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そろそろ夏も暑さも少しマシになってきた頃、王宮にわたし関係の物を献上しようかという話になった。

秋の収穫祭を前に面倒なことは終わらせてしまおうかとアーヴィンさんとそういう話になった。通販サイトがちょっとあれ過ぎて黙って過ごすのが怖くなったともいう。


パソコンとプリンタとその周辺機器、スマホとわたしが落ちてきた時身に着けていたスーツと靴一式と、王様用に高級品のお酒も何本か用意してみた。

落ち人の恩恵は領地優先しても良いが秘匿してはいけない。ある程度自由度はあるが、パソコンで得られる情報はこれ以上西の公爵家だけで留めるのは難しくなってくる。


領地を優先しても良いけどね。王家に黙ったまま恩恵を受け続けるのが申し訳なくなってきたってきてアーヴィンさんが弱ってきたんだよね。悪いことはしていないのに。


ノートパソコンはとりあえず3台。スマホも3台準備した。必要ならその場で複製できるしね。パソコンとプリンタの設定をするため、わたしも一緒に王宮に行くことになったけど、わたしが傍にいれば通販サイト使えるのではない?

どこまで離れたら使えないのかまだまだわからない。


ということで、王宮までドナドナだ。

初めて行く王都、夏場は社交シーズンじゃないから他のお貴族様とは顔合わせはしなくて済みそうだ。

西の公爵領から街道を行く。広い草原があったり時々畑が広がっていたりと公爵領から王都まで思ったよりのんびりした風景が広がっていた。王家管理の穀倉地帯もあるのかもしれない。王都は15万人都市だ。単純に領都の7~8倍の規模だけど、いったいどんな感じなんだろうか。遠くからでも見えてきた王都の大きさに気が引き締まる。壁が高いのは魔物が入らないようになんだろうな。

王都も白い壁に赤い屋根の建物が目立つ、真正面に立派なお城が見えてきた。ひゃー本当に大きいヨーロッパのお城ぐらいあるね。尖った尖塔もあったりして本物のお城だなぁって思う。緊張してきた!


アーヴィンさんも緊張しているようだ。今日はわたしとアーヴィンさんとオリバーさんが一緒だ。箱詰めされた献上品がたくさんあるので、側近と護衛もついてきているし、わたしがいるからジョアンナさんも一緒だ。


そして、今日は仕方がないからこっちのドレスを着ている。初ドレスだ。これは避けられなかった。でも、色と形はちょっと希望を述べてみた。紺色ですっきりしたタイプだ。落ち人に強制はしてはいけないが、初めて会う王様と王妃様の前なので恰好だけはつけないといけないらしい。2度目ならもう少し楽でもいいそうだ。


王城は本当にお城だ。大きい。そして美しい。足元は大理石のようにつるつる光っている。気をつけて歩かないと滑りそうだ。装飾も丁寧で美しい。時折見える庭も綺麗な花が咲いていた。小さな国だとアーヴィンさんは謙遜されるが、小さくても立派だ。国全体で人口は60万人ほどで大きさは日本でいえば九州ぐらい、馬車だと南北で2週間、東西で4、5日の距離だ。人口は中堅の都市の規模ぐらいしかない。九州ぐらいの大きさで中堅都市ぐらいの人口しかないのは、魔物がいて人が住める地区が狭いからだと教えていただいた。そこらへんは今回の勇者君がなんとかするのかもしれない。

そんなこと考えながらアーヴィンさんにエスコートしていただき、緊張でどきどき鼓動の音が大きい。ひー。本当足ががくがくだ。


王様の前にアーヴィンさんとオリバーさんと一緒に出る。頭は下げたままだ。


「ようこそ、わたしがエルダリス王国の王、レオナルト・エルダリスだ。落ち人様のハナ様。今日は落ち人様のスキルや恩恵を披露していただけると聞いている。よろしくお願いしたい。」


「こちらこそマナーは何もわからないままで失礼してしまうかもれませんが、よろしくお願いします。」


王様はアーヴィンさんとはまた違ったイケオジだ。アーヴィンさんがどこか人懐っこい子犬のようなつぶらな瞳を持っているイケオジとしたら、王様は本物の王子様が綺麗に年を重ねたような綺麗なおじさまだ。四十代ぐらいと見えた。ただ目が笑っていないようでちょっと怖い。でも、国の一番偉い人に思ったより丁寧に依頼されてしまった。


王様と宰相さんと王太子さんとその他護衛の人側近の人など大勢とアーヴィンさんオリバーさんとうちの領地の護衛の人たちと空き部屋に辿り着く。大きい。広い部屋。20畳ぐらいはあるんだろう。前もって話をしていたのか、大きなテーブルが3個、椅子がもう少し多く、小さなテーブルが1個ある。

そこにノートパソコンとプリンタを設置する。電気が通っていないから、今回も災害用のソーラーバッテリーを持ってきた。


王様や宰相さん、王太子さんは興味津々で設置しているところを見ている。

これはパソコンですと説明すると、3人とも「ああ落ち人様が『ここにパソコンがあればいいのに』と呟かれていたあのパソコンですか!」とまた同じことを言われた。そんなに前の人たちは呟いていたのか。あ、前の人って60年前か120年前とか180年前だよね。そんな昔にパソコンがあったんだろうか。落ちる前の日本と落ちた後では時期がずれているのかもしれない。


そんなこんなで、パソコンを3台設置し、プリンタも繋げた。王様の隣にわたしが、宰相さんのとなりにアーヴィンさんが、王太子さんの横にオリバーさんが立ち、パソコンの使い方の説明だ。なんか立ち位置おかしくない?と思ったけど、一番詳しいのがわたしだ。仕方がないか。

既に基本的なソフトはインストールされている状態での複製なので、一番大変なのは、ローマ字入力を理解することだと思う。

あとは、クリックだよね。わたしはノートパソコンなのに、マウスを使っている。そっちの方が慣れていて使いやすいからだ。だから、こっちにもマウスを持ってきている。もちろん、ノートパソコンで完結する人はすればいいと思う。

どっちでも好きにして欲しい。


検索画面で検索が出来て、必要な情報が手に入れられるようになった後、陛下がそれだけで結構興奮されていたが無視して、いよいよ通販サイト画面に移動する。さぁどうだ。わたしが傍にいるから使える確率が高いが。


結果は使えた。試しに金貨を投入し、ここでも美味しそうなお酒をお試しで購入。一番わかりやすいんだよね。すぐに、こっちの世界にはないけど、とても美味しいってわかるから。

毒見係の人を呼んできて、味見をしてもらう。OKサインが出たら、すぐにコップを寄越せと指示が出た。


「うまい!」


王様はお酒の好きな人だったのか、ぐびぐび飲みだしたので、他にも買いたいものが買えるとか、音楽が聴けるとか、気をそらす。飲み過ぎたら学べないよ。


「すまない。うまいので、ついついな。」


大変気軽な口調になってきておられる。宰相さんとアーヴィンさんは実用書の購入に成功したみたいだ、宰相さんが唸っている。

王太子殿下とオリバーさんは真面目に胡椒とその種とか取り寄せたみたいだ。まぁ胡椒はこっちでかなり高価みたいで、この国ではほとんど取れないので是非植えてみたいと力が入っているようだ。


プリンタの性能も見てもらった。

検索した画面が気になる時は印刷すればいいと伝えた。コピー用紙1箱に、初級のパソコンの本も何冊か持ってきておいたので、後は自力で頑張って欲しい。


この後は、スマホの講習会をした。こっちも3台。とりあえず3台。写真、トークルーム、電話、検索と万歩計もご披露した。さすが国のトップ軍団、頭が良い。こっちの人は本当に優秀だと思う。さくさくと覚えて、撮った写真もすぐに待ち受けにしてしまった。


「これはいい。とにかく面白い。パソコンとスマホ、落ち人様の英知。大変素晴らしい!!」


「これは誰が使うのは取りあいになりそうだ。」


「何を買うのか嬉しい悩みで眠れなくなりそうだな。」


「この小さい箱でどれぐらいの価値があるのかわからない。これらは国でも作りたい!」


色々な声があったけど、基本絶賛していただいた。

そして念を押して言っておく。


「この通販サイトはわたしのスキルのインターネットがある間だけ使えると思います。わたしが死んでしまったら、使えなくなるので、そこは本当ご理解お願いいたします。また検索はすべて本当のことばかりではなく嘘も混じっていますのでご注意下さい。直感のスキルが使える人がいれば使って下さい。」


「ハナ様の価値は計り知れない。王宮からも護衛を派遣する。ハナ様を必ずお守りすることを誓おう。」


王様はアーヴィンさんとトークルームの登録をしたようで、何かあったら電話もしても良いと了解を得て、わたしが西の領地に戻っても通販サイトが使えるかどうか検証することになった。

帰る前に、パソコンとスマホを後10台ずつ宰相さんに頼まれて複製してお渡しした。あのままでは誰が使うのか激しい争いになって血の海になりそうだと懸念されたらしい。危ない争いになる前に、念のため多めに手元に置いておきたいと、備えあれば憂いなしの宰相さんに同感した。そうだよね。事前の準備大事。誰に渡すかは王宮にお任せした。

わたしが帰っても検索も通販アプリもトークルームも使えたそうだ。アーヴィンさんのところに報告が入ったそうだ。

これは忙しくなる。王宮がね。陛下頑張って下さい。



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