなくなったのだ。コルセット無しでも美しい体型を見せることができるブラジャーに、履き心地の良いショーツ、見せたくなる下着というアプローチでどんどん展開していった。もうこっちの国製で日本の下着を同じようなものが買えるようになった。パソコンは男性が主に使うものだったから、他の公爵領は通販サイトで女性用下着を購入するという発想にはならず、そのため女性用下着には遅れをとったこともあり、可愛い物美しいものが大好きなメアリーさんの主導のもと西の公爵領がこの世界は独占状態を走っていたのは良い思い出だ。この後少し遅れて、男性用下着も改良していって、オリバーさんとクロエさんの代になった時に下着はリネンではなくコットンも導入されて、肌に優しい汗を吸い取りやすい物へとなっていった。下着ひとつだけど、このお陰でよく眠れるようになったとか、体が疲れなくなった。楽になったと使用する人々からの感謝の声が領主館へ届けられていった。シャンプーやリンス・基礎化粧品など女性の美を守るものもどんどん広げていかれた。領主家を敬う人は増える一方だったね。


オリバーさんは農地改革頑張った。魔物除けの効果もあり、田畑が物凄く増えた。日本の農具に似たものも導入し、飢えを無くす努力を続けられた。いつでも真面目で働きもので努力家だったのでアーヴィンさんからご当主を譲られた時も何も問題はなかった。わたしも桜の植樹で成長魔法を使いまくったお陰で成長魔法のレベルがアップしたので、オリバーさんの農地改革にはいろいろ連れていってもらった。サッチの町で広がる小麦畑、絹さんの村で田圃を広げ、南の村ではみかんやりんごになしなどの果樹園も作った。その波及でジャムが流行った。可愛い瓶に入れたジャムは南の村の特産品になって良く売れた。ジャムは公爵家でも人気でよく朝食時に出てきたっけ。懐かしい。オリバーさんは今隠居してクロエさんと一緒に南の村で暮らしておられる。あのジャムを食べているのかな。


クロエさんはわたしが最初に自分のわがままで気になった生理用品の改良をずっと携わってくれた。スライムパウダーを使って似た使い捨てナプキンを女性の錬金術師たちと作って量産し、綿花を育ててコットンガーゼの布を作り出し、布ナプキンも普及させた。消臭ハーブの草木染も完璧だ。それに伴い生理についての教育にも力を入れてくれた。忌むべきものではなく子どもを産むための準備なんだと受け入れられていった。

最初は領都、それから西の公爵領全域、次は王都まで広まり、東西南北すべての公爵領を制覇後国一体にまで顧客を増やしていった。学校を卒業した女性錬金術師をどんどん確保しお年寄りや寡婦の良い仕事を提供した立派な領主夫人として認められていった。

田舎の方で赤の時期にボロ小屋に閉じ込められる女性たちもいたそうだけど、クロエさんのナプキンの普及とともに生理についての教育も一緒に周知されて衛生的に変わっていった。もう生理期間が忌むものではなくなってきて、ボロ小屋も取り壊されていった。教育って大事だね。

薬師とともに生理期間時の痛み止めも改良された。あの頃、こっちの国の女性は生理期間に痛み止めを飲むっていう発想すら無かったのに、出来るだけその期間を快適に凄そうという主旨のもと、多くの女性たちから協賛されその活動は広がっていったね。わたしもお世話になったし、自分だけではなくみんなで良いものが作れたって嬉しかった。


ブライトさんとユリアーナさんは欲望の赴くまま音楽愛を貫いたね。あれから西の公爵領に音楽の学校を作り、劇場も建ててしまった。演奏会、歌劇やミュージカル、歌手も育て一大エンターテイメントを築き上げたんだよね。

こっちの世界にはお芝居はあったけど、歌や音楽も一緒にというのは無かったので、驚きで受け入れられた。

先生役に吟遊詩人を勧誘したり、領主館や各町や村でおすすめ動画を流して興味のある人を参加してもらった。どんどん音楽を好きな人を増やしていった。

公爵領の音楽の館もブライトさん主導のものでこっちも喜ばれている。

その音楽好きは娘のカロリーナちゃんにもわたしが落ちてきた後に生まれた2人の弟くんにも遺伝していてみんなで盛り上がっていた。

紅白じゃないけど、冬の社交シーズンが始まる前に、公爵家のホールで歌の好きな人が次々歌って夜を過ごしたりもした。わたしは音痴だから手拍子だけだったけどね。

ブライトさんとユリアーナさんが育てた少年少女歌劇団の皆さんが歌う第九の合唱は年を締めくくるいい思い出になった。


ゼブランさんは鍛錬して鍛えて鍛えて、公爵領の騎士団長にちゃんと成れた。脳筋で素直でどうなることかと思っていたけど、スマホのお陰で日本語の勉強を必死で続け、体を鍛えるエクササイズやプロテインでの筋肉増量を知ってしまった。効率的に体を作りこんでいく姿はストイックですらあった。ダーツ大会もちゃんと企画して実行して成功させて、領地を盛り立ててくれた。

辺境伯の次女さんであり女騎士さんと結婚されて、立派な騎士団を率いることができた。本当立派になったね。今は引退して奥様と一緒に国中のダンジョンへ出没していると聞いている。


こっちの世界の人の中から小説や漫画や作曲をする人も増えた。こっちの世界発の漫画を初めて読んだ時感動してしまった。文化が根付いて広がっていく瞬間に出会えたことに感謝した。


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