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後、考えているのは孤児院で孤児に売り子をしてもらって、売り上げは孤児院に寄付するタイプのもの、クッキーと刺繍したハンカチを考えている。

実は手作りは日本にいた時からの趣味のひとつだ。こっちに来てからメアリーさんに教えてもらった。西の公爵領の紋章。それに桜を入れてみる。紋章に降り注ぐ桜の花びらは綺麗だと思う。1枚作ってどんどん複製しておく。100枚ぐらいあればいいか。念のため300枚ぐらい準備しておこう。最初の本当の手作りは手元に置いておく。いつでも複製できるようにだ。その辺は抜かりない。

あとはたくさんの白いハンカチと刺繍糸など刺繍セットを孤児院に寄付しておく。子ども達の刺繍入りのハンカチも売ってみればいい。自分たちでお金を稼ぐのは良い経験になると思う。刺繍自体はメアリーさんやクロエさんが孤児院に視察に行く時に教えていると聞いている。みな結構器用で上手いと聞いている。刺繍の図案の本も一緒に差し入れしておこう。

クッキーもレシピと材料は寄付しておくつもり。孤児院のシスターも全部売り上げが寄付されるということになれば、頑張るだろう。お祭りを盛り上げてくれるだろう。


桜は領主館の自分の部屋からもはしっこに見える。少しけぶってきている。なんていうのかまだ咲いてもいないのに全体的にピンクっぽくけぶって見えるのだ。ああ、もうすぐ咲くんだなと嬉しく思う。植えたばっかりなのでまだひょろひょろの細い幹だけど、それでもすくっと根付いて立っている。魔法があるって凄いなって思う。

お祭りが終ったら自分の生活魔法、コピーアンドペーストとインターネット以外のものをもう少し何が出来るのか調べてみようかな。せっかくの異世界!だものね。

この間久しぶりにハンカチに刺繍したけれど、日本にいた時より早くて綺麗に出来たのは、生活魔法のお陰だよね。


***

生活魔法:着火、浄化、浄水、点灯、成長促進、裁縫、コピーアンドペースト、インターネット

***


わたしの生活魔法のうち、服や体の汚れを取る時に浄化、ダンジョンに入るための点灯、桜の木の管理に浄水や成長促進を使っている。それこそコピーアンドペースト、インターネットは毎日使っているけど、裁縫はあんまり使っていない。日本にいる時はもう少し手作りしていたんだけど、異世界刺激が多すぎて、桜の管理と一番好きな読書とパソコンで時間が溶けてしまっている。

それはそれでいいんだけど。せっかくの魔法だ。30歳になったら使えるんじゃないかと冗談で思っていたけど、本当に使える今、もっと試してみなくてはという気がしている。落ちてきて1年弱。ようやく少し余裕が出てきたのかもしれない。もう落ちてきてから自分の思考が超特急だったもの。もう少し落ち着きたい。ああこたつにみかんでまったりはしていたけどーーー。変なテンションであったのは確かだ。


日本にいた時は友達もいなかったし、仕事と家の往復で家では趣味は満喫していたけど、異世界来てからアーヴィンさんやメアリーさんたちと新しいことばかりはじめている。毎日のように新しいことだ。見たことも知らない世界。それでいて自分に馴染む世界。地に足をつけて一歩ずつ進める世界。ふわふわ根無し草のように希薄で、いてもいなくてもわからないような子ではなく、ここに居て欲しいと言われることがどれだけ嬉しかったか。自分が求められていることを感じられる世界でわたしはようやく生きている実感を知った。

自分の孤独にも寂しさにも鈍感だったけど、今が幸せだからいいか。


お祭りの孤児院への寄付の刺繍のハンカチのおかげで裁縫熱が少し出てきたので、第二弾のハンカチに刺繍でドラゴンと戦う騎士にしてみた。勇者君でも良かったけど、彼の印象はまだ最初の真面目でか細いイメージままだから、どっちかといえばわたしの護衛のアビゲイルさんっぽい、ああ、そう思ったらこれは売れないな。身内をお金に換えてはいけない。こっちの本のドラゴン退治の挿絵を参考にして新たに刺してみた。著作権とかはないらしいのでいいだろう。


体感で時間として半分、出来栄えとして2倍、早くて綺麗に出来上がるので楽しくなってきた。次は姫様でも刺繍しようか。日本でも某夢の国のプリンセスって人気だったよね。あ、でもよく考えたらこっちの世界、本物の姫様がいる。どうせなら自分のところの姫様がいいのではないかと、アーヴィンさん通じて陛下に姫様を刺繍したハンカチをお祭りの時孤児院で売って良いかと聞いてもらったところ、陛下から姫様の可愛い写真が添付されて送られてきた。王家は3人息子がいて、姫様は1人娘で末っ子だそうだ。

日本で販売されている某夢の国のプリンセス風に刺繍して欲しいとリクエストがあった。陛下がアニメを見せているのか。本物の姫様なのにプリンセス風で良いのか?

まぁ、ご本人のリクエストらしいので、いいか。出来上がったら見本を送ってOK出たら販売して良いそうだ。


姫様はふわふわくるくるの髪の毛に真っ青な青空のような瞳の守ってあげたくなる可愛いらしさだ。

イラスト化して、刺繍して、か、可愛い。これは立体化したい。ということで15センチぐらいで少し頭が大き目のぬいぐるみを作る。「姫様ぬい」ですね。可愛くできた!

これを複製して、王宮に届けてもらう。


届いたかなと思ったら、即連絡が来た。陛下スマホを使いこなしておられる。OKの連絡かなと思ったら、「姫ちゃん可愛い。わたしも姫ちゃんのハンカチも人形も欲しい。王都でも売りたい。多めに送れ。」というものだった。仕方がないな。ハンカチとぬいぐるみを100枚と100体増やして魔法袋に入れて再度届ける。今度はちゃんと「これ以上欲しかったら、王宮のお針子さんに作ってもらってね!」と書いておいた。


すると「息子3人の分もよろしく!」と返事が返ってきた。姫様は可愛いけど、息子って二十歳過ぎた殿下だよね。あんまり可愛くないんだけど、どうしよ。写真も添付でついていたので、王太子殿下はドラゴンと戦っている例の図案をそのまま流用。次男殿下は優し気な感じだったので、薔薇でも持たせて、三男殿下は馬にでも乗せておこうか。というような感じで図案化して刺繍した。あ、刺繍したら絵本の挿絵みたいで素敵になった。いい感じ。


殿下たちのぬいぐるみも刺繍の図案に寄せて、作ってみた。15センチだ。可愛くなった。大人の男性を可愛いにしても良いのか少し悩んだけど、これも陛下が悪い。そういうことで、殿下3兄弟は公爵領では売るつもりなかったので、OK貰わず、各100枚100体にして届けてもらうことにしたら、陛下と王妃の分も欲しいと再度依頼があった。

陛下、後出しじゃんけんすぎますよ!!


まぁ断ることなんて出来ないので陛下は凛々しく、王妃は麗しく王家の紋章と一緒に刺繍した。あら、お二人がダンスしている様子にしたところなんか素敵。自分の才能が怖い。

これも100枚複製して、陛下と王妃のぬいぐるみも作ってそれぞれ100体王宮へ届けてもらうことにした。さぁこれでもう大丈夫だろう。


アーヴィンさんにことの経緯と出来上がったハンカチとぬいぐるみを見てもらったところ、公爵領のお祭りでも全種類売るべきだと力説された。

アーヴィンさんから陛下にお伺いすると、いいよと軽く了解が取れた。ご家族全員で全員分は確保したらしい。で、終わっていなかった。王太子殿下のお嫁さんと息子さんと娘さんの分も追加で注文がやってきた。

ねぇ次男殿下はご結婚しているの!?

次男殿下と三男殿下は未婚でした。良かった。

ということで、王太子殿下のお嫁さんと息子さんと娘さんの和やかな写真が届いたから、ハンカチ刺繍とぬいぐるみを作って100枚100体にして送り届けた。もういいだろう。

本体は全部手元に置いてあるので、自分の部屋に飾っている。ロイヤルファミリー煌びやかな方々もぬいぐるみになると可愛い。


アーヴィンさんが、良いものを作られましたねと微笑んでいらっしゃる。わたしにはわかるこういう時の子犬のように、すがるような目の時は・・・。はいはいわかりましたよ。

アーヴィンさんご家族全員分もちゃんとハンカチ刺繍してぬいぐるみも作りました!

こっちは売り物じゃないのでご家族分だけを複製。


皆さん思った以上に喜ばれている。ぬいぐるみ文化って無かったのかな。本人に似せた立ち姿の刺繍も無かったようだ。刺繍は大抵紋章か花らしい。実際の人物に似せているのは斬新で素敵!と褒められた。

ということで、わたしの部屋には今、ロイヤルファミリーと公爵家ファミリーのぬいぐるみが並べて飾られている。可愛い。

わたしの部屋に掃除にくるメイドに人気だ。公爵家のお針子さんから似たようなものを作って良いかと聞かれOKしている。お針子さんにはぬいぐるみ作りの本を数冊とぬいぐるみ用の布地を一式お渡しした。

こっちの世界布地はお高いからねー。「「「きゃー!ありがとうございます!!」」」とお針子さんたちが飛び上がって喜んでいたけど、可愛いが増える分はわたしが嬉しい。ぬいぐるみ文化がこっちで花咲いてくれるといいな。



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