4
はぁ無駄にどきどきしてしまった!お1人でと何度も念を押されたが、気分的には日本でも1人だった。誰の助けも求めず淡々と1人で生きてきた。だから1人で落ちてきて寂しいかと言われたらそうでもない。逆にアーヴィンさんをはじめみんなが受け入れてくれているのでキャパ的にはいっぱいだったりする。これだけ自分を見てくれる人がいるって初めてだものね。でも、それを嬉しいと思う自分もいる。日本ではひとりでずっといても平気だったのに。やっぱりこの地は何かわたしにとって違うんだろうね・・・。
よし、次は自分のスキルについて調べてみよう。
昨日、コピーアンドペーストのスキルを使ってみた。
その時、新品のショーツを2枚増やして、次にタオルハンカチ、ソーイングセット、シャーペンを試しで増やし、単体でノートパソコンを2台、すべての物が入った状態のショルダーバックが1回、単体でスマホも2台。追加で充電器やバッテリーが1式。ハンドクリームが10本で魔力切れをした。
ちなみに『コピーアンドペーストしますか?』の表示はコピーの必要がない時はそれほど主張するものではなかった。勝手に脳がスルーするみたいだ。欲しい時はくっきり感じる。意識のスイッチみたいなのがあるようだ。慣れると使いこなせるかも。
ショルダーバックの中身は、ノートパソコン、ソーラー充電器バッテリー、スマホ、お財布、小銭入れ(小銭、古銭、金貨)、タオルハンカチ、ティシュ、ソーイングセット、文房具セット、常備薬、救急セット、お泊りセット、生理用品、化粧品、通帳や手帳、印鑑、自宅の鍵。となっている。
結構複製できている。アーヴィンさんから馬車に乗ってこっちに来る時に、身の回りのものを嫌ではない範囲で王家に献上して欲しいとご依頼があったが、直近のご老人は家で寝ていたので、寝巻だけ、農家の人は農作業中熱中症で亡くなられたみたいで、作業着と作業鋏を持っていただけだったそうで、寝巻とかはお気に入りだったそうで、亡くなってから献上されたと聞いたので、そこまで切羽詰まって早急に献上しなくても良いそうだ。下着とかは嫌だと言えば献上もしなくて良いそうだ。
そうだよね。使い古した下着は受け取る方も嫌だろう。
といっても、コピーアンドペーストで物を複製できるスキルは秘匿できないだろうし、下着と生理用品以外は献上しとこうか。スーツは浄化魔法で綺麗になったしなぁ。あ、生理用品。使えるんだろうか。この世界で。時期はまだ先だけど、聞いとかないと急に来た時焦る。
先ほど部屋に戻ってきていたジョアンナさんに聞いてみる。
するとこの世界は生理中のことを赤の時期と呼び、生理になった使用人は赤の部屋と呼ばれた部屋に集まり、黒いワンピースを着用し、ボロ布を詰めて、軽い人は椅子に座って刺繍をして過ごし、重い人は自分で床に藁を敷いてその上に寝込んで過ごすそうだ。詰めたボロ布はそのままトイレで捨てると、魔石で水が出て、下水道に流され、下水道にいるスライムがすべて消化してくれるそうだ。貴族の方も赤の部屋にいかないだけど、対処方法は布がましっていうだけであまり変わらないらしい。
それにしてもスライムか。スライム凄いね。一度見てみたい。異世界のスライム!
それにしてもボロ布は嫌だ。『コピーアンドペーストしますか?』でナプキンを増やせても処理できなければ使えない。燃やして変な物質が異世界を汚染するのも嫌だ。
ジョアンナさんに、日本の生理用品を見てもらう。これはスライムが消化できるんだろうか。
「ご主人様にご相談させていただきますが、冒険者にスライムを捕獲してもらって、直接消化できるか確認した方が早いと思います。」
そうだよね。使ってから消化できませんって。ってなる方が恥ずかしい。
ここ直近180年、生理のある若い女性は落ちてきていなかったので、日本の生理用品の知識は周知されていないようだ。医師も男性なら使わなければ気が付かないよねー。
スライムはジョアンナさんに任せて、次はスキルのインターネットを検証してみよう。スキルは自分の中の魔力を使うと教えてもらった。魔力は有限だからね、寝る前に余った魔力は複製に回そう。
ノートパソコンは昨日複製した時複製した方を簡単に中を確認してみたけど、本体はこっちに来てからはじめて電源を入れる。立ち上がる。良し!
画面が映る。いつものようにPWを入力しログインする。日本にいる時と変わらない状況ににんまりする。ここまでは大丈夫だ。ブラウザを立ち上げ、検索ワードを入力してみる。そのまんま「異世界」だ。あ。検索結果が出てきた。勝った!昨日から何度目かわからない勝利宣言だ。インターネットが使える。パソコンがある。これはもう異世界制覇してしまうんじゃないだろうか。まぁ面倒だからそんなことはしないけど。
異世界きて少しテンションが変だけど、わたしはもともと変わり者の30歳まで1人でこっそり生きてきた人だ。いつか異世界に行ったらどうしようって本気で準備してきた変わり者だ。異世界へ行ったらすぐに死なないように生き延びられますようにというのが生きていく上での目標だった。ここ西の公爵領だとそれは可能だと思う。死なないように、生き延びられるようにというのであれば、もう目標達成だから、何もしなくてもいいともいえる。でも、日本にいた時と違って少しわくわくしている自分がいる。
少し、異世界で楽しんでも罰は当たらないんじゃないだろうか。先代の落ち人さんたちもそれぞれも分野で無双していたみたいだし。
そんなことを考えつつ、今日のメイン、通販サイトにアクセスする、今のところ順調。疑問はひとつ、インターネットというスキル。物は買えるのだろうか。
サイトにアクセスして気づいた。いつも読んでいる漫画の最新刊が出ている。読みたい。欲しい。日本にいた時に同じようにクリックし、注文画面に進む。おや。注文画面の右端のところに見慣れない項目がある。『残高2,132,550円』『投入口』この2つだ。残高は見覚えがある。わたしの通帳の残高金額だ。そして投入口は異世界あるあるだ。きっとお金が入れられるに違いない。はっと気づき、昨日複製した金貨を取り出す。再度念のため、もう1枚複製しておく。これは額面10万円、地金価格が高騰している今は地金価格だと60万円超える。さぁどっちが反映するんだろうか。
画面の投入口に金貨を押し当てたら、するりと吸い込まれた。おお。感動が体中に広がる。『残高2,762,550円』時価の地金価格が反映されている。良し!ここは異世界だものね。国が額面を保証できないから、地金価格なんだろう。
物が買えるかどうかまだわからないから、金貨の投入は1枚まで、とりあえず今はここまで。
次は購入を試したい。必要なもの。残高のこともあるから、無駄にはできない。ここで、家にあったのと同等のプリンタと災害時にプリンタを使うことができるとうたっている動力用のソーラーバッテリーを選択する。深呼吸をして注文確定ボタンをクリックする。
すると、パソコン画面から10センチぐらい上の何もない空間に黒い靄がかかると、その空間がぐにゅっと歪んだ気がしたら、箱が出てきて、ふわりと浮く。それを受け取る。
逸る心を抑えて箱を開けると、注文したプリンタ、バッテリー、新刊の漫画が入っていた。残高も減っている。魔力も減ったようだ。複製をした時のような体からなんか減った気がする。
コピー用紙とLANケーブルを追加で購入し、作戦を練る。
現在ノートパソコンは、本体1台と、複製品の予備わたし用が1台と個人情報等を削除した複製品が2台。1台は自分の予備として今後も確保しておきたいから、個人情報等を削除した方をもう1台増やす。ソーラー充電器、バッテリー系も増やす。これで、アーヴィンさん、長男さん、次男さんでパソコンとプリンタで仕事ができるはず。
気になるのは、わたしのインターネットスキルはわたし個人だけなのか、周りの人にも影響するのかだよね。




